#11 村山 智仁 パーソナルトレーナー(仙台市)
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#11 村山 智仁 パーソナルトレーナー(仙台市)

ひと×ひと

今回初めてメインでインタビューさせていただくことになった私(庄子)。
緊張していたが、もともと運動が好きな私は、トレーナーである村山さんのお話をとても楽しみにしていた。そんなドキドキの中挑んだインタビュー。村山さんの仕事に対する思い、そして人間の体の不思議など、どのお話もとてもワクワクするものだった。

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庄子・押野:今日はよろしくお願いします。

村山さん:よろしくお願いします。

人生の分岐となる出会い

庄子:では最初に自己紹介をお願いします。

押野:簡単に職業や生い立ちなどを話していただいて!

村山:村山智仁です。よろしくお願いします。

福島県生まれ、仙台育ち。スポーツでいうと今までは駅伝とランニング、バスケットをしてました。父親が「なんでもしなさい」という父親で、一通りスポーツは経験したんだけど、バスケ、サッカー、野球、ソフト、剣道、柔道、バドミントン、テニスとか全部やったんです。その中でなぜかハマったのが走ることで、親子マラソンという、父親と子供で参加するマラソン大会でたまたま優勝しちゃったんですよ、というありがちな話で。それで調子に乗ったんですね(笑)。それから走り始めて、中学の時とか地区の代表になって、さらに県の代表にもなって走ったりしていました。それがバスケットの体力づくりにもなりました。バスケをしながら走るから。運動8割、勉強2割くらいでずっと過ごしてきました(笑)。それと並行して、父親の影響で大工さんになりたかったんです。建築もやりたいなと思って高校を探してたら、たまたまバスケがうまいチームで建築科がある学校があったんです。その高校で建築を勉強しながら、一度走るのを避けてバスケ部に入ったんですけど、夏休みに高校のOG(先輩)がトレーナーの勉強でうちのバスケ部へ実習に来たんです。その時「トレーナー」という言葉を初めて知りました。怪我した時に対応したり、いい状態に持ってくにはこういうストレッチをするとか、選手のケアという裏方の作業があるんだなと。部にはマネージャーがいて、似たことはしてくれるんだけど、本職のトレーナーが来た時、衝撃が走った。ああこれすごいなって。高校3年間建築を猛勉強して、地元で大工になろうっていうところまでいった時にその人が来たから、悩んだ末にトレーナーの道に行こうと決意しました。そこから仙台の学校に入学して勉強して、今の職場に就いて11年間。毎年少しずつ色々な経験と勉強させてもらってます。

押野:高校まで福島ですか?
  
村山:そうそう。その先輩と出会ってなければ、多分仙台に来てない。

押野:今もその先輩と交流はありますか?

村山:今はないですね…だいぶ年上の先輩なので名前くらいしか知らない方だったから。先輩との出会いは奇跡的で、今思うと人生の分岐だったなって(笑)もし先輩で会わなかったら福島で結婚して子供いて何も変わらない毎日を過ごしていたかもしれないし(笑)  

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**1『お客さま』
  お客さんがいるからこその自分

村山:パッと出てくるのはお客さんがいないと仕事にならないし、生きていけないということ。お客さんがいて、その人たちに納得してもらい、認めてくれるから成り立っている。お客さんがいて、悩みがあって、自分もわからないことがあってそれを解決してあげたいなと思って、それについて勉強できるのもお客さんのおかげ。

例えば肩が痛い、手が上がりませんっていう人がいる。理由を探すのに、生活習慣を聞くと癖があって、一週間お客さんに癖を治すことを意識して過ごしてもらったら、ちょっと動かせるようになった、さらにまたこうしてみましょう、とやってもらうと、もっと動かせるようになるんです。
教えて、やってくれる実践してくれる、そうして変わる、それを見てるのも嬉しいし変わってくれたなら自分も頑張ろうと思う。学校の先生と生徒にはなかった、大人の先生と大人の生徒だからある信頼感というか・・・そこにお金という責任が生じるわけですから。毎日わからないことがあったら勉強して、調べて、覚えて、聞かれたら答えられるようにして。
だからもっと勉強して、こうしてあげたいなと思わせてくれているのはお客さん。家計を支えている、プラス自分のやりがいにもなっているのはまずお客さんがいないと成り立たないので、一番はそこかな。まあやってて面白いです。最初はあまり喋らなかった人もすごく喋るようになったり(笑)
   

庄子:お客さんは月何人くらいですか?
 
村山:月に50人くらいですかね。毎週の人もいたり、月に一回の人とかもいます。
  
押野:そのお客さんはどう管理しているんですか?

