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校庭の掃除

小学校の高学年が一番充実していました。担任の先生のせいかもしれません。友達も沢山でき、楽しく過ごしていました。高学年になると校庭も掃除しなくてはいけません。二人一組で大きな木の木陰で落ち葉を掃いていました。近くに叔母さんが一人で住んでいる家がありました。時々でて来て残飯を溝に捨てていました。用水路に流れるので小魚の餌になるのでしょう。何時も少しこわい顔をしているので、口の悪い男子が鬼婆と読んでいるのを聞いたことがあります。友達がいない時勇気を出して、叔母さんの家、うちのおばあちゃんの家によく似ている。と言いました。すると、急に笑顔になって早く行かないと先生に怒られるよ。と言ってくれました。鬼婆と呼んだ子に直接あの人いい人だよ。いい人だから。と念を押してあげました。彼はびっくりしていました。私は叔母さんの家の方から登校するようになり、彼女を見つけると大きな声で挨拶しました。すると後ろからくる子も挨拶するようになり、もう誰も彼女のことを悪く言う人はいなくなりました。卒業するころにはどこかに引っ越してしまいました。私は大事な友達がいなくなったみたいに寂しくなりました。この黄色い花を見て思い出しました。