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ガンダム歴2ヶ月からのガンプラ

5月も末の30日、仕事から帰ってきてやったことは、これでした。

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生まれて初めてガンプラを組みました。
といっても、塗装もニッパも要らない一番簡単なエントリーグレード、対象年齢8歳以上です。私は5倍の年齢です。ぐわあ。
組み立ては20分ぐらいでしたが、完成すると嬉しい。

なぜこうなったかというと、発端は3月公開の『シン・ヱヴァンゲリヲン』鑑賞。
私もエヴァはテレビシリーズから全部見ていますし、最終作も観終わった時は非常に感慨深かったのですが、以前から気になる点もあって、そのあれこれをこちらのnoteに書きました。ついでに進撃の巨人の話まで。

そうしたら、20年来の付き合いでビル・エヴァンス同好会仲間のほぼ同年齢男性・K君から、
「エヴァを観ているのに、ガンダムを観ていないとは何事ですか」
と叱咤され、エヴァという共通カルチャーからロボットアニメの歴史に入り込まなかった私の不勉強を恥じました。
それを夫に言ったら、
「ガンダムを一作も見てないって、そりゃないね」
結婚して10年ちょっと、今までガンダムの話なんて一度もしたことがなかったのですが、ファーストガンダム直撃世代でした。

逆に、私はなぜガンダムを見ていなかったのでしょう。
再放送で北斗の拳は夢中で見ていたし、ガンダムも確か再放送していたと思います。
まあ言っても、エヴァもリアルタイムでも若干引いた目で見ていましたから、特にロボットというものに愉しみを見出さず(エヴァはそういうものでもないし)、ジャズ、ヘヴィメタルのように興味を持って歴史を遡ることをしていなかったわけです。

しかし一つ記憶にあるのは、小学生の時に親に買ってもらったアニメソングのピアノ曲集に「翔べ!ガンダム」の楽譜があり、曲だけは弾いて知っていました。
「もえあがーれー もえあがーれー もえあがーれー ガンダムー」
いやあ、強いメロディですね。

それから、以前読んだ時代劇評論家・春日太一さんの著書『時代劇入門』に、剣劇としてのガンダムについて記述があり、その後に富野由悠季監督との対談が非常に興味深い内容でした。


ネットで時々見かけるのは、ガンダムファンは富野由悠季監督のことを「富野」と、何らかの愛憎の入り混じったような、その人の人生に大きな爪痕を残した張本人のごとく「富野」と呼んでいますね。
宮崎駿に「宮崎」とは呼ばないし、姓だけでその作家性と自分史を投影するような呼ばれ方をする人は、「富野」と、あとは「庵野」なんでしょうけど。


そんなわけで、3月末に自分のトリオのレコーディングが終わってひと段落したこともあり、4月初旬にNetflixでガンダム履修を開始しました。

とりあえず、話数の多さに怯みましたが、ゲーム・オブ・スローンズを最終シーズン直前に一気見した時よりマシであろうと高を括って開始。
昔のアニメって長かったですよね。今、1クールとか早く終わりすぎでしょう。

1話から、「これがアムロか」と「これがシャアか」、「ザクってこのことなのね」と、今まで見聞きだけしてきたガンダム用語が実体として頭に入っていきました。それも最初のうちで、徐々にモビルスーツの名前は覚えられなくなりました。何が何やら。きっと30歳若かったらすぐ覚えてたんでしょうが。

そして、主人公アムロ、全然思ってたのと違う。端的に面倒臭い。
ポジティブ!努力!友情!みたいなものを勝手に想像していたら、全然違ってました。
これをさらに10倍面倒臭くしたのがシンジ君だったんですね。
でも、突然成り行きでガンダムに乗って、突然軍隊に入れられて、超理不尽にブライトさんにあんな扱いされたら、そりゃグレるしこじれるわ。

そして、ただの少年がヒーローになるロボットアニメだと思っていたら、戦争物だったということに驚きました。銀英伝は小説で好きだったので、戦争でのパワーゲームという面で、ちょっと重ねて見ていました。
というか、これ、子どもにどれぐらいわかるんだろう? とにかく組織は理不尽だということ、戦争に子どもが巻き込まれる様子は、2021年の大人が見ても、社会の理不尽さを描いているぞと、意外とダークな話なのねと思って見ていました。その時わからなくても後々影響するでしょうね。
アクションは凄く格好良いし、溜めがあって緩急がとても豊かな剣劇というのがよくわかりました。
ファンが「ロボットではなく、モビルスーツ」と強くおっしゃるのは見て本当に納得で、モビルスーツ同士の対戦のその人情というか物語というか、まあロボットじゃないですね。人が戦っている感じがするもの。

