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日本人学校は必要?

私達が住むニューヨーク市近郊には、沢山の日本人学校、日本語学校に日本語補習校、日系の塾があります。海外にて日本語(我が家では母国語)を、いや、日本語学んで行くには、恵まれた環境である事は間違いないです。

では、日系の学校が身近にない環境にある場合、日本語教育は諦めるしかないのかというと、日本人学校なしでも、全然日本語が母国語になると私は思うし、高度なバイリンガルにもなれると思っています。

条件は、親子の仲がよいこと。家庭内で日本語の会話を沢山する事。兄弟姉妹同士の会話も、勿論日本語。親子は日本語でも、兄弟姉妹同士は英語で会話という永住、または駐在家庭をよく見ますが、そうすると日本語の会話能力は低下の傾向にあると思います。駐在のご家庭はあえてそうさせているのかもしれませんが。子供が小学生の間は、兄弟姉妹で過ごす時間は結構長い。我が家は長女がかなり自覚をもって、「私が綺麗な日本語を話さないと、妹と弟の日本語が崩れる。」と危機感を持ってくれているので、助かっています。

そして、超大切な、毎日の読み聞かせと、音読。子供が小学校四年生くらいまでは、毎日1時間は一緒にする。読み聞かせは、本気で。映画撮影シーンの中にいるイメージで、ディレクターが「アクション!」とカチンコを鳴らす横で、私は役に入りきります。

音読は、最初は、句点で交代。できるようになったら、句点二つで交代。それができるようになったら、一段落で交代し、それもクリアしたら今度はページ毎で交代。これを続けているうちに、読書好きになり黙読できるようになるだけでなく、お喋りも上手になり、日本在住の日本人の子供もビックリ!の語彙が自然に出てくる様になります。本は子供の好きな本を選んであげて、毎日同じ本でも構いません。我が家の子供達は、日本で夏学校や塾や学童へ通うのですが、言わなければ、誰も我が家の子供をアメリカ生まれのアメリカ人だと、まさか思わない。。後で知ると、皆さんひっくり返って驚きます。

家庭でのテレビは、車の中で観る日本語のDVDのみ。毎日1時間半車の中で過ごすので、結構な時間です。コマーシャルカットして録画してある物を実家から送って貰い、それのみ視聴です。お気に入りは「ダーウィンが来た!」です。年齢差のある3人が、喧嘩しないで観れるのは今はこれだけなのです。マニアックな動物の名前、かなり沢山知ってます。日米のテレビのコマーシャルを観せたくないので、これが一番の視聴方法だと思っています。

これに毎日の漢字(またはひらがな)に視写のプリントで、日本語のお喋り完璧、読み書きも日本の小学校で国語が得意な子供レベルには達します。視写は意外と知られていないけど、へたに作文を書かせるよりもいい。文章を書くことへのハードルが低くなり、筆速が鍛えられるし、文章に書くにあたってのルールにも慣れ、「まとまり」で文章を捉える事に慣れる。いい事づくしです。うつしまるくん、おすすめの視写プリントです。私はヤフオクで買って、何年も大切に、コピーして使っています。毎日必ず一ページやる事で、文章を書くときに、まとまりでスラスラ出てきます。

我が家の上の二人は日本人学校に籍をおいていますが、今のところ日本に住む日本人の子供と変わらない日本語能力があるのは、日本人学校のお陰ではありません。断言できます。98%は、家庭で行っている事です。残りの2%が、日本人学校での先生やお友達との会話、そして教科書に沿った勉強で得ていること。日本人学校の仕組み上仕方のない事で、嫌なら辞めればいいのであまり詳しくは書きませんが、考える能力のある子供が究極の詰め込み教育をされるのを、時には食い止め、時にはスルーし、時にはUndo(学びなおし)しなくてはならないのが、一番のネガティブです。非合理的で効果の出ない勉強も多いです。利点は、日本の文化を学べる事。良い伝統も、悪い伝統も、「例年通り」に、毎年続いていく印象です。そして、究極のポジティブは、友達ができること。

日本人学校へ入れる事は、語学能力の向上の点でポジティブだけでなく、弊害も確実にあると思います。今はまだ楽しんで通っているからいいけれども、この先本人が辞めたいと言ってきたら、辞めてくれていいと、私は思っています。









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