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ブランド開始から9周年。これからのわたしと、ブランドのこと

今週末、2024年7月20日。
@maruo_vintage は9周年を迎え、10年目に突入します。

2015年の5月にフリーランスとなり、紆余曲折を経て2ヶ月後の7月にブランドをスタート。


A4用紙1枚にブランドコンセプトを書き、”hitomi maruo”というブランド名でひっそりと始まったこのブランドは、ブライダルのヘッドドレスブランドからスタートし、「アクセサリーを作って欲しい」というご依頼を受けたことをきっかけに、ブライダルのヘッドドレスコレクションに合うような、お花の優しげな雰囲気の柔らかいフラワーアクセサリーをスタート。2015年の、10月ごろのこと。



フラワーアクセサリーを販売していた頃、その時にはその時なりに”ファン”と呼べるような方々がいて、その方々に大変支えていただき、ブランドは軌道に乗りました。


しかしながら、早々に”行き詰まり”を感じたのが2016年の4月。


というのも、売れている理由が、デザインではなく、”応援”だったからなんです。これは、嬉しいけれど、このままでは遅かれ早かれ死んでしまう・・・。(むしろ、今振り返ってもあの時食べれてたことが奇跡としか思えないほど、。。。本当にありがとうございます!!)


デザインで売れていかないので、マンパワーで接客で売るスタイルしかとれず、pop upを開催しても、私が店頭接客しないと全く売れない、という八方塞がり状態。。


とはいえ、会社員の時とは比べものにならない収入になり、でも、一ヶ月1日も休みなくノンストップで働くようなスタイル……

これでは続かない、と再度模索をスタート。「ブランドをする」という方向は、間違ってなさそう、という手応えだけを感じながら。


そして翌月、一瞬モードなジュエリーブランドになり、そして2016年6月ごろから、今のヨーロッパのヴィンテージを使ったコスチュームジュエリーという、新たな種を見つけました。


27歳になった直後のことでした。
ちょうど8年前。

きっかけは、パリに初めて訪れたことでした。

本当はバリ島に羽を伸ばしに行くつもりだったのですが、打ち間違って出てきたパリへのフライトチケット。なんと往復で4万円台。テロ直後だったこともあり、信じがたい安さで、バリ行きより安かった航空券。私は迷わず予約し、すぐにパリに飛びました。人生初の、ヨーロッパ。


その時、ブランドの”次の種”を探していた真っ最中。というより、”長く続けられる形”を模索していたその頃。
パリで初めて訪れたヴァンヴ蚤の市で、私はどうしようもなく美しいものに、一目惚れし、恋に落ちてしまった。
それが、”ヴィンテージ”でした。



蚤の市が始まってすぐのエリア。はじめての蚤の市で、緊張しながら入り口付近のスタンドに近づくと、いきなりとんでもなく美しいものたちが目に飛び込んできたわけです。全身に何かが波打ちました。


わたしが現地で出逢ったとても美しいヴィンテージたちを、(ほぼ自分のプライベートのために)購入し、それをインスタに載せたんですね。そうするとフォロワーのみなさんが、それまでにないほどの反応をくださったんです。「いつ販売ですか?」「次の販売楽しみにしています!」

このお声で一気にスイッチが入り、貯金していたわずかなお金を全額ユーロに換金。次にいつ来れるかわからないし、そもそももう来れないかもしれない……。そう思い、ありったけのお金を全投資して仕入れを始めました。


それまでに行こうとしていた観光スポットを全て取り止め、プランをほぼ書き換え仕入れの旅に。不思議なもので、「仕入れるぞ!!」と決めた瞬間、どんどん美しいものに出逢えるんですよね。


その後頻繁に買い付けに行くようになってからわかったことですが、いかに蚤の市で美しいヴィンテージたちに出逢うのが稀なことかを実感するのですが……、このはじめての旅の時には、恐ろしいほどの運に恵まれました。


蚤の市で初めて見る、ヴィンテージたち。

なんて美しいんだ、と。思わず動けなくなってしまいました。手に取りたい衝動に駆られました。でも触れられなくて。


何かのネットの記事で「フランスの蚤の市では無言で商品を触られるのを嫌がられる」と読んでいたせいで、触りたいけど触れない……。しかもムッシューになんと話しかけたらいいかわからない……。無言で美しいヴィンテージたちを凝視しながらもじもじすらできず動けないでいると、ムッシューが突然、


「ボンジュールマドモワゼ〜〜ル!!」


と、こちらが恥ずかしくなるくらい声高に叫び笑、当時フランス語が全くわからなかったわたしも、「これはたぶんわたしだ」と、顔を上げておそるおそる声の主の方を向きました。

