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緑豊かなスウェーデンの学生都市Lundで”合う人”とfikaする

Malmö(マルメ)から電車で約15分、そこにはLund(ルンド)という美しい街がある。

日本のサイトでその名を知ってから気になっていた街だった。

昨日Malmöで知り合ったスウェーデン人が前に10年ほどLundに住んでいたとのことで、案内してあげるよと言われたのでお言葉に甘えることにした。

昼前に駅で集合し、トコトコ揺れる電車に乗ってLundへ。

降り立つと、日差しがまぶしい。今日は15℃くらいまで気温があがると聞いたから、長袖にパーカーを羽織ってきたが、それでも汗ばむくらいだった。美しい石畳に日差しがたっぷり降り注いでいる。

案内されるがままに教会や有名なLund大学を巡る。レンガ造りの見事な建物のLund大学。こんな場所で勉強できる学生生活はどんなに素敵だろうと思う。

Lundは人口15万程度とのことで、Malmöの半分くらいの規模らしいが、その大半が学生なんだとか。活気に満ち溢れた若々しい街だった。

Lundには緑あふれる公園がたくさんある。
ボタニカルガーデンを歩いていると、青々とした木々が不規則に生え、また5月のこの時期には桜がきれいに咲いていて、潤いに満ちたチューリップが鮮やかに揺れていた。

風に吹かれながら、鳥のさえずりを聞きながら、太陽の光を浴びながら歩いていると、心豊かで平和な気持ちになってくる。

お腹が減って立ち寄ったレストラン。昼間からビール片手に料理をたしなむスウェーデン人に囲まれながら食べた新鮮な魚や野菜がふんだんに使われた料理はおいしく、ガラス張りの天井から太陽の光を取り込むその建物の構造や店の雰囲気も含めて全部好きだった。

再び散歩して案内してくれた彼がかつて通っていた高校や住んでいた家を思い出と共に紹介してくれた。
レンガ造りの荘厳な校舎は1850年頃(たしか)から建っているんだそう。学校自体の歴史をさかのぼると1000年ほど前から存在している公立高校だという。そんな学校で学んできたことに彼は誇りを持っているようだった。

歩き疲れてfika(フィーカ)をすることに。
fikaって言葉は聞いたことがあって北欧の言葉だという認識はあったけれど、スウェーデン語の言葉らしい。
それは「お茶をする、おしゃべりをする」というよりももっと親密な意味があるらしいが、翻訳できないと言っていた。

Alice & Kattens Tesalongというイギリス風のアフタヌーンティーカフェへ入ってみる。

これはYouTubeで見かけて気になっていたお店で、入ってみると想像よりもずっとかわいらしく、素敵な空間だった。
花柄の壁紙やシャンデリアなどの内装、テーブルに並べられた食器、ティーカップの繊細な花柄も美しかった。

お腹は空いていなかったものの、雰囲気に浸りたいとスコーンと紅茶をいただいたLundスペシャルブレンドティーはアールグレイにフローラルさが交わって香り高かった。

ゆっくりとバタークリームやジャムを塗りながらスコーンを味わいつつ、まったりした会話をしてfikaを愉しむ。

新しい土地に行って、新しい人と出会って、お互いの人生を共有して、共通点を見つけたり、尊敬するところを見つけたり、そうやって関係を深めていくことが楽しい。
気の合う人とは、たとえ1、2度しか会ったことがない人だとしても、ずっと友達でいられるような気がする。数年ぶりに再会した時に、まるでそのブランクを忘れさせるかのように会話をすることができると思う。彼はそういう人だった。

こういう“合う人”とたくさん出会っていくことが、自分の人生の幸福度を高めると思っている。だから、出会ってくれた“合う人たち”にはたくさんありがとうと伝えていきたい。

夕暮れ時(と言っても5月のスウェーデンで日が暮れるのは21時頃だが)になり、電車に乗ってMalmöへ帰った。

彼は明日からフランスのマルセイユ近くの村へ旅行に行くらしい。

気を付けて行ってきてね。そしてまた、どこかで会おう。

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