毎話見たら、夫に「ランバラルが出てきた」など報告するのですが、毎回「次は…」とか登場人物の台詞を言いかけるので「黙ってて!」と止めていました。
というか、直撃世代はこんなに頭に入っているものなんだ、ガンダムって。普段アニメとか全く見ない夫が、ガンダムだけは事細かに言うので、ガンダムは恐ろしいと思いました。

前述のエヴァンス同好会仲間のK君は「ファースト、ゼータ、逆シャアは見て下さい」と言ったので、夫にそれを伝えると、
「ガンダムはファーストだけでいい。その後のは、情緒がない。モビルスーツに羽みたいなのがいっぱい生えて、あんなのガンダムじゃない。」

おおお。
「あんなの〇〇じゃない」はジャズでもメタルでも聞き飽きるほど聞いていますが、普段そんなこと絶対言わない夫が「あんなの〇〇じゃない」話法を使うとは思ってもみなかった。恐るべしガンダム。

それをK君にフィードバックしたら、
「ファーストしか見ないのは、エヴァンスをリヴァーサイド4部作しか聴かないのと同じことです。」

ガンダムの話なんて一度もしたことのない彼らがこの勢いなので、ガンダムはジャズやメタルと同等に、いや、サブカルなのでそれ以上に、過激派や原理主義者がいるのであろうと想像しました。とびきりのジャズオタク(うち一人はプロ)の二人がこれなので。

エヴァンスのリヴァーサイド4部作も聴いてください。


しかし、ガンダムをほぼ毎日見ていましたが、今回ほどNetflixのイントロスキップ機能が便利に感じたことはありません。いつも、映画が終わったらすぐエンドロールが小さくなるので、余韻もへったくれもないですからね。

お話でびっくりしたのは、わりと人が死ぬことです。
まあ戦争の話だから当然といえば当然ですが、マチルダさんはもう少し生きそうなキャラクターだったから、死んだ時はびっくりした。
色はカラフルで、毎回モビルスーツの対戦があるし、敵にどんどん違う新しいモビルスーツが出てきて楽しいから深刻なトーンにはならないですが、いやはや、骨格は結構しんどい戦争の話ですね。

4月末にファーストガンダムを見終えて、5月頭からのツアーが緊急事態宣言でキャンセルになり時間ができたので、お次はZガンダム履修を開始しました。

また50話もある…

しかも、次の主人公カミーユが、アムロに輪をかけて面倒臭い。本当に面倒臭い。取り巻く女性たちも、片っ端から全員非常に面倒臭く、わけありの過去。

Zガンダムの開始ぐらいで、この監督は、人間の集団は個人の集まり、個人というものは面倒臭いし、自分の思い通りにはいかないものだと、この人の面倒臭さ自体が本質的に大事なものとして描いているのだなと感じました。
いや、Zガンダムは本当に面倒臭い感じでしたが、それが面白かったです。
お話としては、Zガンダムの方がエンタメとして盛り沢山で、楽しんで見れました。
しかし、クワトロ・バジーナのノースリーブは、2021年に見始めた私には本当に意味がわからない。当時どうだったんですか?いけてたんですか?

Zガンダムではまたいろんなモビルスーツが出てきましたが、夫が言った「ファースト以外は情緒がない」というのが、何となくわかります。随分あか抜けて格好良くなりましたものね。でも、百式の微妙な感じとかも良いです。

最後のカミーユ精神崩壊エンドには、夜中に見ていて「ええっ !?」と声を上げてしまいました。これは当時見ていた子どもたちは結構トラウマでは…

ファーストとZガンダムを続けて100話ほど見た後に逆襲のシャアは、アムロよりカミーユよりシャアが一番面倒臭い人間だったと、なんだか妙な疲労感がありましたよ。面白かったですけど、もっと良い人生を送れるはずだったろうシャアよ。