村山:大体は頭で。カルテがあって、最初に書いてもらうんですけど、止まっている歪みもあれば動いている歪みもあるんですよ。止まっている時にちゃんとしていても、動いた時に歪んでいたり。筋肉の柔軟性を全部チェックして、食生活やライフスタイル全てを聞いて喋ったことを全員分記録してます。
  
庄子:一人一人としっかり向き合ってるんですね!

村山:向き合ってます!(笑)そういう仕事だと思います。人のサポートというか。時には裏で支えたり、時には引っ張ってあげなきゃいけない。その立ち位置はうまく変えながらも、表には出すぎないうところが難しい。あくまでも主役はお客さんやスポーツ選手。テレビを見ていてもあんまりトレーナーのことは出てこないじゃないですか。でも裏で選手はトレーナーをすごく信頼している。引っ張りながらも押してあげて、時には突き放して、難しいですよね(笑)人間関係の縮図ですよ、ほんとに(笑)
  
押野:そういう関わりってやっぱり楽しいですか?

村山:たまに、ぼーっとしてる、人と喋らなくてもいい仕事をしたいなと思うんですけど(笑)通勤路にバスの停留所があっておじちゃんがバス停の掃除をしてるんです。羨ましいなって思います。(笑)
でも結局そういう仕事したらまた喋りたいなってなるだろうし、無い物ねだりするから。今あるものを大事にした方がいい。あるもので成り立たせるのも大事かなって思います。

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**2、『ランニング』
  走ると幸せになれる

村山:さっき言った通り、一つは「お客さん」が僕にとって一番大事で、生きてくためにも、仕事しても、やる気としても。その中でも走る方がやっぱり増えていて、僕のお客さんの半分は走る人が多いから、教える以上は教える人も走らなきゃ、と思って走り始めました。生い立ちの話でお伝えした通りもともと走っていたので、またマラソン大会に出場し、ランニングの勉強を改めて始めたんです。
それくらい走る人って今多いんですよ。東京マラソンが出来た頃だから10年前か。それから一気に走る人が増えて今やランニングブームですよね。ブームっていうわりには長いじゃないですか(笑)終わりそうもない。そうなると仕事としてそれを求めている人が増えるので、そういう意味ではこれから僕の仕事上でも「ランニング」というワードは外せない。あとランニングって不思議で、走っていると幸せになるんですよ。

庄子・押野:ええ!?(笑)

押野:そうなんですか?(笑)ランナーズハイっていうことですか?

村山:そうですそうです!走ると幸せになるんです人間(笑)
走ってる時、俺かっこいい!俺いけてる!って思うんですよ、その時だけ。

押野:辛いよりも?

村山:辛いを一回越えると気持ちよくなる。物理的にいうと、脳の前頭葉が人の思考回路を司っている部分なんですけど、そこにセロトニンというホルモンが出るんです。そのホルモンが幸福を感じ元で、飲み物を飲んで美味しいって思った時にも出る。それが一番出るのがランニングだと言われてるんですよ。
ランナーズハイというのは、まさに走っている最中に苦しいんだけどセロトニンのホルモンが出てきて苦しさを越える幸福感を感じられる。それを感じてくるとやってよかったなって思えるんです。あと、ハーフマラソンとか走ると1500キロカロリーから2000キロカロリーくらい使うんですよ。フルマラソンだと2500から3000キロカロリーくらい消費するんです。そトレーニングで走ってカロリー消費すると食べても体型維持できるし。
マラソンって、“まぐれがないスポーツ”と言われていて、やればそれなりに結果が出る。逆に練習しないで走れる人はほとんどいない。居たとしても、もともとどこかで走っていたとか昔走っていたって人だったりする。バスケは、ボールをゴールに投げたら誰でも入れられるかもしれないけど、マラソンはそれが出来ないのでやっぱり練習してそれが身になるところがおもしろい。

走っていない人や太ってる人から教わっても速くなりそうにないじゃないですか(笑)だから僕自身の信頼を得るためにも走ってます。ある程度記録があったほうがお客さんの信頼感も変わるからそういう意味でも。あと幸せになれる(笑)