そこには顔一面をくしゃくしゃにした、最高にキュートな笑顔のおじいちゃん。

「これいいだろ?見てごらん」

わたしがのぞいていた木のジュエリーボックスを手に取り、蓋を閉じました。すると表面には繊細な日本画が。聞くと彼のお母さまのジュエリーボックスだったのだそう。

日本。なんという。

入っていたイヤリングは、片耳しかないものもあったし、両耳揃っていても壊れたものがほとんどでした。美しいけれどどうしようかな、しかも値段がついていないし、法外な値段を言われるかもしれない……。ためらいびびり過ぎて、ジュエリーボックスの中から両耳揃っていて壊れていない数ペアものをちまちまと選びました。


ムッシューに差し出すと、「え?これだけ?」と不思議な顔。箱ごと全部君にプレゼントするよ。見て。日本の絵柄だし、これは君が日本に持って帰るのがベストだと思う。そう言って、信じられない破格で譲ってくださいました。信じられなくて、嬉し過ぎて、そんなことってあるのか、でも今確かにそういった……!思わずジュエリーボックスを抱きしめました。メルシー、メルシーボークー!

蚤の市での初めてのお買い物がこんな具合だったから、わたしがパリに魅せられ、蚤の市の虜になってしまったのはとても自然なことだったように思います。


ここからはじまったように感じます。ファンの皆さんが、パリのヴィンテージに出逢わせてくださったんです。みなさんがヴィンテージに興味を持ってくださらなかったら、今のmaruoはありませんでした。


みなさんが手を引いてくださった道。

9周年という節目を迎えようとしている今、maruoはまた、過渡期にあります。


ヴィンテージに出逢う前の私のように、”新しい何か”を探している、ここ数年。
それは、私のワクワクを見つける旅でした。


成長欲求が、自分でもとんでもないガソリンになっていることを痛感します。
マンネリとは、今やっていることに”成長”がないというサイン。
そこにもう新たな成長がないとき、人は飽きを感じる。


パリのヴィンテージも、コスチュームジュエリーも、ずっと好きです。
でも、”成長”を私が見いだせなくなってしまったここ最近。


求めていただいているからこそ、なんとかmaruo vintageを”今のまま”で続ける方法を探してきました。


でも、ふと気づいたんです。
ブランドにおいて、大きなうねりと、勢いを出せるときというのは、
私自身が、熱狂しているときだ、と。


改めて思ったんです。
私が心から美しい、とワクワクと心高鳴るものを届けていくことを続けよう、と。
その私自身の強烈な熱が、ブランドの深さとなり、ブランドの吸引力となるんだ、と。


未熟すぎて、ご迷惑をおかけすることも多々あり申し訳ない気持ちでいっぱいです。

やっと、わかりました。


わたしは、”ブランド”をやることは一生やっていくと思います。
それはある種、私の使命であり、天命であるから。


でも、その”ブランド”の中身は、常に”私が熱狂できるもの”であること。
そんな、とてもシンプルで、とても大切なことに気がつきました。
ほんと、ここ数日の話です。


目の前の方が求めてくださることに全力投球していこう。
そして、それと同じくらい、
私が心底心惹かれるものを、これからも皆様に、お届けしていこう。


みなさん。
maruoが続いたのは、この文章を読んでくださっているあなたがいたからです。
9年やっても、まだまだ未熟で、本当に振り返って自分が嫌になることも本当に多いのですが、
でも、でも。私はみなさんが引っ張ってきてくださったこの9年が、私の人生の中にあることが、本当に嬉しく、私の大きな誇りです。


これからも変わり続けることになります。
いろんなご意見があると思います。
わがままなのはわかっています。
でも、本気で”今日の自分、最高に好きだ”とあなたに思っていただけるものを
本気で届けたいんです。届けさせてください。
変わらせてください。変わります。


7/20(土)と21(日)を周年イベントを、代官山の私たちのアトリエで行います。
7/20(土)は私も店頭におります。

この周年を、皆様と一緒にお祝いできましたら幸いです。

※7/20は完全予約制とさせていただき、現在すでに満席をいただいております。7/21はご予約不要のフリーオープンとなります。


9年前の自分を振り返って思うのです。26歳の私が想像もできないような、とんでもない所まで来てしまった、と。

そして、ここに立ち思うのです。

まだまだいける。

手に取ってくださる方が、”今日の自分、最高に好きだ”と思っていただけるものを本気で届けるために。
妥協せず、変わることを。この新しい先のブランド人生を始めるために。

私たちは、あまりにも周りの声を聞きすぎてしまって
時々自分の内側の、本当の声を見失いそうになるけれど。

でも、いつだって、
答えは私の心の中にある。



続けるために。変わり続けます。
これからも見ていただけるように。

頑張るのではなく。
楽しみます!


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