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就学前後の子どもの「不器用さ」。ほったらかしにしないために家族が知っておくこと。

 「靴紐が結べない」、「ハサミを上手く使えない」など、明らかに不器用さや運動技能が他の子どもに劣る、いわゆる「不器用さ」のある子どもは沢山います。そののような不器用さの中で、学齢児童の5~6%に発達性協調運動障が持つという言われています。今回は、不器用さをほったらかしにするとどうなるのか、では何をしたらいいのかについてお伝えしていきます。

発達性協調運動障とは

 知的発達には遅れはなく、筋肉や神経、視覚・聴覚などに明らかな異常も認められません。 しかし、日常生活における協調運動が、年齢などに応じて期待される水準と比較して、不正確、時間がかかる、ぎこちないなど、いわゆる「不器用」といわれる状態のことを指します。
 不器用さが脳機能の問題のために起こっているという認識が低く、単に「不器用」「運動音痴」、また「努力不足」、「指導力不足」に原因があると本人や周囲が思い込んでいることが多いです。そのため適切な支援が遅れているのが現状であります

子どもの「不器用さ」をほったらかしにしない

 実は、学校の集団生活の中で、「素早く」片付けする、着替える、ノートに文字を書く、といった集団行動が求められますが、これらの行動には協調運動が深く関係していると言われています。そのような集団生活における協応的行動が苦手な児童に対して、保護者や教師の指導は教育的に重要ですが、「自尊感情」や「学校生活」のQOL(生活の質)低下につながるリスクもあると言われています。

 保護者が子どもを観察する場面は家庭など少人数であるのに対し、保育士や教師は集団生活の中で、他の児と比べて観察する場合が多いです。そのため、協調運動の問題を抱える児の行動と情緒的問題は、集団の中では気づかれにくいと言われています。

 協調運動の問題は、50~70%の児童において青年期になっても残存すると言われおり、幼児期では運動機能の問題が中心ですが、学童期になると学業成績等にも影響を及ぼすことがあります。青年期にかけては周囲からの孤立や自尊心の低下、運動嫌いなど二次的な心理・社会的問題として発展することもあります。加えて、集団生活の中で適応感を感じにくく、社会性や情緒面で躓きやすいという指摘もなされています。

不器用さへの向き合い方

 基本的には、それぞれのライフステージにおける協調の課題や困り感に合わせて、理学療法、作業療法、言語療法など、いわゆる療育プログラムを組み合わせて行っていく必要があります。
 子ども自身が「できるようになりたいこと」を課題として設定し取り組む「課題指向型アプローチ」が有効とされています。一方で、微細運動への介入を行う場合も、姿勢の制御や保持などに必要な体幹や腕、肩の安定性など、粗大運動が微細運動を支えているという視点が必要となります。
 加えて、子どもとの信頼関係、動機づけ、励まし、楽観性、 自尊感情の5つが重要とされています。そのため、支援をする側にも様々な視点からみてもらうことをお勧めします。さらに、専門的な機関での療育のみならず、日々の生活の場面で行われること、子どもに関わる保護者や教師などとの協働が重要となります。

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