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松田詠太郎:2022 J2 第5節 アルビレックス新潟×ヴァンフォーレ甲府

完勝となったこの試合、全員が躍動して全員が自分のタスクを遂行して勝つべくして勝った試合。その中でも初出場となった松田詠太郎にフォーカスして解説してみよう。

選手名鑑ではドリブル突破からのクロスが武器となっていて、この試合ではそのとおりのプレイを完遂する松田詠太郎。

クロサータイプということでポジションは当然サイドになる。この試合では新潟のフォーメーションが4231だったのだが、振り返ってみれば結果として松田を活かすためのフォーメーションだったのかもしれない。

今までの4123ではなく4231で挑む新潟

ボールをフリーで受ける逆算能力者

松田の特徴はフリーでボールを受けることができる状況を作り出すオフ・ザ・ボールとなる。前半10:45のシーンを切り出してみよう。

やっていることはただのワンツーだが、最終的な結果として広大なスペースにてフリーでボールを受けることができる。最終的な結果から逆算して最適解となるポジショニングやプレーを選択するのが松田詠太郎となる。

シンプルなワンツーで圧倒的優位を作り出す松田。

松田はとにかく結果から逆算してプレーを選択することに長けており、結果は繋がらなかったが前半15:05には数手先の未来を予測してのランを見せている。

実際には最後のパスが守備に引っかかってしまったが、これが繋がってクロスまで上がっていたら谷口のゴールとかまで繋がるスーパープレイとなっていたはず。

他にも、中央センターバックが高い位置でボールを保持して前掛になっているときには松田自身も中央ポジショニングをしてワンツーから相手最終ライン裏抜けでゴールを積極的に狙うし、大外から飛び出して最終ラインからのロングフィードをフリーで収めるという単騎アタックもできる。

ドリブル特化型の至恩やイッペイ、ボールを保持しながら前進する伊藤とはまた違ったアタッカーとなる松田詠太郎。多様なアタッカーを取り揃えた今シーズンのアルビレックス新潟。このサッカーでJ1昇格を掴むしかない。

松田の能力を最大限に引き出す藤原

ワンツー魔神の松田。単騎で能力を最大限に発揮するよりは味方とのコンビネーションが必要になってくる。

この試合で松田の眩い輝きを照らしていたのは間違いなく右サイドバックの藤原であり、藤原とのコンビネーションで松田の能力が1.5倍増しになっていたという要素もある。

基本的には松田が大外を張れば藤原は内側に入り、松田が内側でボールを要求すれば藤原は大外に張り出すという、なんてことはない現代サッカー5レーンシステムの基本を愚直にこなしているだけなのだが、これを当たり前のようにやるすぎる二人でイマイチその凄さが伝わらない。前半19:20のシーンはファンタジーすぎて良くわからない。

松田詠太郎の輝きを照らす藤原奏哉。現代サッカーの基本である5レーンシステムを難なく遂行して攻撃しまくる新潟右サイドの躍動に今後も目が離せません。

次々と魅力的な選手が出てきて活躍するアルビレックス新潟です。


「これでわかった!サッカーのしくみ」をコンセプトにアルビレックス新潟の試合雑感を中心に書いています。