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ピン留め:2020 J2 第34節 アルビレックス新潟×ジェフユナイテッド千葉

下位の千葉に敗戦という結果だったけど、これは千葉守備が狙い通りにハマった結果としか言いようがないし、前回対戦では「このチーム大丈夫か?」と思わずにいられなかった状況とは全く異なっていた。

ここら辺はユン監督の手腕だと思うし、来シーズンの千葉はこの試合の形を継続していけば結構良い結果になるんじゃないだろうかとも思った。ゲリアが安易に飛び出さないし覚悟を決めて飛び出してボール奪われたらメチャクチャプレスバックするしゲリアはユン軍曹に魔改造されすぎなので次はアルベルト博士にフォワードへの魔改造を依頼したほうがいいと思う。

なんというか、千葉は本当にエキセントリックなサッカーやらされたり強固な規律を求められたりと色々大変だと思うが、大変という意味では俺たちの新潟も負けてないからな!

ピン留めの話をしよう。

ピン留めという呼び方が一般的なのかどうか正直良くわからないのだが、選手のポジショニングで相手の選手を動けなくするのがピン留め。

良く見る形は3-4-2-1のウィングバックを両方目一杯上げて相手の攻撃型サイドバックを上がれなくする形。

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これは甲府なんかが良くやったりするが、これをやられると最終ラインを上げられずボールを奪っても攻撃に転じにくくなったりするし、2人で4人の行動を制限することができるので非常に効率ヨシ!となる。

さて、今回扱うのはピッチ中央でのピン留めで主人公は島田。

この試合の島田、ビルドアップの際に千葉4-4-2ブロックのツートップの間にポジショニングして守備2人をピン留めするプレイを徹底するが、このピン留めの有用性について詳細をかくにん。

新潟のストロングはビルドアップであり、特に中央からの崩しにはちょっとしたこだわりがあるというか、外か内かと言われればファーストチョイスは内側になるのではないか。スタッツ積み上げてる訳じゃないから実際は違うかもしれないけど、基本的には内側でボールを保持するか奪うかして大外に張っている新潟の至宝こと本間至恩まで渡すというのが一連の流れとなる。

なので、新潟としてはファーストチョイスの中央に効率良く、できれば小島藤田マイケルマウロからの縦パス一閃で中央レーンの深い位置までボールを供給したいがそんなことは対戦相手も十分に理解して中央を塞ぐ守備を準備してくるので簡単に縦パス一閃とはならない。秋山にはそこら辺を期待。

ではどうするか。

中央を塞がれてしまうのであればサイドから切り崩せばいいよな?でも普通にやっても4-4-2ブロック全体をスライドされてタッチラインに追い込まれて陣地が少なくなるよな?

だったらまずは相手のブロックを中央に固めてしまおうぜ!というのが今回のピン留めである。実際にはピン留めと他の選手のポジショニングによる相乗効果なのだが今回の説明はピン留めに限定。

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このピン留めを遂行するにあたり前提条件として足下の技術と周りの状況判断に優れた島田のスペックが必要になる。ピン留め役にボールを打ち込んでもそこで奪われたら大ピンチとなるのでボールを奪われることなく隙があれば中央縦の中島高木テセらに即時ボール供給できなくては意味がない。

このような形を作って藤田と島田でパス交換を繰り返して守備を中央に寄せたり、ハーフスペースや大外レーンに配置された選手がオフザボールで守備を引きつければ相手守備陣形は徐々に崩れて島田がボールを持って振り返ることができさえすればビッグチャンス到来となる。実際に後半は千葉のツートップが島田を挟みきれずに前を向かせてしまうというシーンもあった。

1人で2人を動けなくしたり2人で4人を動けなくするピン留め。

1人で1人に対応するマンツーマンとは異なる対応となり、ポジショナルプレー(位置的優位)という言葉に包括されるプレイのひとつだったりする。


「これでわかった!サッカーのしくみ」をコンセプトにアルビレックス新潟の試合雑感を中心に書いています。