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442ディフェンスを攻略してみよう:2020 J2 アルビレックス新潟×ツエーゲン金沢

シュートを撃ちまくって決定機の豪雨で攻め続けた新潟、終わってみれば守備戦術を駆使する柳下監督率いる金沢に3-5で敗戦という結果。

柳下ツエーゲンは442のお手本のような戦術だったので442について説明してみる。

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新潟は前節同様にゴンサをサリーダ(ボランチ最終ライン落とし)させて攻撃的にいくぜ!スタイルを序盤から仕掛ける訳だが、今回は金沢の442にうまく嵌められて攻撃力を活かしきれずという前半。

442の基本

442というのは基本的に守備を重視した戦術となる。

全体をコンパクトにまとめて各選手で等間隔を取りグリッドを整形するのが基本で、ボールを奪ったらカウンターというのがセットになっていることも多い。

グリッドを活かしてボールを奪うと言ってもやり方はチームによって様々なのだが、金沢の442は前線から連動したプレスを仕掛けてサイドにボールを追い込み、ボールホルダーの逃げ場を無くしてから刈り取るという方法。

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このプレスの掛け方でタッチラインに追い込めばサイドバックは横にも後ろにも前にも動けなくなるので、ボールを比較的簡単に奪えるという仕組み。

サイドバックからボールを奪えばその先には実質センターバックとキーパーしかいないので得点のチャンスを作ることもできる。

仕組みだけ考えれば誰でも出来そうで強そうな戦術なのだが、各人のプレスが甘かったり中央へのパスコースを開けたりすると一気に崩壊するし、なにより前線からのハイプレスなのでスプリントと持久力双方の体力が必要。

柳下監督はこの問題を最小限にするために、プレスの掛け方や人と人の距離の取り方などをトレーニングにより浸透させるのが上手く、新潟時代も全く同じ戦術を用いていたのです。全員ハードワークで勝つスタイル。走れ!ニイガタ流儀。

442の攻略方法

442の攻略方法としてよく使われるのはサイドチェンジ。

人と人の距離を大事にするコンパクトな守備というのは、結果としてピッチ全部をカバー出来ないのでボールサイドに守備を寄せると逆サイドに大きなスペースが開くことは必然。

前半はサイドチェンジ禁止令が出ていたのかってくらいサイドチェンジを拒否していた新潟だったが、後半から至恩を投入してフォーメーションも433に変更すると、右に寄せて左に大きく展開という422対策を露骨に披露。

相手チームからしたら至恩を後出しされるのは本当に迷惑極まりない。

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他の攻略方法としては縦に揺さぶってグリッドやラインを崩して裏を取る方法とかグリッドの中央にポジショニングして誰がプレスに行ったらいいのか迷わせる方法もある。

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なお、最初から442対策として狙っていたのかどうかはわからないが先制点に繋がるゴンサ→シルビーニョへのパスは驚愕としか言いようがないレーザービーム。シルビーニョの斜め走りにピタリと合わせるゴンサ、守備だけじゃ無くてパスも半端ない。

そんなところです。


「これでわかった!サッカーのしくみ」をコンセプトにアルビレックス新潟の試合雑感を中心に書いています。