そんなわけで、5月中旬に指示されたファースト、Zガンダム、逆シャアを全部見終えました。この後を見るかどうかといえば、ちょっと休憩させて下さいという感じです。


ガンダムといえばガンプラ。
「ガンダムがブームというより、ガンプラがブームだった」とは聞きましたが、夫もご多分にもれずガンプラ を作りまくっていたそう。今、自宅は工具だらけ、なんでも作ってくれるし、私の壊れたアクセサリーもはんだ付けで直してくれるし、基板からアナログシンセを自作する人なので、まあやっていただろうなと容易に想像できます。

当時300円だったけど今どうなっているのだろう?と検索をしてみると、なんと5/29にエントリーグレードの770円(税込)のガンプラが発売されるとのこと。


へーー770円でこんな立派なものが作れるんだと感心して見ていましたが、夫は「昔はこんなポーズできなかったよ、このポーズをするためにお股に切り込みを入れたりして…」などと、とても昭和っぽいことを言う。
最初はフーンと聞いていましたが、ふつふつと欲しい気持ちが高まり、これは初心者にまたとないタイミングだし、ガンダム=ガンプラの履修も必要かと思い、生まれて初めてガンプラにチャレンジしました。

ちょうど発売日当日に池袋で演奏だったので、池袋のヤマダ電機のガンダムコーナーに緊張しながら足を運びました。というか、このお店は何度も家電を買いに来ているけど、フロアガイドに「ガンダム」って書いてるって全く気付いていなかった。「テレビ」とか「オーディオ」と並んで「ガンダム」ってすごいですね。

フロアも広い。というか、これは探し出せるのだろうか、、、と怯んで自信なくなりましたが、発売初日なのでちゃんと面陳してました「お一人様一点まで」。
さも「甥っ子のプレゼントに買いに来た」雰囲気で歩いていましたが、作るのは私です。私が私のためにガンプラ を買いにきた!

しかし、一体だけだと寂しいなと思って、ぐるっと歩いたのですが、どれがどれだかわからない、、、夫も久々にやってみたいとのことで、同じスケールのシャアザクかグフがあったら買おうと思ったのですが、こんなの見つけられないよー。
そして「羽が生えてるようなガンダムとか、情緒がない」というのも、なんとなくわかる気がしてきました。最近のガンダムはすごい様相ですね。売り場に並ぶものを見ていると、何がなんやらです。ファーストの牧歌的でずんどうのあの感じ、確かに情緒がある。

私は映画『トランスフォーマー』シリーズは好きで全部劇場で観ていますが、新しくなればなるほどメカがゴテゴテしすぎて、〈正義のオートボットか悪のディセプティコンかわからない問題〉がありました。ガンプラ売り場を見ていて、物語が発展してくると登場する機体もどんどん進化しないといけないから盛り盛りになってくるんだろうなあと、納得する部分がありましたよ。

さて、帰宅してまずは箱だけ眺めていたのですが、昔、小さなプラモデル屋ってあったなあと、こういう箱が積み上げられていたなあと思い出し、なんだか懐かしい気分になりました。

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かっこいい。
対象年齢8歳以上だけど。

そもそも私、時々こういうものを買ってしまうので、

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ガンダムもいた方がいいですよね。


うちは男兄弟はいなかったので、プラモデルというものを全く通っておらず、新鮮です。

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プラモデルの設計する人って、ものすごく頭の良い人なんでしょうね! 組めて、なおかつ動かせるんですものね。


ものの20分ほどで完成。

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かっこいい。
770円で組む時間を楽しめて、組み上がってポーズを付けて楽しめて、これめっちゃ良いのではと思いました。

最初につけたのは、やはりこのポーズ。


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かっこいい。

ちょっと造形がウエストがシェイプしすぎて、頭が小さすぎる気もしなくもないけれど、かっこいい。

ところがどっこい、これを夫にポーズを付けてもらうと、もっとかっこいい。

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さすが、ガンダム歴の長い人は違います。なんか、とてもキマってる。
「目線が重要なんだよ」とのこと。なるほど。
ちなみにこの晩、この作ったガンダムを見ながら鶴齢を呑みました。ガンプラって、呑めるんだな。

アニメも続きを見るかどうかわかりませんし、ガンプラもやってもあと一体でしょうけど、とりあえずお台場に等身大ガンダムを見に行く気持ちは、とてもわかった。その大きさで本当に立ってたら、感激するわ。
そのうち、横浜に絶対見に行きます。


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