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ひとかどタクソノミー〜②性格編〜【Ep28】

こんにちは、ひとかどさんです。
出会いの季節4月に向けて紹介している、MAPのアイディアを使って編み出した「ひとかどタクソノミー」の2つ目。それは、「性格」で他人を分類する方法です。

ひとかどタクソノミーとは?(Ep26から再掲)

「ひとかどタクソノミー」とは「他人を分類する方法論」です。
※タクソノミー:taxonomy(同じような性質を持つグループに分類するための名前付けのシステムで、分類・分類学・分類法などの訳語が与えられる英単語)

血液型占いというものがありますよね?
O型はおおらかで、A型は几帳面で…みたいな。
アレと似ていて、MAPで得た数々のアイディアから、キャラ・性格・価値観の3つの側面から、他人を分類することで、人付き合いを楽にすることを目的としています(あの人は「せっかち」だから…ということがわかると、その人との付き合いが楽になるということもありますよね?ウチのOttoがまさにそうです笑)。今回は3つの側面のうち「性格」についてご紹介します!

ただし、ご注意いただきたいのが、人を分類するのは、「人をジャッジする」のとは違います。ジャッジすると、その人の社会的地位や容姿などから先入観を持ってしまい、ありのままのその人を見ることができなくなってしまいます。「ひとかどタクソノミー」が目指すのはそういったジャッジではなく、【他人に気づく】ための一つの足掛かりであり、人付き合いを楽にすることにあります。

人を性格で分類する

スイスの心理学者・カール・グスタフ・ユング(1875〜1961)は、性格を把握できれば、他者の考え方の傾向がわかると主張しました。

元々、厳格な牧師である父と、霊能者でひどく気分屋な母を両親に持ち、両親の不仲という複雑な家庭環境で育ったユングは、幼少期から「人間という存在」や「人の愛情」というものに不信感を抱きながら、同時に自分の中に二つの性格が存在することに気づくようになります。そして、人間が生きていく上で、「性格」が重要な要素だと考え、性格のタイプ分けを深く研究するようになりました。

性格とは人それぞれが独自の習慣によって形成した一種の癖であり、その人が無意識に行っている「出来事への反応の基礎」だからです。言い換えれば、性格とは「考え方のクセ」そのものなのです。

例えば、「お腹を空かせた子に遭う」という出来事に対して,
「お腹が空いているのか、かわいそうに」と思う人もいれば、
お金がなくて何も買えないんだな」と思う人もいるし、
「持っているクッキーでもあげようかな」と思う人もいるでしょう。
目の前で起きた出来事は同じはずなのに,こうした反応の違いが生じるのは、「考え方のクセ=性格」によるものなのです。

このアイディアを活用したのが、「ひとかどタクソノミー」の「性格編」というわけです。

2つの心の向く方向

ユングによる性格分類は、心が向く方向を「内向と外向に分けるところから始めます。
注意が必要なのは、心の向く方向が「外向」ということの意味は、性格が外向的で明るく社交的、とかいうことではありません。

外向とは、あくまでも自分の興味や関心が外(社会、他者など)に向いていることを意味し、周囲の人々や事柄をオープンに受け止め、良くも悪くも他者に影響を受けやすいと理解してください。

一方で、内向とは、「私は内気でさー」とかそういうことではなく、興味や関心が自分自身に向いていることを意味します。したがって、物事の判断基準が自分の中にあり、行動を起こすエネルギーが自分の内側から生じるのです。

4つの基本機能

次に、ユングの性格分類は、4つの基本機能を考え、人それぞれで使い慣れている機能があることを分類の基礎とします。その4つの基本機能とは、

1つ目は「思考」で、物事を論理的に捉えて理解する機能で、物事の原因や理由を考え、分析することで意味付けを行う機能です。

2つ目は「感情」で、何かが起こった時、生じる感情(好き嫌い、喜怒哀楽など)や気持ちを真っ先に考える機能で、思考機能の対極に位置します。

3つ目は「感覚」で、映像、音、匂い・香り、味、痛みなどの五感で感じたものをそのまま情報として受け取る機能です。思考機能による分析や意味付け、感情機能によるポジティブかネガティブかといった価値判断はなく、単に目の前で起きている出来事をありのままに捉える機能です。

4つ目は「直感」で、ひらめきで物事の本質を把握する機能です。目の前で起きている出来事と全く別のイメージやアイディアをひらめく機能で、感覚機能の対極に位置します。

ポイントは、誰でもこの4つの機能のうち、どれかを頻繁に使って、物事に反応しています。そのことで考え方にクセが生じ、それが「性格」になるのです。なお、最も頻繁に使用する機能を「主機能」と呼び、隣り合う「補助機能」も活用しながら物事に反応しているのです。

図:4つの機能と位置関係

8つの性格

上記の心の向く方向心の機能組み合わせで、8つの性格に分類できるというのが、ユングによる性格分類です。8つそれぞれの性格を説明しましょう。

1. 外向思考

  • 心が「外(社会や他者)」に向き、出来事に「思考機能」で反応する

  • 物事を客観的に分析する

  • 世間的に「成功」とされること(例えば、お金や地位、肩書きなど)に価値を置く

  • 自分に関わることも、客観的に見てどうか、合理的に考えてどうかという基準で判断する

  • 思考回路は「〜すべき」というものが多い

  • 極端にこのタイプに偏った場合、非合理的なことを嫌うため、芸術的なものに価値を感じなくなり、読書の本選びも、もっぱらノウハウ本や経済など「何かが確実に身につく」実用的なものを好む傾向が強くなる

