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センチメンタルワールズエンド

センチメンタルワールズエンド

自分の人生を変えてくれた作品…
連動されているアルバムも繊細ですごい好きで2021年最も聴いたアルバムでもある。

そして本の刊行、ツアーからも1年経ったということで改めて読み返してみた。

「来年の今日。俺たちは、ここで一緒に死ぬ。残された一年で、君の遺書代わりの小説を、俺が描く」自殺を試みたミサキは小説家の鋭二と出会う。感傷的な世界の終わりへと物語が動き出す。

武瑠さんの実際の感情を元に紡がれた小説。感想としてどこから書けばいいか難しい部分であるけれど、この誰もが何か心に痛みを持っている現代社会でこの作品に出会ったこと、武瑠さんのバックボーン、そして今を共に体感できることに幸せを感じる。

この1年、小説と共に感傷的な世界を終わらせスタートさせた武瑠本名での音楽活動を見守ってきた。本名名義の初ライブ、主催でのフェス、SuGとしての5年半ぶりのステージ、去年夏にはサイン会にも出向いた。
その中で過去も背負ってそれでも、いや…だからこそ前を向く力強さを感じた。多くのことを許していきたいと本名名義の初ライブで語ったことが形になっていることがわかる。続けていくことの難しさ、でも作品を生む中で答えを見つけて素晴らしい景色を見ていく。この小説の中につまっているそんな感情や現象を体感できた。
それでも昔のように感傷的に陥ることなく人生ごと心ごと昇華させていっているように思う。

さて前置きは長くなったけれど、この小説のテーマでもある延命…もう何もかもやめたくなってしまうということは皆さんの中にもあるのではないだろうか?

それはもちろん命という大きい括りだけでなく、音楽かもしれない、恋愛事かもしれない、人によっては仕事や習い事だったりもするかもしれない…自分にとって大切なもの。考えてみれば続けていくことだけが正義ではないんだと思う。この1年で決断してやめたことも多いし、それは今も肯定できる。続けてたらなんて思うことも最近は無くなった。
でも、いっそのことそのやめてしまおうかという気持ち…そのこと自体にすごく意味のあるものなんだと小説を読みながらも感じた。続けないという選択肢もある…それでさえも肯定してあげる。そうする中で続ける重みが生まれるものである。

この小説では序盤に1年限定で延命することとなった二人は遺書代りの小説の題材にすべくディズニーに行ったり、宮古島に行ったり遊びつくす。どうせ死ぬのならと開き直りながら進んでいく。その中で、二人が過去を知っていってすれ違っていく中でヒロインのミサキは今までの人生やこの1年を音楽にするという生きる理由を見つけていく。

この物語の好きなところはここで
絶望が渦巻く中で自分の生というものに気がついて、熱中できるものを見つける
ところである。

一生懸命悔いなく生きようとするが故に、正直感情が擦り切れてよくわからなくなることが自分には多い。満たされてるはずなのに、ないものねだりをしてしまう。
その度にやっぱり自分を可哀想にして、前世に悪いことをしたのかなと思いながら、生き急いでさらにうまくいかなくて可哀想にしてしまう。
そんな自分の負のループに気づいた中でSuGの5年半ぶりのステージでの武瑠さんの姿を見て、この小説をもう一度読み返すことにした。

この一連の動きの中で…
何生き急いでるんだ!時間は勝手に流れていくし、その中でうまくいくこともあるかもしれないじゃん!!
自分に言い聞かせることができた。

自分自身も武瑠さんと一緒だった。
合唱を中学生の時にはじめて、歌の世界に踏み入って、今まで何も気持ちを注げなかった自分が変わりはじめた。
そうした中でもうまくいかないこともたくさんあって、たくさん傷ついて…それでも自分なりの形で続けていって…17年

今では楽曲提供を依頼してくれる仲間もいるし、正式にボイトレの講師にもなれるようになった。続けていけばいいことが必ずある。
それは音楽以外のことにしても間違いなくそうだろう。

この1年は自分の中で音楽だけが1番でなくなって、いろいろ揺らいだ気持ちもたくさんあった。久々に傷つくことも多かった。

怠惰は裏切らない。

その通りだと思う。
これまでの人生の結果が今…
それでも変えられるのは今…

思い描いてしまう妄想もあるし、そのために努力もする。それでも思った通りうまくいく保証なんてどこにもなくて、それでも進み続けて、きっと思いの外とも言えるのかもしれないけど、何かが叶う。

“考えすぎもたまにゃいいさ
僕らが生きるのは、そう今だけだ”

これも武瑠さんのメッセージだけど今をどう生きれるか。
自分の中で怠惰にならないためには、やっぱ緊張しちゃうわけだし、つい誰かに負担をかけすぎちゃうこともあるわけだけど、そうじゃない。
自然と楽しめればいいんだ。

別に何をするじゃなくアンテナを持って、ぼやーっと観察するだけでもいい。
そんな時期があってもいいじゃないか。
進みはじめた道…何もかも諦めようなんて思う必要はない。

諦めるのも選択肢かもしれない。
でも、その上で信じて時を生きる。

緊張しすぎるより、なんて自然なんだろう。
行動はおまけみたいなもので心を能動的にしたい。
諦めずに時を過ごすためにも一つ小さな、でも大きな約束をした。

39日限定するSuGを9月3日まで全力で推そう。

皆さんにとっては少し話が飛んだように思うかもですが、あくまで感想なので…
センチメンタルワールズエンドは僕を変えてくれた。実はこのnoteを始めるきっかけになった短編小説もセンチメンタルワールズエンドを読んでないと書いていないと思う。故にこの記事も1年前に読んだおかげなのである。

だから9月3日まではSuGの生き様を感じるのが僕の人生でそれ以外のことはおまけ程度で、楽しいことがあったらそれをその時全力で楽しむのみ…辛いことやわかんないことは受け流そう。
それは9月3日には大した悩みじゃなくなってるかもしれない。その時にしっかり考えればいい。

という感想という名の僕の現状とリンクさせた脳内解体でした。
皆さんもどうしようもないことや小さかれ大きかれ悩みあるかもですが、約束を作ってみればどうでしょう?

ということでセンチメンタルワールズエンドの最後の曲でもある「感傷的終末世界」をどうぞ。

https://youtu.be/W5uXpjrR208

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