見出し画像

私だけの博多旅


そうだ、博多行こう

私はとにかく遠くへ出かけることが好きだ。
家族からも『移動が好きな人間』と言われるほどだ。

私は近年、誕生月である6月に旅行へ行くことを楽しみにしている。
2023年、記念すべき20歳を迎える時もそうだった。

行き先は非常に迷った。
候補は函館か博多。
どちらも埼玉県から遠いことと、グルメが楽しそうだからという理由で悩んでいた。

最終的に博多に決定したのは、東海道新幹線に乗ってしまえば1本で目指せるからだった。
あと函館のホテルが埋まりかけたからでもある。

今回は20歳の誕生日記念でもあるため、費用は10万近くかける。まあほとんど新幹線とホテル代で飛んでいるが。
この費用については成人式の振袖レンタルをしないという約束の元、両親から特別に全額出してもらうことにした。

観光はどこ行こう?

旅行が決まって真っ先にホテルと新幹線を予約し、次に取り掛かったのは旅程の検討だ。
グルメはいろいろ食べるとして、日中の観光はどこへ行こうか。

1週間前までものすごく悩んだ。
最初は明太子づくり体験をしようと思ったが、できた明太子の発送手続きや費用、博多駅からの距離を考えてやめた。
いろいろ悩んだ挙句、福岡タワーと大濠公園、あと夕方に中洲クルーズに乗ることにした。

荷造りを済ませ、前日は早めに就寝。
明日からは楽しい博多旅行、まともに寝られるわけがなかった。

2023年6月14日

今日の旅程はただ博多へ向かい、夕食にとんこつラーメンを食べるだけだ。
新幹線だけで5時間かかり、東京駅に出るまで1時間半かかるため、旅程的にこれが限界だった。

「飛行機を使えば早い」と思う方も多いだろう。
確かにそうだが、私は飛行機が大の苦手で、羽田から新千歳まででびくびくしていたのと、ジェット機による環境汚染が嫌だったので新幹線にした。

行こう! 博多へ!

朝8時前、通勤ラッシュでにぎわう飯能駅。
本日1本目の電車は8時4分発の特急むさし号池袋行き。
朝のラッシュが非常に苦手なのと、西武のポイントが1000円分(※)あったので行きと帰りそれぞれ特急を予約した。
※今は往復1200円なので1000円じゃ足りない。

窓側指定したら先頭が取れた

今回取得した座席はなんと先頭車両の一番前の座席。
特にここと指定したわけではないのにまさかの一番前だった。
ただし、あいにく運転席側だったため、前面展望はほとんど楽しめず(泣)

8時4分、定刻通り列車は飯能駅を出発した。
飯能駅へ帰ってくるのは16日の19時頃。ほんの少しのお別れだ。

親から借りた大きめのスーツケースとリュックで座席スペースはギリギリだ。
でも、さすがはグッドデザイン賞を受賞したラビュー、座り心地は良かった。

池袋駅に8時50分に到着。練馬駅を過ぎたあたりから列車感覚がつまって減速を強いられるも、ほぼ定刻通りに到着した。

そこから山手線に乗り換え、東京駅へ向かう。
品川駅からも新幹線に乗れるが、料金が変わらないのでだったら完乗してやろうという思いだ。

東京駅には9時半前に到着。
昼食を購入したり、トイレを済ませたりした。
予定の新幹線は10時30分発ののぞみ号博多行き。10時頃にはやることが一通り終わって発車ホームへ上がった。

そういえば3月に東京駅へ来たときはたまたまドクターイエローがいたんだっけと思い出す。
あれは京都への遠征目的だったけど嬉しかったなと、3カ月前の興奮を思い出していた。

10時30分発のぞみ25号博多行き!

発車数分前に車内清掃が終わり、車内へ入る。
今回はスーツケースが大きくて心配だったため、特大荷物スペースを予約した。
隣にも人が座り、定刻通り東京駅を発車。日本が誇る圧倒的な加速力でそそくさと東京駅を後にする。

京都駅までは3月にも乗っているため、正直感動が薄い。
そういえば京都へ向かう新幹線で隣に外国人観光客が座っていて、ちょうど私の窓側に富士山が見えて、写真を撮るために少し協力したこともあった。いろんなことがあったなと思いながら、そして昼食を食べながら、西へ西へと進んでいった。

