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可哀想な女の子

相変わらず疲れた1日だった。
広い在籍にもかかわらず溢れる女の子。
私もそのうちの一人で、客はそこそこ来ていて即姫は女の子の数に対してそれなりに少なく
男の性欲は恐ろしいものだなと思った。
時々この建物の中で生命の営みが一気に行われているのか。と思うと気持ち悪くも、面白くも思ったりもする。
変な仕事、変な人たち、変な生物。
まあそのお陰で食べてけてるわけで。
もっと頑張らないとなあ。そんなふうに思っていた。
私は結局姫予約のお客とラスト枠の知らん客を捌いて終わった。
姫予約の客はえらく私を褒めてくれた。
だけど私は、もう期待しないんだ、絶対に、
この間客に裏切られたことを一生懸命思い出す。
なのにまたこの客の言葉に期待している自分がいる。
最悪だ。同じことの繰り返しだけは、避けたい。

私の悪癖だ。
いつもそうだ。
客の言葉を素直に受けとって
期待して
待ち続けて
裏切られて
傷ついて
悪いのは全部私だ

スルースキルを身につけたい。
全てにおいて。
誰も要らない。そう思わなければここではやっていけない。
苦しいだけだ。

苦しかった8月が終わった。
生まれた私が死んでいった。
辛かったね、8月の私。
病気を知ったのも、色んなこと怒られたのも
頑張りを認められなかったのも
誕生日祝って貰えなかったのも
嘘つかれたのも
要らないと言われたのも
全部おわったよ
さよなら、8月の私。二度と来ない最悪の8月。
さよなら、死んでいく8月の私。もうこんな思いしなくていいんだよ。泣かないでね。ゆっくり眠ってね。抱きしめてあげる。
9月は殺しまくる。全員、殺す。もう誰も信じない。疲れても働く。働き抜く。金しか要らない。欲しいものだけ手に入れる。下らない程度の低い言葉なんぞ知らない。私の言うことを聞かない人間とは決別する。
それでいい。私が決める。
殺された分だけ、関係ない人間だろうと殺していく。
お前も必要ない。死ね、カス。

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