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**3、『呼吸』
  呼吸のコントロール次第で…

村山:呼吸は人間にとって一番大事なものなんですよっていうのが始まりなんですけど(笑)
呼吸しないと死ぬじゃないですか、でも水は2、3日飲まなくても生きられる。それくらい僕らの体を支えてるのは呼吸なんですよ。呼吸ってコントロールできるんです、1日2万回くらいしてるって言われていて、でも2万回の呼吸がちゃんとできている人と、できていない人がいるんです。
呼吸一つで興奮もできるし、リラックスもできる。人間本来の一番いい状態を作るという意味でも自分をリセットするために、僕はたまにヨガをやります。呼吸がちゃんとできるようになってくると、睡眠のコントロールがしやすかったり、だるさが消えたりするんですよ。メンタル的にもう嫌だなとか、イライラするとかあるじゃないですか。そういう時は呼吸がうまくできてない時。
それこそ走るっていうスポーツは半分精神力なんですよ。
嫌だけどやらなきゃいけないし、やめたいけど走るとか、その中で精神力を呼吸でコントロールする。スポーツするためにも生きていくためにも大事なことだなと。

まずは自分でそれを知ること。これはお客さんにも影響するんです。
呼吸を数えてみると1日2万回、1分間に15回から20回が一応一般的、でもヨガとかの呼吸は1分間に10回。
お腹膨らませる呼吸と胸膨らませる呼吸とか色々あるんですが、面白いのは体の軽さを変えられるんですよ。お腹を膨らませて呼吸しとくと重くなるんです。お腹を細くして胸膨らませて呼吸すると軽くなるんですよ。

押野:体重が変わるんですか?

村山:体重は一緒!要は物理的に?お腹に空気がたまれば下が重くなって重心が下になるから安定する。胸に空気がたまれば上が重くなってぐらつく。体重は変割らないけど安定感は変わる!
押野・庄子:なるほど!

村山:今まで腰が痛いと言っていた人は重心の位置が間違って動いているから、ちゃんと呼吸法を覚えて正しい呼吸ができると治ったり。呼吸している筋肉と姿勢を支えてる筋肉って一緒だと言われているんです。逆に言えばちゃんと呼吸できないと正しい姿勢は作れない。
マッサージとかストレッチとかしてもすぐ戻っちゃうんですよ。さっき言った重心の位置を変えてあげるだけでも安定感が変わる。安定しないで転んでいたおばあちゃんは立てるようになる。
呼吸だけで落ち着かせることもできるし、興奮もできるし、落ち着けば考えは明確になるし、正しい判断行動ができるし、呼吸を変えれば重心も変わるので安定感を変えることもできる。人間にとって水より大事なものが呼吸と言われているのはそこなんですよ。
  
押野:意識したことなかったです。

村山: あとは頭が一番酸素を使う場所で、こうやって今喋ってるともう酸欠になってる状態なんです。

押野・庄子:ええ!

村山:っていうのは冗談なんですけど(笑)
たくさん考えると疲れるじゃないですか、それだけ頭は酸素を使う場所なんですよ。
なんで酸素使うのかというと、頭は体の15%から20%の血流があるんですよ。血液って酸素を運ぶ働きがあるじゃないですか。頭にこれだけ血があって、考える、喋る、血が回る、そうすると酸素がどんどん運搬されてくるから酸素を消費するんですよ、するとなると呼吸が乱れてくる。だから喋る時は間をとって(笑)

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**4、『音楽』
個性があったり、繋がれたり、音楽の不思議な力

村山:僕があげた5つのパーツは基本人間なんですよ、人としての要素なんですけど。

音楽もあると楽しいじゃないですか。
テンポの速い音楽がかかるとソワソワしたり、ゆっくりな音楽を聴くと落ち着く。楽しさを演出したり、瞑想とか落ち着かせることもできたり、さっきの幸福感じゃないですけど楽しさを演出してくれるのは音楽で、耳からの情報は少ないけどもすごく人を幸せにしてくれる部分が強い。
曲によっていろんなものがありますよね。ロックみたいな激しいのもあれば、バラードみたいにゆったりするのもあるし、音楽や歌というものは体の中を浄化する。ただ何かを言うよりは、音に合わせて言ったほうが伝わる時ってありません?
みんな自分が好きで聴く音楽はジャンルがバラバラですよね。聴く音楽が違うとそれだけ体のコントロールや考え方とか違うからある意味個性だなと。音っていうのは人のバランス整えてると思う。
そして単純に僕、フェスが好きなんで。

庄子:どういう曲を聴くんですか?

村山:それ聞くんですか?(笑)
僕はパンクロックなんですよ〜ハイスタンダード、ワニマ、モンパチ、スカパラとか・・・

押野:フェスで楽しいジャンル!

村山:そうそうそう!ロック系の!
 
庄子:落ち着きたい時は違うジャンルを聴いたりするんですか?

村山:しっくりくるのは美空ひばりで、あとCHARAとか、平井大とか。あんまりヒーリング系は聞かないですね、波の音みたいな(笑)

押野:走る前に聴くものはありますか?