新大阪を過ぎるとトンネルが増える。正直つまらなかった。
列車からの景色を楽しみたい派の私としては、沿線の景色も楽しみの一つだ。
近い将来開通するとかしないとか騒いでいるリニア新幹線、あれはほとんどトンネルだということを思い出す。
どこまでも速さを求め、東海道新幹線以上に急ぐことにメリットはないと思った瞬間だった。

そんな私を乗せて、新幹線は本州最後の停車駅・広島を出発した。
山口県内は騒音だけを残して足早に通過し、トンネルで一気に関門海峡を突破する。
関門トンネルの中で減速が始まり、トンネルを出たらすぐに九州最初の停車駅・小倉に着いた。
人生3度目の九州上陸、胸が高鳴った。
まあ時刻は15時頃なのでもたもたしていると日の入りになるが。

順調に走り続け、15時30分、ついに終着・博多駅に着いた。
東京駅からここまでぴったり5時間、途中トイレに行ったがそれでもずっと座っているのはきつかった。

ついに到着!

電車を降りてすぐに駅名標を探す。
あったあったと写真撮影。JR西日本の青色表示が新鮮だ。

と、のんびりしている暇は正直ない。
ホテルに申告してあるチェックイン時間は16時、しかも駅から徒歩10分かかる。
改札へ移動し、思い出に池袋から使った行きの乗車券に無効印を押してもらった。こういうものを収集するのも好きなのでね。

ラーメン食べて、人生初のはしご!?

16時前、申告時間にギリギリ間に合いホテルへチェックイン。
今回は「ホテル法華クラブ福岡」様にお世話になる。

部屋に荷物を置いて一息ついたら、少し早いが夕飯へ。
この日の夕食はとんこつラーメンと決めていたが、どこのお店にするかは適当だった。
実は過去にも博多へきており、その時に食べたい店はほとんど行っていたからだ。
悩んだ挙句、後から考えて何故ここにしたのかという店に入ってしまった。

関東にもあるとか言わないで

そう、一蘭の博多駅前の店だ。
一蘭は正直埼玉県にもあるから行く意味とか分からない。
まあでも本場で食べるのが一番だからいいだろうと思った。
当然のように替玉もして、名物を味わった。

しかし、食べ終わってもなんだかまだ食べ足りない。
さて、どうしたものかと思ったところ、そういえば食事数の関係で予定に入れられなかった名物があることを思い出す。

というわけで帰宅ラッシュの地下鉄に乗り、やって来たのはごまさば屋。
どうしてもごまさばが食べたかったが、予定の都合で諦めていた料理だ。

海が近い博多ならでは!

電車は混んでいて、店も危うく待つところだったがギリギリ入れた。
ごまさばはとても美味しかった。新鮮なサバを手に入れやすい博多だからこそ味わえるグルメ、ここまで来てよかった!

その後地下鉄で博多駅へ戻り、入浴などを済ませこの日は就寝した。

2023年6月15日

朝からハプニング発生!?

朝食を食べ、さてそろそろ観光へ行こうかな~と思いながら部屋でパソコンをいじっていた矢先だった。

プルルルル…。

部屋の電話が鳴った。
なんだろうと思い電話に出ると、フロントから不穏な話が出た。

『お客様の部屋の火災報知器が鳴ったのですが…』

へ?
タバコなんて吸わないし、ましてや火気も一切使っていない。
なぜと思いながら『心当たりないのですが…』と言って一旦電話を切った。

しかしその数分後…。
プルルルル…。
また鳴った。
また出た。
また『火災報知器が鳴ったのですが…』だった。

これは困った。
ビビりな私は「パソコン使っていたのは関係ないですよね?」と聞いた。
まあ当然関係は無い。

ホテル側も困っていた。
どうやら小さな羽虫が火災報知器の中に入ると誤作動を起こすことがあるらしい。
こちらが『火気は一切使っていない』と改めて主張すると、
『連泊でしたよね? 日中お出かけされますか? お手数ですがお部屋を変えてもよろしいでしょうか。荷物はこちらで移動しますので』
こちらとしてもやむを得ないので承諾。連泊にもかかわらず荷物をまとめる羽目になった。

荷物をまとめ、観光前にフロントへ行き、昨晩利用した部屋のカードキーを返す。
新しい部屋のカードキーは戻ってきた際にフロントへ寄って受け取ってほしいとのこと。
こんなこと正直初めてだ。SNSでこんなことがあったと書くとほとんどの人が驚いていた。
荷物のことを伝え、不思議な気持ちで私は観光へ向かう。

誕生日前後3日間の博多観光は福岡タワーっしょ!

