ワンピース×考察:”ワノ国将軍 光月モモの助”〜高まる自己効力感!〜【Ep37】
しかし、その実態は…
年の頃は8歳にして、ルフィ曰く、「ビビリのアホガキのくせに、威張ってるだけのチョンマゲチビ」(第976話より)。それが「光月モモの助」です。
その「モモの助」の成長を読み解く鍵…
それは、高まる自己効力感にあったのです!
前回のおさらいですが、
“自己効力感(自分ならできるという感覚)”は、
①代理的経験
②言語的説得
③遂行行動の達成
④情動的喚起
によって高めることができる、というものでした。
では、もともと”自己効力感”が低かった「モモの助」に起きたこととは?
代理的経験
まず、モモの助に起きたのが「代理的経験」かと思います。
誰の経験を代理しているかと言えば、もちろんそう「ルフィ」ですね。
新世界序盤のパンクハザードにて、「王下七武海”ドフラミンゴ”、四皇に喧嘩を売る度胸があるのか」とシーザーに問われた時に「そんなもんいくらでも売ってきた!!」と言ってやり返し、その後ワノ国にて、実際に最強生物と言われる四皇”カイドウ”を前にしても一切臆することなく向かっていくルフィ。
「おれは、海賊王になる男だ!!」
いつもそう力強く言うルフィの姿を見るうちに、
「モモの助」の自己効力感に変化が生じるのです。
「ルフィを見ていたら、自分にもできるかもしれない」そんな感覚。
そう、これこそ「代理的経験」ですね。
だから、四皇・カイドウに「名を名乗れ」と言われた時、
以前は名前を聞かれても名乗ることができなかった「モモの助」が…
この時は、名乗った直後、怖くて泣いてしまい、敵から笑われてしまうのですが…「モモの助」の成長はまだ続くのです。
言語的説得
次に、「モモの助」の自己効力感に変化が生じたのは、
ルフィが投げかけたいくつもの”言葉”でした。
「お前が噛み付いたのは「四皇」だぞ!!この世にまだ恐ェもんがあんのか!!?」
「モモ、お前を!!!信じてる!!!」
このように、ワノ国の最終決戦では、幾度となく、ルフィは「モモの助」を励まし、「モモの助」が立ち向かう勇気を与えました。
これらルフィが「モモの助」になげかけた言葉の一つ一つが、「モモの助」を鼓舞し、「モモの助」の”自己効力感(自分にはできるという気持ち)”を高めていったのは間違いないでしょう。
遂行行動の達成
最後に、上記のような自己効力感の高まりを経て、ついに「モモの助」は「できた」を経験することになります。
それは、「焔雲を出し、鬼ヶ島を動かすこと」
ルフィvsカイドウの最終局面。
「モモの助」に鬼ヶ島にいる者達の命運を全て託し、
鬼ヶ島ごとカイドウを撃ち抜こうとするルフィ。
(鬼ヶ島をそのままにしておくと、ワノ国の都に墜落する)
そのルフィの拳から鬼ヶ島内部にいる人達を、都にいる人々を助けるためには、
「モモの助」が「焔雲を出し、鬼ヶ島を動かす」しかありません。
そしてついに…
この瞬間こそ、「モモの助」が初めて「できた」を経験した出来事でしょう。
ラストシーン ”ワノ国将軍 光月モモの助"へ
さぁ、こうして成長した「モモの助」のクライマックスは…
これより拙者、「光月モモの助」が!!「ワノ国」を統治いたす!!!
(感動の名シーンは是非、コミックス巻百四 第1051話でどうぞ!!)
以上、こうした一連のプロセスで、”自己効力感”を高めることができたからこそ「ワノ国の将軍 光月モモの助」は誕生したのだと思うと、「モモの助」がルフィから得たものはとてつもなく大きかったといえるでしょう。
【参考資料】
『ONE PIECE』巻六十九 "SAD"
『ONE PIECE』巻七十 "ドフラミンゴ現る"
『ONE PIECE』巻九十八 "忠臣錦"
『ONE PIECE』巻百二 "天王山"
『ONE PIECE』巻百四 "ワノ国将軍 光月モモの助"
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