現代応用心理学で『ONE PIECE』を読み解く【Ep45】
1997年7月22日。
集英社の週刊少年ジャンプで、ある漫画の連載がスタートしました。
その漫画とは、日本が誇る壮大な長編漫画『ONE PIECE』。
あの日から満25年が経過し、今日は26年目を迎えた2023年7月23日。
物語は佳境を迎え、最終章に向かっています!
「”D”の一族」とは?
「ひとつなぎの大秘宝」とは?
「ルフィの”夢の果て”」とは?
物語の核心に迫る謎が解き明かされる日も近く、
様々な考察が飛び交っていますが、
わたしの記事では、
現代応用心理学(MAP)の学び直しを通じて見えてきた
『ONE PIECE』という物語が我々に問いかけるメッセージ
を考察したいと思います。
ルフィの「社会」との関わり方
前回の”ドラマ・トライアングル”で紹介したように、
人々は、相互依存というゲームの中で、各々が役割を演じており、
その役割とは、「迫害者」・「犠牲者」・「(偽りの)救済者」でした。
そして、この”ゲーム”に加わらないことが、
社会との望ましい関わり方だと学んだわけですが、
それを実践しているのが、『ONE PIECE』の主人公・ルフィです。
例えば、物語序盤の「アラバスタ編」では、
七武海のクロコダイルという「迫害者」と、
アラバスタ国民という「犠牲者」のいる社会でした。
ルフィは、そのアラバスタという社会と、
”ドラマ・トライアングル”のゲームに加わることなく、
正面からクロコダイル(迫害者)を倒すという方法で関わりました。
もし、ルフィが、アラバスタ国民の方を向き、
「クロコダイルに支配されていて可哀想なあなた達に、私が何かしてあげましょう」という関わり方をしていたら、
それは「(偽りの)救済者」になっていたでしょう。
魚人島編(vsホーディー)、
ドレスローザ編(vsドフラミンゴ)、
ワノ国編(vsカイドウ)。
ルフィの社会との関わり方は、
物語がスケールアップしながらも、一貫していますよね。
『ONE PIECE』の世界観
最終章に近づき、
そもそも『ONE PIECE』の世界観は、
”ドラマ・トライアングル”そのものなのかもしれないと
思わずにはいられません。
というのも、『ONE PIECE』の世界観は、一見すると
一般的な海賊=迫害者
市民=犠牲者
海軍(世界政府)=救済者
つまり、
海賊王ゴールド・ロジャーが残したとされる”ひとつなぎの大秘宝”を目指し、
海に出た多くの海賊たちが市民に略奪行為をはたらく
そんな大航海時代に、
”正義の軍隊”=海軍(世界政府)が市民を助けるという構図のように思います。
しかし、元王下七武海・ドンキホーテ・ドフラミンゴの次のセリフは意味深です。
そこにきて、最新刊でのDr.ペガパンクのセリフ。
連載開始から26年目にして、
いよいよ『ONE PIECE』の核心に迫ってきた気がします。
それは、「(偽りの)救済者」である世界政府こそが
実は今の『ONE PIECE』世界のドラマトライアングルを作っていて、
そこに戦いを挑むのが、ルフィのように名前に”D”を持つ人達。
この大海賊時代を意図して作ったのかもしれない海賊王・ゴール・D・ロジャーは、果たしてラフテルで何を見て何を知ったのか。
『ONE PIECE』の物語がどうなるのか、今後の展開が楽しみです!!
【参考資料】
巻十 ”伝説は始まった”
巻十八 ”エース登場”
巻五十七 ”頂上決戦”
巻五十九 ”ポートガス・D・エース死す”
巻百六 ”天才の夢”
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