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ロボットがコンビニの品出し!?自宅にいながら品出しの遠隔操作〜DX事例25_株式会社ローソン〜

ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。

このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。

今回は「マチのほっとステーション」のキャッチコピーでもおなじみの株式会社ローソンのスマートコンビニについてのDXです。


ロボット品出しに無人レジ、進むコンビニの無人化

ローソンのDXに関する取り組みは色々ありますが、ここではコンビニ無人化に関する2つの取組みについて挙げます。

①遠隔操作ロボットによる品出し作業
まずはタイトルにもある通り、ロボットによる品出しです。このロボット品出しは、2020年9月中旬にオープンしたビル「東京ポートシティ竹芝」にあるローソン店舗内にて既に運用が始まっています。

店舗内には、遠隔操作可能なロボットを開発する「Telexistence株式会社」の「Model-T」ロボットが稼働しており、1時間ほどで弁当、飲み物、パンの品出しが完了するとのことです。この遠隔操作品出しの特徴として「自宅にいながら遠隔操作が可能であること」、「複数店舗の品出しが可能なこと」が挙げられます。

品出しは現地にいないとできない作業でしたが、この遠隔操作技術により現地にスタッフが常駐する必要はなくなりました。品出しを行うスタッフは自宅にいながら、複数店舗の品出しを行うことが可能になります。Telexistenceは現在は人が操作しているが、将来的にはAIによる自動制御も視野に入れているとのことです。

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Telexistence HP「ローソン店舗にて遠隔操作ロボット、Model-Tによる商品陳列を開始」より抜粋


②決済不要で商品が購入できるローソンGO
日本版「AmazonGo」という形でしょうか。2020年春、ローソンは富士通新川崎テクノロジースクエアにレジなしの実験店舗をオープンしています。

来店時にスマホの専用アプリに表示されたQRコード、手のひら認証(マルチ生体認証)を通してしまえば、必要な手続きは全て終わりです。店内のカメラで捉えた人・商品・手の動きでお客様が何を買ったかをAIで認識し、退店時にクレジットカードで自動決済される仕組みとなっています。商品棚には重量センサーもついていて、商品棚の重さの変化や位置情報からも商品の移動を検知、商品の選択ミスや品を戻したときの再集計も可能です。

まだ一般客には開放されていませんが、利用者から「レジ待ちの時間がなくスムーズに品物が買える」として評判は上々です。レジ対応の省力化や機会ロスの削減だけでなく、お客様に「スムーズなお買い物体験」というUXも提供できる良い事例だと思います。

人の動きをカメラで追従していることから、来店客の動線・滞在時間・購買動機などを分析することが可能です。ローソンは売上増につながる効果検証や来店客目線での課題整理を行った上で、一般顧客向け実証実験店舗のオープンを目指すとのことです。

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経営戦略とDXの関連性について

ローソンは2017年にオープンイノベーションセンターを設立し、最先端のデジタル技術を活用したコンビニの改革を進めていましたが、近年DXの取り組みを更に推し進めようとしています。

2020年には「デジタル・ITストラテジー2020」を掲げ、社長直轄の「デジタルトランスフォー メーション推進委員会」を発足しました。この委員会は代表取締役社長である竹増貞信氏が委員長をつとめ、デジタルを活用した構造改革、本部の組織・風土の改革、同時 に戦略の浸透やIT人財の育成を強化に向けた取り組みを進めます。

コロナ禍の状況で、小売業界はいかに非接触のサービスを提供できるかが重要視されています。更に働き手不足や人件費の高騰問題も有ります。
ローソンは自社が大事にしている、「人の温かみを"ほっと"感じるおもてなしスキル」と「働くひとを支えるデジタル技術」を融合して、これらの問題解決を図りながら「マチのほっとステーション」で有り続ける挑戦をしています。


まとめ

いかがでしたでしょうか?
デジタルトランスフォー メーション推進委員会の中で、社長自らが委員長になり、かつこの戦略の浸透を目標に掲げていましたが、これは本当に大事なことだと思います。
タナショーが何度も記載していますがDXは「最適なサービス提供のために、IT技術の導入と共に人と組織も変えていく」ものです。人主体ではなく、サービスに人が合わせていくのです。

組織のあり方や業務を変えるとき、どうしても人がついてこない場合があります。今までのやり方が変わってしまうのを嫌がったり、現状を維持したがる人が一定数発生するかと思います。

そんなとき、従業員を動かすためには社長によるトップダウンの指示は非常に重要なものとなります。社長がDX(改革)の必要性を説き、なおかつその改革は会社のミッションやビジョンにも合致していること。そして、この改革こそが事業継続のために不可欠であると示すことで、真に従業員の理解が得られるのではないかと思います。

DXこそ経営者が主導権を持って動かなければならない一大改革です。そんな頑張る経営者の方に役立つ情報をこれからも発信していきますので、引き続きnoteを読んでいただければ幸いです。
タナショー


参考にさせていただいた情報
株式会社ローソンHP
https://www.lawson.co.jp/index.html
株式会社ローソン「ローソン統合報告書2020」
https://www.lawson.co.jp/company/ir/library/pdf/annual_report/ar_2020.pdf
Telexistence株式会社HP
https://tx-inc.com/ja/top/
富士通「共創事例:レジがない!?ニューノーマル時代の新しいコンビニとは」
https://www.fujitsu.com/jp/reimagine/retail/article/interview01/index.html
日経新聞「コンビニで働く遠隔ロボ 距離を超え、から揚げ調理も 」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK2221M0S0A221C2000000/
ITmediaビジネスONLiNE「ローソン、遠隔操作ロボットがペットボトルやおにぎりを陳列 人手不足解消への一歩」
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2009/07/news071.html

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