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ボランチ追加、中島元彦で!:2020 J2 第8節 東京ヴェルディ×アルビレックス新潟

似たスタイルのヴェルディに先制されてもうダメだと思ったアディショナルタイム、新太の劇的同点弾という試合で新太!新太!俺たちの新太!

なんだけど今回はボランチについて書いてみる。昨シーズンは秋山が来るまで本職ボランチ不在とか言われてたのに今シーズンの充実ぶりはナゼ。

今回詳しく紹介するボランチはセレッソから育成型期限付き移籍で加入してきた中島。

なお、ボランチというのはポジションではなく役割だったりする。ポジションはミッドフィルダーで役割がボランチ。舵取り役とかハンドル握ってる人とか言われることが多くてチーム全体のど真ん中よりちょっと下がった位置が基本ポジショニング。

ボランチの役割をより具体的に説明すると、高い守備力を武器にボールを刈り取ったり広い視野で試合を組み立てたりゴールへ繋がる決定的なパスを供給したりと、ここらへん選手の特徴はいろいろだけど基本的には守備と攻撃の繋ぎ役となる。

全部入り中島元彦

さて中島、特徴は『全部入り』。

ボールを散らしているかと思ったらボールを奪取し、ボールをキープして試合をコントロールしているかと思ったら決定的なラストパスを供給する。この試合では目撃できなかったが破壊力抜群のミドルシュートでゴールネットを撃ち抜くこともできたり。

中島の魅力が凝縮されたプレイはこれなんだけどマテウスは頑張りすぎ。

ということで、この試合フル出場した中島のプレイをひとつひとつ確認してみよう。

まず一番激しいのがボールくれアピールとダイレクトプレー。

中島は両手を広げてボールを要求するのだが、新しい観戦様式も相まって声が非常に良く聞こえる。ピッチの上を指差して「1ミリもズラすんじゃねぇぞ!」と言っているのかどうかは知らないがとにかくボールへの要求が厳しい印象。パスを出そうとしている選手に対して待てを要求したりもするし、自身はフリーで受けられるポジショニングを徹底している。軍師。

そんなこんなで激しいアピールをしてもらったボールを惜しげもなくダイレクトで叩いて逃すというヒート&クールな人間サーキュレーターでディフェンスをかき乱したり、プレスが来ていないと事前確認した上でドリブルで悠々と持ち上がったりする。このあたりの判断力や切り替えがとにかく適切でパス精度も非常に高い。チラッと後ろを確認してからボールを受ける所作、全国のサッカー少年はお手本にしてほしい。中島がボールを奪われない仕組みはここにある。

続いて激しいのは相手のパスコースを読んでのボールハント。

味方ディフェンスとスペースが被らないように常に距離を一定に保ちつつ、かつ相手レシーバーとも距離を取ることでパスを誘い出して一気に刈り取るというスタイル。フィジカル任せのボールハントではなくインテリジェンスなボールハント。最新型ルンバのハイエンド。

パッと見わからないけどエスパー感漂うコーチングも見逃せない。

この試合、新潟の弱点である最終ライン裏を執拗に狙っていたヴェルディだが、中島の背後を走り抜けようとする選手を感知すると守備陣に素早く指示を出してコントロールする。結果として今までアタッキングサードまで運ばれたら失点確率が一気に上がっていた俺たちの新潟、この試合はアタッキングサードまで運ばれても持ち堪えていた。マジでエスパー。

どんどん行こう。秋山とキャラ被るからやめとけよな正確なロブパス。

相手ディフェンスがブロックを作ってパス絶対通さないぜ!と言って来たらフォワードを走らせて裏へのロブパス。前半16:00のそれはオフサイドになったものの新潟にピルロの生まれ変わりは2人いた!と思わずにいられなかった。このシーン意外にもプロゴルファーかよ!と言いたくなるほど正確無比なショートロブなんかも蹴ったりする。後半82:40の新太へのクロスはオシャレすぎて鼻血出た。

絶対に奪われることのないボールキープも特筆しておかなくてはならない。

密集地帯でボールを受けて身動きが取れなくなったとしても鮮やかなボディフェイントでディフェンスをさらりと躱してビルドアップに繋げたりする。後半53:40の自陣ペナルティエリアで魅せたボディフェイントにモドリッチの影。この直後、外科医のごとく正確に通した一本のパスまで含めた一連のプレイに痺れる憧れる。

極め付けは1列前やサイドハーフもこなせるユーティリテー。

後半途中から選手を一気に入れ替えた新潟だが、中島はポジションを変えながらタスクを本来ポジションと遜色ない動きでこなす。冒頭に紹介した先制ゴール未遂のシーンはポジションチェンジしたサイドでの出来事。マテウスは頑張りすぎ。オフサイドになったけど直後の後半75:50からの一連の崩しは1列上げることによりオフェンシブモードにトランスフォームした中島を確認できたスーパープレイ。アントラーズ時代の柴崎の影。

本当になんでもできるボランチ中島元彦。新潟に来たボランチはハッピーターンにハマって抜け出せなくなるので中島も是非。

ゴンサ秋山島田のボランチ紹介もしようかと思ったけど長くなりそうなのでまた今度。

次は中島の弾丸ミドルを目撃したいですね!


「これでわかった!サッカーのしくみ」をコンセプトにアルビレックス新潟の試合雑感を中心に書いています。