キーワード:合理性、分析、客観的、冷静、計算高い、権力志向

2. 内向思考

  • 心が「内(自分自身)」に向き、出来事に「思考機能」で反応する

  • すべての物事に理屈を求める

  • 納得のいく理由がないと行動に繋がらず、活動的に動き回るより思索に耽る時間を大事にする

  • 外向思考のように、理屈や意味を、お金や地位といった社会的なものに結びつけるのではなく、自分の判断軸と結びつける

  • 正解や結論のないことをただひたすらあれこれ考え続ける時間が、このタイプの人にとって至福の時間

  • 他人の気持ちに配慮することが苦手

  • ファッションのような「外からどう見られるか」といった趣味には極端に無関心なこともある

キーワード:深い思索、探究心、マイペース、主観的、自分軸

3.外向感情

  • 心が「外(社会や他者)」に向き、出来事に「感情機能」で反応する

  • 好き嫌いがはっきりしており、感情表現が豊か

  • 誰とでも仲良くなりやすい(友達100人できるかなタイプ)

  • 相手に合わせた感情表現が得意

  • 気分屋な側面もあり

  • 物事の良し悪しの判断基準は「なんとなく気に入らない」というような漠然とした理由であることが多い

  • 感情タイプは「思考機能」の発揮が苦手なので、物事の事象を論理的かつ理屈で考えることは不得意

キーワード:好き嫌いがはっきりしている、他者への共感、感情的、気分屋

4.内向感情

  • 心が「内(自分自身)」に向き、出来事に「感情機能」で反応する

  • おとなしいが、自分の中で好き嫌いははっきりしている

  • 自分の考えを他人にわかりやすく説明するのは苦手

  • 腹が立ったことをいつまでも忘れない(根にもつ

  • 周囲から見れば控えめで物静かだが、心の中では誰とも共有しない様々な感情を抱えていることがよくある

  • その場の雰囲気に流されることなく、自分自身が今何を感じているかを受け止める

  • たくさんの感情を秘めていても、それを誰かに向かって表現する気は本人にはあまりない

  • 相手に距離を詰められることも得意ではない

キーワード:無口、おとなしい、従順、温厚、繊細、心を隠す

5.外向感覚

  • 心が「外(社会や他者)」に向き、出来事に「感覚機能」で反応する

  • 物事を自分の好き嫌いではなく、ありのまま受け止める

  • 自分なりのこだわりがあり、それを重視している

  • そのこだわりは、家の窓の景色、香水の香り、料理に使う食材など、五感にまつわるもので、人によって様々

  • 時間に正確

  • 流行にはとても敏感

  • 組織では、実務家で優秀

  • ありのまま物事を捉えるので、個人的な思考や判断(意味付け)、感情などに惑わされることなく、処理能力が速い

キーワード:流行、グルメ、ファッション、時間管理、実務派、こだわり、自分のルールがある

6.内向感覚

  • 心が「内(自分自身)」に向き、出来事に「感覚機能」で反応する

  • 自分の内側の感覚を最も大事にしているから自分の世界で完結している

  • 一方で、そんな自分の感覚からくるこだわりが他人に理解できるとも思っていないため、排他的になることも(このこだわりがわかるわけない…って感じ)

  • 人との交流よりも「モノ」へのこだわりが強い

  • オタクっぽい

  • ルーティンワークをこなすのが得意

  • 独自のコレクションなどがあることも

  • ファッションに関しても、自分のこだわりを除けば無頓着

  • 自分の世界を大事にしているため、そこにズカズカ入り込まれることを嫌がる

  • 一人でコツコツと、というのはこのタイプに育ちやすい

キーワード:趣味、独自の感性、オタク、引きこもり、モノへの愛着

7.外向直感

  • 心が「外(社会と他者)」に向き、出来事に「直感機能」で反応する

  • 本質を見抜き、ひらめきを発揮するアイディア型

  • 今見聞きしていることと全然違うことを閃いたりする

  • しかし、自分のひらめきを他者に順を追って論理的に説明することが苦手なため、せっかくのアイディアも理解されないこともある

  • 事務的なことをコツコツやるのは苦手

  • ひらめきはするが、それを最後まで形にしたり、何かを実現させる計画力や思考力には欠ける

  • ひらめきが的外れなこともあるが、周りを巻き込んで進めていく

キーワード:ひらめき、発想力、行動力、飽きっぽい、自己中心的

8.内向直感

  • 心が「内(自分自身)」に向き、出来事に「直感機能」で反応する

  • いつも様々なことを閃いているが、外界からの刺激でそれが起こるのではなく、自分の内面の化学変化で起きる

  • 物事の捉え方も独特で、表現力も個性的

  • 外向直感と同様、説明力には欠けるので、ひらめきを説明できないこともしばしば

  • スピリチュアルな体験や、科学では説明のつかないことを経験していることも

キーワード:ひらめき、神秘体験、独創的、マイペース、独特な精神世界

おわりに

いかがでしたでしょうか。
「ひとかどタクソノミー」by 性格では、相手を観察し、この8性格のうち「こうかな、ああかな」と考えることで、その人との付き合いを楽にすることを試みます。
何らかの心理テストをするわけではないので、その人の「外向けの性格」を分類するに留まるかもしれませんが、すでに紹介したキャラ分類や、次に紹介する価値観で分類する方法なども組み合わせて、より相手を理解することに繋がればいいなぁと思っています。


【参考文献】
福島哲夫,2014,『ユング心理学でわかる8つの性格』,PHP研究所

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