上京
父と離れて暮らして3年が過ぎた頃
兄は結婚をして家を出た
その後、私は母と2人暮らしをしていた
何とか平穏に過ごしていたのだけれど、とうとう父に住んでいる場所がバレる日が来た
母と離婚をしてから1度も顔を合わせる事もなかったのに
どうやら私の乗っている車を尾行していたらしい
アパートから外に出たとき、なんと道端に父親が立っていた
私は驚いてアパートの部屋に戻って扉を閉め鍵をかけた
何度かチャイムを鳴らされたけど、絶対に開ける訳にはいかない
ストーカーに家を突き止められたのと同じ心境で恐怖に怯えた
しばらくするとドアのポストに父が書いたメモが放り込まれた
何て書いてあったか内容はよく覚えていないけど、怒りを覚えるほどとても自分勝手なことが綴られていたと思う
父の暴力から逃れ、生活を乱されないために別れたのにつきまとわれてしまっては引っ越した意味がない
母の仕事は東京
兄はもう実家にはいない
私と母は仙台のアパートを引き払って東京に行く決意をした
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?