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映画を英語でレビュー#29 ペット・セメタリー Pet Sematary (2019)

死んだ者たちを生き返らせる物語 by Stephen King

愛する娘を生き返らせた家族の悲劇

とある家族が引っ越してきた地域には、”ペット・セマタリー”という動物の墓地があります。近所に住むおじいさん、ジャドは、その墓地のある森は危険だから近づかないように、と忠告します。

その家族にはペットの猫、チャーチがいるのですが、交通事故で死んでしまいます。娘のエリーはチャーチが大好きだったので、ひどく悲しみます。エリーをとてもかわいがっていたジャドは、悲しむエリーを見ていられず、チャーチを、ペット・セマタリーの先にある埋葬地に埋葬します。その墓地には死者をよみがえらせる力があるのです。しかし、生き返ったチャーチは、とても攻撃的な性格になっていました。

そんなある日、エリーの誕生日パーティの最中に悲劇が起きます。あまりに攻撃的なため、殺そうとしたが殺せず、野に放ったチャーチが車道を歩いているのを見つけたエリーが、チャーチを追いかけて、車に轢かれ死んでしまいます。悲しみに暮れるお父さんは、何とか娘を生き返らせたくて、ジャドの反対を無視して、チャーチが生き返った墓地にエリーを埋葬することにしました。

エリーは本当に生き返るのですが、彼女もチャーチ同様、様子がおかしく、とても攻撃的になります。そこから一家の本当の悲劇が始まります。
ちなみに、エリーには、ゲージという弟もいるのですが、彼のことを思うと、ラストは本当に切なくて怖いです。

Sometimes dead is better.

エリーをあの墓地に埋葬しようとする父親にジャドはあるセリフを言います。それが、
Sometimes dead is better.
(時には、死の方が(安らかに眠らせた方が)良いのだ)

このセリフがこの映画の全てを物語っている気がします。
確かに、最愛の娘を失って、彼女を生き返らせたい、という気持ちは分かります。私にも大事な大事な家族があります。不慮の事故で彼らのうちだれか一人でも死んでしまい、しかも、生き返らせる術がある、生き返る可能性がある、となったら、このお父さんと同じことをした可能性は十分あります。

それでも、この映画の結末を見てしまうと、自然の摂理に反することはしてはいけないんだな、と思います。

原作はスティーブン・キング

原作は、ホラーを書かせたら右に出るものはいないのではないかという超有名なスティーブン・キングです。「It」や「シャイニング」でも有名ですが、個人的には私は彼のホラーではない作品(彼の原作を基にした映画)の方が好きです。例を挙げるならば、「グリーン・マイル」、「スタンド・バイ・ミー」、「ショーシャンクの空に」なんかは、どれも名作で、私のお気に入りの映画たちです。
ホラーではないとはいえ、そこはやっぱりスティーブン・キング。結構ダークな面もあります(わざと死刑の処刑の手順をミスってかなり苦しむ方法で死なせたり、お父さんの虐待で耳を焼かれたり、、、)

特に、「スタンド・バイ・ミー」は小学生の頃、金曜ロードショーで見て
ドはまりし、学校の図書館で原作を借りて読みました。この作品がきっかけで、映画の原作を読む習慣がつきました。(最近は全然読んでないですけどね、、、)

ハロウィーンが近づくと見たくなるのがホラー

アメリカに留学して身についた習慣。それは、

ハロウィーンが近くなったら、ホラー映画を見る。

アメリカでは、10月になると、やたらテレビでホラー映画を流します。
映画館もホラー映画を上映します。
もはやそれはイベントです。
映画が大好きな私は、このイベントを大いに楽しみました。
それ以来、日本に帰ってきても、ハロウィーンが近づくと、無性にホラー映画が見たくなります。

ちなみに、クリスマスが近くなると、クリスマス映画や(「ホームアローン」とか毎年見たくなります)、家族映画を見たくなります。

映画で季節のイベントを楽しむのもなかなか良いですよ。

「墓地」を英語で言ってみよう

「墓地」は映画のタイトルにもある通り、
cemetery です。(映画の原題のスペルはわざと違うスペルでsemateryとなっているので要注意!)
他に、
burial ground
という言い方もあります。burialは動詞のbury(「埋める」)から来ているので、「埋葬地」という意味があります。

Church returned home alive after he was buried in the burial ground.
「チャーチは埋葬された後に、生きて家に帰ってきた」




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