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ジョンガリアーノfor DIOR への考察、ドレスの魔法は永遠なり

お気に入りのドレスを着てパーティーに行く。
オペラ座にバレエを見にドレスコードで、ミュージアムのオープニングデーにおろしたての靴で、友達のバースデーパーティーに思いっきりおしゃれをして。。。
そんなオケージョンはこの一年で一気に消滅した。
ハイファッションは間違いなく、このパンデミックで向かい風を受けた業界のひとつだ。
わたしはドレスを作るのが本業。
だけどドレスは着ていくところがない、悲しすぎる現実。わたしのボスでありデザイナーのドリスも、イブニングドレスはこのご時世、着ていくところが無いから売れるか心配だ、と本音をもらしていた。

そんな時だからこそ、見返したい大好きなショーがある。
イギリス人デザイナー、ジョンガリアーノがディオール時代に残した偉業の数々。
1996年10月から2011年3月までの約15年間、伝説を作り続けた。
一番のお気に入りは、2003年春夏オートクチュール。(オートクチュールとはオーダーメイドの服のこと。)

https://youtu.be/d0RVjlZFKVI

泣く子も黙る強烈さ。なにこれ。
強い!
圧倒!!
参りました!!

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映像を見るとさらに伝わるんだけど、ランウェイショーというより、シアター作品を観ているような気にさせられる。(途中、中国雑技団の方たちがパフォーマンスを繰り広げたりする、もうなんでもアリな状態、超カオス)
奇抜なメイクとドレスをまとったモデルは、“その気”になって、ランウェイを闊歩する。
実は、このマジックが一番大事なポイントで、
女性はパワーのある服を着ると、瞬時に変身する生き物だ。(メイクアップも同様)
着る人を“その気”にさせられる力がある服。
ガリアーノのドレスには、その魔法がかかっている。

『人々は着飾ることをしなくなった。わたしたちはそれを変えなきゃいけないんだ。』
Dressing up. People just don’t do it anymore. We have to change that.


ガリアーノは自らのマジックハンドで、
見事にあの時代の空気を変えた。
有言実行の天才魔術師。
この時代が明けたら、
もう一度、眠っていた魔法が目を覚まして、
興奮と熱気が戻ってきますように。

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