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制作物のはなし/【slight】のこと

hitokiの制作物に【slight】という連作があります。(一部Instagramに公開中
slight とは、「わずかな」「ちょっとした」「取るに足らない」などの意味を持つ英単語です。

私の日常の中で起きた取るに足らない些細なことを、ポストカードにモノクロの絵で記録したものに、【slight】という名前を付けて今も描き続けています。

自己紹介の記事で書きましたが、私は「1」に興味があります。
読みやすいようにアラビア数字を使っていますが「1」は「・」でも「無」でも何でもいいです。
ようは「そこにそれがある、と認識する」ということに興味があるのです(「無」は無があると認識)

その「1」をどれくらい小さくできるかや、自分(の作品)が誰かにとっての「1」になれるか、というのを形にしたのが【slight】です。


オオイヌノフグリってネーミングセンスどうかと思う、とか
爪切り買い替えようかな~って思うけどなんか捨てるのも面倒くさくて今日もそのまま使った、とか
そういうどうでもいいこと。
本当なら誰に共有するほどの事でもない、自分でもすぐ忘れちゃうような、ほんの些細な人生のかけらを「1」としています。

向かって左:セロハンテープが久しぶりにグシャってならずに切れた日の絵、右:買い替え時を見失ってる爪切りの絵

ポストカードに描いているのは、額に入れて飾るよりも、いつか誰かにお手紙として送りたいからです。
【slight】の絵、一枚一枚にはタイトルがありません。
その代わり、絵の裏に“その時のこと”を書いています。どう思ったかとか。なにを見たとか。
本当に、どうという事もない瞬間の記録。それが【slight】です。


“いつか誰かに手紙として送りたい”と思いつつ、いっぱい描き溜めていつか壁一面に並べてみたいなあ、という気持ちもあるので、原画をお手紙として送るのはまだ先になりそうですが
いろいろ準備が整ったら、複製画をお手紙として送るサービスをしたいなあと思っています。

誰かにとっての「1」が、共有されてまた誰かの「1」になる。それって、どれくらいの大きさの「1」なんだろうか。私の「1」は、あなたの中で、「1」になれてるんだろうか。


なんかうまく言えないけれど、そういう気持ちです。

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