見出し画像

大企業の子会社の「職場の雰囲気」は女性の離職に大きな影響を与える

なぜ、職場において女性が働き続けにくい雰囲気が生まれるのか。企業側の要因として、人間関係は 当然のことながら、上司や会社の経営方針、また組織構造も影響を与えていると考えられる。

離職時の「職場の雰囲気」

 先行研究で22名の女性にインタビューし、ある方を「事例」として内容が記載されています。
<事例>
 大企業の子会社の場合、組織が縦に長く、中間に多くの管理職がつらなっています。どの組織も上位に男性、下位に女性が多い構造ではあるが、調査対象者はいずれも男性と同等の職域であり、部下も抱えているケースもあります。
 H氏への本部から の配慮として、出産時には自宅から近い営業所に転勤させてもらったという。しかし、転勤先の職場は人間関係や売上管理等で様々な問題を抱えていた。直属の上司である店長(子会社のプロパー社員) は、販売士の資格を持ち、仕事の進め方などに進言をしてくるH氏を疎んじるようになっており、店長のさらに上司である定年間近の課長(親会社からの転籍者)は店長に追随するのみであった。課長にとっては、このポジションは定年退職までの準備期間であり、「つつがなく」職業キャリアを終えることを最優先しているように見えたという。このような人間関係であったことから、H氏が子どもの病気による休職を申し出た際のサポートはなく、やむなく退職する。

事例のように、子会社に勤務する女子社員の上司は親会社からの転籍者でローテーションされており、いずれもあと数年で定年を迎えるという立場にあった。残りの数年は退職までの準備期間であり、その期間を「つつがなく」過ごすことにより女性社員の就業環境には無関心であった。

充実した両立支援制度と実際の取得のしにくさの齟齬

 結婚・出産といった女性社員のライフイベントの変化に際し、異動等の配慮があり、大企業の子会社であるためか社内制度も整ってはいるが、実際には働き続けられる環境ではなかったという。一つは、 上司や同僚からの「職場の雰囲気」であり、もう一つは「長時間労働による体力的限界」からくるものである。また、大企業の子会社の場合、比較的男性上司の年齢層が高いためか、部下であった女子社員が自分より仕事をこなし、部下であるパート等からの人望も厚い場合に、上司は女子社員を煙たがるようになる。相談ラインが一つのルートしかない場合、上司の発言が女性の就業行動を決定づけてしまう。

ここまでで、子会社の職場の雰囲気が離職の影響の要因になってることがあわかると思います。加えて、ここからは「育児と仕事の両立の未整備」についても記載していきます。

両立支援制度等の社内制度の未整備

 女性の仕事と家庭の両立支援制度等の未整備といった声も多い。そもそも制度の説明などはなく、取得等は考えたこともない、というケースが見受けられた。その運用ルールもまちまちで、 D氏の職場は、名簿販売の他骨董品販売まで広く手掛ける会社で、兄弟で起業した企業である。事務職として入社したものの、女性社員2名に対するセクシュアル・ハラスメントの発言と職場での男性社員の喫煙がひどい状況であった。セクハラに関する発言は聞き流せるようになったが、受動喫煙により体を壊し退職する。

 結婚・出産といったライフイベントに対する企業・学校の対応も鈍く、結婚・出産時に働き続けることに全く理解がないケースもあれば、理解があり、社内の復職制度等が整いながらも長時間労働のために実際の取得者はほとんどいない、といったケースも見受けられる。

最後まで読んで頂きありがとうございます。では、もう少し具体的にメンタルヘルスのサポートや育児と仕事の両立について教えてほしい、サポートしてほしいと思われたら、こちらのサービスで横山が伴走致しますので、良かったら覗いてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?