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続 言葉の意味への考察、ブータン人の幸せの定義

言葉についてまだまだ考察。
同僚とのランチ。わたしの所属する部署の多くはドイツ人なので、フレミッシュ(ベルギー北部の母国語)を話さない私たちの共通の言語は英語になる。
英語が世界共通言語っていうのは、話す人口と学ぶ人口が多いからそうなるのは必然だと思う。
結構前に『Arrival 』(邦題は、メッセージ)っていう映画を見たんだけど、ざっくりした内容は、宇宙から謎の飛行物体が現れて、ずば抜けたテクノロジーを持つ彼らの使う言語を理解しようと学者や専門家たちは奔走する。彼らの文字言語は時制が存在しない非線形の表意文字で、扱うには高度な計算能力と非直線的な時間概念が必要となる、らしい。やがてはその謎を秘めた美しい言語をユニバーサルランゲージにする、というような話なんだけど。


それで、英語が共通語って概念、いつからあるんだろうって話を同僚にしたら、実は【Esperanto】っていうユニバーサルランゲージがあるんだよと聞かされた。
エスペラントとは、今から100年以上前の1887年に発表された、すべての人の第二言語としての国際補助語を目指して作られた人工言語、らしい。
イタリア語やフランス語、スペイン語などのベースになっているロマンス語の派生のようなので、語学習得が苦手とされる日本人には所詮ハードルは高いのだけど。。。

左が英語で右がエスペラント

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https://ja.m.wikipedia.org/wiki/エスペラント

でも、共通の言語ってのも便利だけど、
例えば、せつない、とか、しょうがない、とか。。。
風がびゅーびゅー吹いているとか、雨がしとしと降っているとか。。。
日本語でしか言えない感情とか、情景を表す擬音語とか、そういう表現がやっぱりその国の国民性とか文化を表してるんだよなぁ。。。としみじみしたりもする。

この前見た別の映画、『Tolkien 』(邦題は、トールキン 旅のはじまり) は、ロードオブザリングの著書のトールキンの人生を描いたお話で、その中でグッと心を掴まれた可愛いシーンがあった。トールキンが恋人と口喧嘩をしてしまった後、仲直りする為に彼女を演劇に誘う。
そのチラシを彼女に渡す時に、トールキンがこう言った。
「英語にはない古いドイツ語で、喧嘩の後の贈り物を指す言葉、ドラッヘンフッター。
直訳すると、ドラゴンの餌なんだけど。。。」
すると彼女は、少しはにかんで、
「じゃあわたしはドラゴンね。」
と言い返す。
ほっこりさせてくれますな!!自分の国に無い表現方法がすごくポエティックだったりするから、言語っていうのは噛めばかむほど味わいがあるスルメみたいなものかもしれない。

またちょっととんで、次はアジアの話になるんだけども。。。星読みのyujiさんの“ホニャララLIVE”をYouTubeで聞いていた時、ゲストにジャーナリストの田中敏恵さんが出ていて、彼女はブータン王国に縁があり、よく現地に出向いて取材をしているそうだ。わたしも、ブータンと聞いて、あぁ〜たしか心の幸福度ナンバーワンの国だったような〜と浅い知識で聞き始めるんだけど。
(福利厚生を含めての世界幸福度ナンバーワンは四年連続でフィンランド、北欧の政治は圧倒的に国民に優しいようだ)
一番印象的だったのは、田中さんが現地の方々、会う人会う人にあなたは幸せですか?と質問すると、病院で入院している人以外はみんな、幸せですと答えたそう。
英語で質問すると
「Are you happy?」でハッピーという言葉が幸せの概念だと思うのだけど、
ブータン語では、「ガット トキ トト?」と質問するらしく、意味としては“心と体が心地よい状態ですか?”というニュアンスで、ブータン語では、ハッピーという単語は無いのだそう。心と体が心地よい状態を人々が意識的に作れる国民性ってとっても素敵。


いろいろな国の文化が、言葉を作り、その逆も然りでその言葉が文化を作る。
もしもこれから全世界の共通語が生まれたとしても、エスペラントのようにその人工言語は最初はすごくシンプルであるだろう。
人々が、歴史が、その言語を育てていくんだとすれば、10000年後くらいには、世界はひとつになってる、かもしれないな。。。。。


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