村山:走る前はないんですけど、走ってて一番ノリノリになるのはワニマかな。歌詞もいいから走ってる時は前向きになれるんです。走ってる時にラブソング聴いてもちょっと悲しくなっちゃうんで(笑)テンションの上がる曲は走る時にはいいですね。そして終わってからはしっとりするような曲を聴きます。

心拍数がバクバクしてるのに「愛してる」とか言われてもわからないし(笑)
ノッている時は激しいの聴きたいし、イライラしてる時はしっとりしたものを聴きたいし、心拍と少し関連はあるのかもしれない。

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**5、『キャンプ』
  小さい頃からの教え、自然のありがたみを知る

村山:もともと建築をやってたから色々作るの好きなんですよ。家でも棚を作ったりとかテーブル作ったりとか、椅子作ったりするの好きなんですけど、作ったらそれを外で使いたいんですよ(笑)

あとキャンプって自然との戦いじゃないですか(笑)。人間が現代の進んだ文化に逆らって、どこまで人間ができるかっていう所に行きたいんです。

今って、どうしても色々頼っちゃいますよね。スイッチ押せば電気つくし、スイッチ押せば火もつくし、蛇口ひねれば水出るし。って思うとありがたみを感じなくなってしまうんですよ。
それもやっぱりリセットなのかな、今の現代社会から離れて、自分の体ってどうなのかなって見るためにも。

テントを一から立てるのも重労働だし、ご飯作るのも、米を研いで飯盒で炊くと、出来上がった時嬉しいんですよ、それだけで(笑)。綺麗に炊けた!って、すごく嬉しいんですよ(笑)
野菜を切って食べてうまいって感じられるのは、自然が感じれるからなんだろうけど。改めて食べれらるということのありがたさと、食べ物で作られてる体を実感しますね。

キャンプへ行ってご飯をちゃんと作ってたくさん動きますよね。そしてお酒も飲む。
でも次の日はちゃんと起きるんですよ。それにスマホも見ないしテレビもラジオもない、目の情報を遮断してあげると結構リセットされて。体が戻るという感覚になる。あとご飯作るのも好きなんで、そういうのもあるかな。

押野:じゃあ自炊されるんですか?

村山:自炊しますね!
俺の理想像はちゃんと自炊してる人。人にこうしてくださいっていう人がコンビニ弁当食べてたらちょっとね(笑)
キャンプは半分遊びですけどね。遊び心がどこかあったほうが真面目にもなれるし。
ちゃんと仕事して、自分のマインドリセットも、遊ぶ時は遊んで、遊ぶところから仕事ってこうだなって見つかることもありますし。健康ってこうだなとか色々思うことはありますね。

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本当にトレーナーを必要としている人の元へ

庄子:最後に村山さんはどういうトレーナーになりたいですか?

村山:僕の将来についてですね。
本当に運動指導を求めている人って、地方なんですよ。田舎にはスポーツクラブはできないじゃないですか。何故かというと成り立たないから。
ジムを作っても、田舎の人はお客さんにならないんですよ。都会は歩いて行けるところに電車やバスがあるから、ジムがあったら行こうかなっていう考えがみんなあるけど、田舎はどこに行くにも車。バス、電車も通ってないところもあるし。
そういうところにいると外に出るということをあまりしないんですよね。
でも本当はそういう所に、体のどこかが痛いとか姿勢とか気になってる人がいる。
田舎のおじいちゃん、おばあちゃんってすごい腰曲がってるイメージじゃないですか(笑)だから田舎にも健康産業が入っていかなくちゃいけないんだけど、会社が成り立たないから作れない。
個人で入ってくしかないんですよ。
個人の指導者が行って、指導する場所を作る機会を作っていくしかないんです。だから将来的には地方の田舎でちょっとしたスペース借りて、運動教室を定期的にやりたいです。
仙台って街中を走ってる人すごくいるけど田舎で走ってる人はなかなかいない。歩道を歩いてる人もいないので(笑)
そういう場所で走って町おこしでも出来たら面白いのかな。それが構想ですね。自分の性にもあってるし、そうなりたいな。

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トレーナーという仕事は単に動き方を指導するだけの仕事ではない、体を動かすと一言にいえど奥が深い。一人一人個性や癖がそこにはあるからだ。
村山さんはそう言いった個々の表面よりも深い部分にしっかりと向き合って指導するトレーナーだ。自分自身にも厳しく妥協を許さない姿勢が人々の信頼にも繋がっているのだろう。
仕事と生活のオンオフをはっきりさせているところなんかは、まさにトレーナーらしさとすら感じさせる。
運動をしているがイマイチ成果が出ないなど体に悩みがある方は、まずは村山さんに相談してみてはいかがだろう。

インタビューアー 庄子 采伽、押野望佳

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