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気遣われ屋

7時半に起床。連休初日だが燃えるゴミを捨てなければならないのでアラームをかけておいた。本当は前日の夜に出したいが、近頃近所に野良猫が増えてきたので自粛する。
二度寝しようと思ったが、その後予定が控えているとなかなか寝付けない。結局昼までYouTubeでクラフトコーラを作る動画をずっと観ていた。面白い。なかなか自分で作ろうとは思わないが。材料集めや工程が結構面倒だし、その面倒さが味の評価の正当性をなくしてしまう気がする。「これだけ手間をかけたんだから美味しいはず」という贔屓目が出てしまうからだ。スパイスカレーを作った時もそうだった。明らかに苦くても、これも旨味だからと自分に言い聞かせていた。絶対ジャワカレーのほうが美味いのに。
昼からは帰省中の親友Mと落ち合い、中学時代の同級生Sの自宅へ。会うのは15年ぶりくらいだろうか。Mは中学卒業後も頻繁に同級生とコンタクトを取っており、今でも複数人と繋がりがある。そういった繋がりが面倒で、定期的に交友関係をリセットしていた自分は、現在ではMを含む3人くらいしか交流がない。今更ながら後悔している。今回久しぶりにSと会うことになったのも、Mの交友関係があってこそである。この日はSの自宅に自分を含めて5人が集まった。全員中学時代の同級生だ。
30歳のおっさん達が自宅に集まって何をするかと言うと、ボードゲームである。昼から夜までひたすら。計8時間くらい。各々事前に買った気になるボードゲームを持ち寄り、酒を飲みながらそれらを片っ端から遊んだ。
とても楽しかったのだが、ゲームをプレイしていて気付いたことは、みんな頭の回転が早い。というより自分が遅すぎるのか。初見のゲームもすぐにルールを理解し、戦略を組み立てたり、相手を出し抜こうとしたり。自分なんかルールを覚えるのに精一杯で、なかなか勝ち負けのことを考える余裕がない。なんとか周りと足並みを揃えてプレイができたら及第点なのだ。自分自身そういった自らの鈍臭さを笑いや弄られに昇華できるタイプだったら良いのだが、そういう器用さもなく、ただ周りに気を遣わせてしまうことが多い。ゲームだけではなく、様々な事においてそういう気の遣われが嫌で、交友関係を狭めていってしまったのだろう。我ながら面倒な人間だなと思う。
夕食はピザを頼むことに。デリバリーよりも持ち帰りがお得ということで、ゲームに負けた者が店舗まで取りに行くことになった。想定ではSが負けて「家主が取りに行くのかよ〜」という流れをみんな期待していたと思うが、普通に自分が負けてしまった。やっぱり1人で行かせるのは悪いな…という空気になり、結局Sも同行してくれることに。めちゃくちゃ気を遣わせてるな…全然1人で行くのに…もっと雑に扱ってくれていいんだよ…そう思いながらも、それを言い出すことはできず、生ぬるい風を浴びながら僕とSはピザーラに自転車を走らせた。コミュニケーションって難しいな。

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