まずはホテル近くのバス停から路線バスに乗ってベイサイド方面へ。
40分ほど乗車し終点の福岡タワーバス停へ。

本日最初の観光は福岡タワー。
なんと福岡タワーは誕生日と前後3日間であれば入館料が無料になるという(※要身分証明書)
この日はギリギリセーフだったので証明を見せてタワーの展望室へ。

エレベーターホール前には記念写真を撮れるブースがあった。
私は入場券代わりのバースデーカードを持って2枚ほど撮影させてもらった。

そしてエレベーターで一気に展望室へ!
東西南北、様々な景色が見られた。

海の先にはまだ知らない世界が…!

でもやっぱり海なし県の人間としては海を見たい!
青く広がる海を見ると心が躍り出す!

タワー内は大陸に近いからかアジア系の外国人がたくさんいた。
どうやら韓国か中国かの団体がいたみたいで、朝にも関わらずちょっと混雑していた。
大陸に近い福岡を感じられる場面だった。

明太子! 明太子! 明太子!

福岡タワーの見学を終え、地下鉄の最寄り駅へ歩いているとステキなベンチを発見した。

おやおや、ベンチの下にタマちゃんが…(うまく入っていないが)

福岡は国民的アニメ「サザエさん」の原作者である長谷川町子さんにゆかりがあるそうで、こんなベンチがあった。
何気にベンチの下にタマちゃんがいるの遊び心あるなと思った。

炎天下の中地下鉄西新駅まで30分ほど歩き、地下鉄に乗って福岡の中心街・天神へ。
天神では昼食を食べる。
今回のお昼ご飯には『絶対明太子!』と決めていたので…。

このボリュームかつごはんと明太子食べ放題で1600円以内!(当時)

この日のお昼ご飯は『博多海鮮食堂 魚吉』さんの定食。
おかずを選べたので刺身3種盛りと揚げ出し豆腐にしてみた。

明太子がおいしくてご飯もおかわりして食べた。
博多の明太子の有名な店で検索したら出たので行ったが、有名店だけあって並んだし、その分味も量も大満足だった!

予定変更はつきもの!

さて、この後の予定としては大濠公園を散策するつもりだった。
しかし、西新駅へ歩いている最中に面白いバスを見たのでそれに乗ろうと予定変更!

楽しそう!

福岡のオープントップバスなるものに乗車することにした。
これなら今回いけない観光スポットも見ることができる。

ちなみにこのチケットは福岡市役所でゲットしたが、田舎者の私は福岡市役所の大きさにビックリしてしまい、つい案内所で「なんでこんなに大きいんですか?」と聞いてしまった(笑)
職員さんが親切に回答してくれて、写真は撮らなかったが「こんだけ組織があるんです」と組織図まで見せてくれた。
フロア案内を見る限り議会は本館と別らしく、それはそれで興味がわいた。

話を戻して、オープントップバスでいざ博多巡りへ!

今回は青色のバスに乗車!

オープントップバスは屋根がなく、とにかく開放的だ。
ガイドさんによる案内を聞きながら、博多について知ることができる。

しかしこの日は少し風があったため、一部区間が若干苦行になった(笑)
というのもこのバス、一部高速道路を走る。しかも海沿いかつブリッジの上だから風がある!
でも、このバスに乗らないとみられない景色があるという。それがこれだ!

福岡ドーム&ヒルトン福岡シーホーク&福岡タワー!

福岡ドームとヒルトンホテル福岡シーホークと福岡タワーを一枚に!
バスガイド曰くこの写真はオープントップバスに乗らないと撮れないらしい。
風が強い中、私含め乗客はこの3つをカメラに収めようとレンズを向けていた。

大濠公園もバス車内から見て、大きいなと思いながら、バスはスタート地点の福岡市役所へ帰着。
前には後続便の赤いバスが止まっていた。どうやら2台で回しているらしい。

時刻は15時半頃。次の目的地は旧福岡県公会堂貴賓館。
ここからは予定通りとなる。
旧福岡県公会堂貴賓館は荘厳で趣のあるものだった。

これはかっこいい!

この日は暑く、体も疲れてきた。
この貴賓館内にはカフェスペースがある。当時の椅子やテーブルで軽食を楽しめるのだ。
そこで私はちょっと気になるものを見つけたので注文した。
出てきたのは…。

逆じゃね? とか思わないの!

初見さん、わかるかな?
よく見るとコップの中にソフトクリームが入っているのだ!

