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映画で英会話#18 セッション Whiplash (2014)

好きな映画をゆるーく解説ながら、ついでに使える英単語や英語表現を紹介します

鬼教官vs夢見る生徒

この映画の主人公は、マイルズ・テラー演じるアンドリュー。
彼は一流のジャズドラマーになる夢を叶えるために、アメリカ最高峰の音楽学校に入学します。その学校には超有名な教師がいます。彼の名はフレッチャー。彼の指導者としての評価は学校一で、彼に指導してもらえれば、夢の実現にぐっと近づく給とができます。

アンドリューは、初級のクラスにいましたが、ある日彼のクラスをフレッチャーがのぞいていました。そして、なんとアンドリューは、フレッチャーが指導する最上位クラスで学べることになりました!

有頂天のアンドリュー。しかし、そのクラスの生徒たちの緊張感は異様なほど高い。それもそのはず。フレッチャーは、超超超鬼教官だから。
生徒をけなし泣かすことなどなんとも思っていない、むしろ、プロのミュージシャンを生み出すために必須不可欠と思っているフレッチャー。

そんなフレッチャーの下でドラマーとして鍛え上げられるアンドリュー。手は血だらけになり、ドラムに血を付けながら猛特訓するシーンは、痛いシーンが苦手な私にとってはもはやホラー。

自分だけでなく、親までもぼろくそにけなされながらも、それでも必死に血を出しながらフレッチャーの授業についていくアンドリューは、とうとう主奏ドラマーになります。有頂天のアンドリュー。
この時彼には、行きつけの映画館で出会った彼女がいましたが、彼女との交際が夢を叶える障害になると勝手に思い込んだアンドリューは、彼女を振ってしまいます。親戚との食事会でもけんかをふっかける(相手も悪いんですけどね)など、かなり感じが悪くなります。

そして事件はよりにもよってコンペティション当日に起こります。
会場に向かっていたアンドリューが乗っていたバスが故障。急遽レンタカーを借りて会場に向かいますが、慌てていたせいで、ドラムスティックをレンタカーショップにおいて来てしまいます。違う生徒をドラマーに指名したフレッチャーに対し、アンドリューは10分で戻ってくることを条件に、レンタカーショップに戻ります。しかし!道中彼は事故にあってしまい、大けがを負ってしまいます。それでも執念で会場に戻ったアンドリュー。

皆の制止を振り切り彼はステージに上がります、血だらけで。
しかし、やはりけがの影響で満足に演奏できないアンドリュー。
そんな彼に対し、フレッチャーは非常にも、

「お前は終わりだ」

と言いました。怒り狂ったアンドリューはフレッチャーに殴りかかり、学校を退学。ドラマーとしての夢も諦めてしまいます。

ここで終わらないのが、この映画の面白いところ。
実は、この後、フレッチャーも学校を首になってしまうのですが、ここからこの映画は驚きの最高の結末を迎えます。

結末についてはあえて書きません。見てほしいからです。
この映画のラストはもう息をするのも忘れるくらいの衝撃でした。

ちなみにフレッチャーを演じたJ・K・シモンズはこの演技でアカデミー賞助演男優賞を受賞しています。(他のノミネートは、ロバート・デュヴァル、イーサン・ホーク、エドワード・ノートン、マーク・ラファロでした)
受賞も納得の鬼教官ぶりです。
そして監督は「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼルです。
彼、実はもともとミュージシャンを目指していたということで、彼の実体験を参考にこの映画は作られたようです。


マイルズ・テラーが怖い

主演はマイルズ・テラー。最近では、「トップガン マーヴェリック」に出演してました(マーヴェリックの亡くなった親友の息子役で、準主役でしたね)。
顔は特にイケメンというわけではなく、どちらかというとイマイチパッとしない優男みたいな印象なんですが(完全に私個人の感想です)、だからなのか、どんな役にも豹変できる役者だと思います。

実際に起きたアメリカの山火事と戦い命を落とした消防士たちを描いた「オンリー・ザ・ブレイブ」では、薬物におぼれて定職に就かず、どうしようもない男から、体を張って市民を守る消防士になる実在する男性を演じました。

また、「ダイバージェント」では主人公の女の子をいじめるなんとも嫌な奴を演じ、なかなかな印象を残していましたね。

そんなマイルズは、なんとこの作品でドラマーを演じるために、2か月間の猛特訓をし、作中での演奏シーンも、彼が演じました!ドラマーだったわけではないのに、あんな演奏ができるなんて、彼のプロ根性はすさまじいです。ちなみに、作中アンドリューはドラムの練習の激しさゆえに、何度も手から血を流すのですが、その出血もリアルにマイルズの出血だったそうです!

鬼教官が鬼教官である理由について英語で読んでみよう!

フレッチャーは自分が厳しくしていることは、優秀なミュージシャンを生み出すためには必要なことだと信じています。
その理由について述べたシーンのセリフから使える英語表現を紹介したいと思います。

Otherwise we're depriving the world of the next Louis Armstrong, the next Charlie Parker.
さもなければ、我々は世界から次のルイ・アームストロングや次のチャーリー・パーカーを奪ってしまうことになる。

要するに、厳しく指導し、生徒が限界を迎えたときに本当の能力が発揮されると信じているからこそ、フレッチャーは生徒たちをどんどん追い込んでいっているんですね。

それでは、このセリフから使える単語を二つ紹介します!

otherwise=「さもなければ」
deprive A of B=「AからBを奪う」 


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