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ナルト×考察:ナルトとサスケの”関連性”【Ep35】

こんにちは、ひとかどさんです。
前回ご紹介した「関連性(Relativity)という概念はいかがでしたでしょうか。

今回は、この概念をさらに深く理解するために、
漫画『NARUTO』からナルトとサスケの2人に登場してもらいましょう。

題して、「ナルトとサスケの”関連性”を探る」です。
ではお楽しみください! 

出典:巻ノ七十二 ナンバー694:ナルトとサスケ①

前回のおさらい

関連性」とは「容易に理解したり共感できることの質」です。
人間は「共有する経験」が元となり、「容易に理解したり共感できる」のです。
それでは、ナルトとサスケの場合、2人の関連性はどのように解釈できるのでしょうか?

ナルトとサスケが共有していた経験

ナルトとサスケ。
この二人が「共有する経験」を一言で言うなら、それは「孤独の痛みを知っていること」です。

ナルトは、九尾という妖狐を体に宿す存在であったため、サスケはクーデターを起こそうとしたうちは一族の生き残りであったため、里の皆から嫌われ、疎まれていました

サスケ…お前がいつも一人なのは知ってた
オレは…最初、自分と同じような奴がいるって分かって安心したんだ…
それに嬉しかった
(うずまきナルト)

巻ノ二十六 ナンバー227:千鳥VS螺旋丸!!

ナルト…お前が昔…常に一人でいるのは知っていた
(中略)
そしてなぜだか、安心したんだ
(うちはサスケ)

巻ノ七十二 ナンバー698:ナルトとサスケ⑤
出典:巻ノ七十二 ナンバー695:ナルトとサスケ②

孤独の痛み」を知り、それを知っているという経験を共有する二人ー
この経験に基づく”関連性”は、お互いにとって相当に深いものだと考えられます。

ナルトとサスケが共有していなかった経験

一方で、この二人が「共有していなかった経験」というものもあります。
それが「繋がりを失う」という経験です。

サスケは幼い時に両親を亡くしていますが、ナルトは生まれた時から親も兄弟もいなかったわけです。

出典:巻ノ二十六 ナンバー229:繋がり…!!

だから、サスケの言うように、「繋がりを失う」という経験は、ナルトとサスケの間では共有されておらず、この点において二人の”関連性”は浅かったわけです。

強まる二人の”関連性”

そんな二人は、忍者アカデミーで共に学び
卒業後は同じ班に配属され、
共に任務をこなす中で互いに強く、
そして日々の日常の経験も共有していきます。

しかし、中忍試験の後、急速に成長するナルトの成長に焦り、
兄・イタチを追いかけるサスケは、“終末の谷“でナルトと戦い、
その戦いの後は、別々の道を歩んでいくことになります。

共有していなかった経験を共有した二人

お互いが別々の道を進んだ後、ナルトはサスケとの関連性をさらに強めることになります。

それはナルトが「自分にとって親しい存在を失うという経験」をしたからです。

つまり、これまでサスケと共有できていなかった経験(繋がりを失う)を共有することになったのです。

ナルト師匠・自来也を、サスケ最愛の兄・イタチを、それぞれ同じ時期に失っています

これによって、

初めから独りっきりだったてめーに!!オレの何が分かるんだってんだ!!繋がりがあるからこそ苦しいんだ!!それを失うことがどんなもんかお前なんかに…!!

と、昔、サスケに言われたこのセリフを、奇しくも、自来也を亡くしたことで、ナルトは共有することになったのです。

出典:巻ノ四十三 ナンバー402:最後の言葉&巻ノ四十四 ナンバー405:遺されたもの

終わりに

大蛇丸と手を組み、暁と手を組み、世界的に危険視されていくサスケを、
里の同期すらも見限り、抹殺しようとする中
ナルトだけは、サスケのやろうとしていることが「分かる」と共感の意を示しました。

国際的な犯罪者として指名手配されているサスケに、
ここまで理解を、共感を示すことができるでしょうか。

これは、ナルトにしか持ちえない感覚だと思います。

それほど、別々の道を歩き、離れてもなお、二人が共有している経験(孤独の痛みと繋がりを失うこと)が、強力に二人を繋ぎ、深い”関連性”を維持しているからでしょう。

そんな二人の結末は、是非、『NARUTO』を読んで(もしくはアニメで)みてください!

【参考資料】
巻ノ二十  ナルトvsサスケ!!
巻ノ二十六 別れの日…!!
巻ノ四十三 真実を知る者
巻ノ四十四 仙術伝承…!!
巻ノ五十二 それぞれの第七班!!
巻ノ七十二 うずまきナルト!!

#ナルト
#NARUTO
#考察
#心理学

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