ソフトクリームをコーンにつけながら食べるという誰が考えたのかわからないけど面白い商品!
いやこれこのまま出て来たから! 別に自分でひっくり返したわけじゃないから!
美味しかったし見た目も面白い、これはやりますな…!

最後は海へ!

貴賓館観光を終えた。次が最後の観光スポットになる。
最後の観光スポットは事前予約しており、実は貴賓館の目の前が受付だ。

今回最後の観光スポットは『中洲クルーズ』
歌やガイドを楽しみながら中洲を遊覧し、海にもちょっとだけ出るというものだ。
料金は1000円きっかり!(当時)

受付を済ませ、予約しているクルーズまで周辺で待った。
前のクルーズが出た後、待合場所に案内してもらい、乗船を待った。
待ってばっかりだが旅程に余裕を持った方が安心なのでその方がいい。

ポートタワー

クルーズ中は地元のアイドルが歌ったり名所を案内したりと、有意義な時間を過ごした。
これで1000円でいいのかというぐらい充実したクルーズだった。

もつ鍋が食べたーい!

博多最後の夜、夕飯はもつ鍋を食べることにした。
とその前に一旦ホテルへ戻り、今宵の部屋のカードキーを受け取った。

ホテル側の不祥事であって謝罪の意味を込めてなのか、最上階の部屋を案内された。
部屋のグレードは変わらないが、3階分上がっただけで眺めが良くなった。

さて、今宵の食事は一人もつ鍋が味わえるところへ。
もつ鍋は大体2人前からが主流だが、今回の店は一人前から頼めるぼっちにも親切な店だ。

店員さんにおまかせみたいなものを注文

本場で食べるもつ鍋は感動した。
何って『もつ』が全然違う!

私は冷蔵品のもつ鍋は食べたことがあるけど、それとは比較にならない!
食べ物に感動させられるっていつ以来だろうか。
これを食べただけでも博多に来た価値はあった!

2023年6月16日

名残惜しいけどお別れだ

最終日、ホテルを10時前にチェックアウトして博多駅へ向かう。
出発日同様、今日は飯能へ帰るだけだ。

そういえばお土産を買っていない。
ということで家族へのお土産を購入することに。

出来立ての明太子なんてのもあったが、持ち運び可能時間で帰れないので断念。
代わりに両親へお酒を買うことにした。20歳になったからこそできる親孝行だ。

でも正直親の好みがわからなかったので、飲み比べセットを購入した。
後は母が大好きなのに関東では販売終了したカールも購入。喜んでくれるといいなと思った。

昼食も買った、お土産も買った、悔いは残っていない!
こうして私は博多駅の改札に切符を入れた。

博多駅の新幹線ホームからは在来線の特急列車や金色の列車などが見えた。
最後まで私を楽しませてくれた。

帰りは11時15分発ののぞみ24号東京行きで帰る。
あっという間の2泊3日、でもまだ家の玄関に入るまでが旅行だ。

鹿児島方面からの乗り換え客を迎え入れ、11時15分、行きとは逆にゆっくりと博多駅を後にする。
さようなら博多、またいつか来られますように。

こうして私は帰路へついた。
来た道を戻るだけだが、なんだかあっという間だった。
16時15分に東京駅についた時、関東へ戻ってきたと少しだけ安堵した。

そしてラッシュ直前の山手線で一気に池袋へ。
池袋駅でも記念に乗車券に無効印を押してもらった。

池袋駅の西武線ホームに入るとなぜか嬉しさと寂しさが同時に湧きあがる。
旅行が終わってしまう寂しさ、でも満たされたと思う嬉しさ。
これを味わうことが私はたまらない。

帰りもラビューだ。
18時ちょうど、むさし号飯能行きはゆっくり飯能へ向けて動き出す。
お土産をたくさん持って、18時43分、ついに飯能へ帰ってきた。
長いようであっと言う間の3日間だった。

旅は続く

帰宅後、親にお土産を渡した。
まず渡したのはカール。母親大歓喜だった。
そして日本酒飲み比べセット。意外だったようで大喜び。
大人になったからこそできる親孝行、私も嬉しかった。

今回は私が行きたい旅行をした。
私は誰かと一緒にとか、決められたルートとかではなく、自分で調べて自分一人で行くのが好きだ。
好きは決して変わらない。だからこそ、私はこれからも私の行きたい旅行へ行くと思う。

今度はどこへ行こうか。
旅は考えている時からずっと楽しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?