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【映画感想文】アド・アストラ(自分で出した不用品は自分で処理できるよう頑張ろう)

SF映画は非現実的な感じが面白くてつい見てしまいます。
この映画は画面が美しい、とかブラッドピットの演技が凄い、とかはありましたが、私としては「男性諸君よ、海王星まで行かなくてもそんな事には気付いてくれ」という感想でした。
あ、面白い映画でしたよ。

しかしこの映画で私がすごーく気になってしまったシーン。
映画のお決まりで人が死んでしまうのですが、その死体を宇宙に放出するのです。
え!?宇宙って基本そうなのでしょうか?
ええと、倫理的な意味とかも考えればあると思うのですが、基本宇宙船内で必要なくなったものは外に出す、というシステムなのでしょうか?

私が何にひっかかったかと言うと「宇宙は広いから不必要なものは外に放出しちゃって大丈夫だよね」という考え方です。
これって「地球は広いから色々放出しちゃって大丈夫だよね」という考えで、今の地球環境が出来ている所から全然進歩していない感じがするのです。
大航海時代ぐらいの映画では死体を海に流すシーンがあり、きっと当時もそういうシステムだったと思うのですが、一応地球の中だし(地産地消?)海の中には分解してくれる生物もいます。ま、当時の方々はそんな事まで考えてなかったと思いますが。

でも宇宙って誰も分解してくれない、ですよね。
確率はすごーく少ないにしても、例えば後から来た宇宙船がぶつかったりしたら嫌じゃないですか?それで故障でもしたら目も当てられない。

この映画では地球→月→火星→海王星というルートをたどるのですが、火星→海王星は3ヶ月ぐらいかかる設定で、1000歩譲ってそこまでは持って行けないのはしょうがないとする、でも月→火星は1~2週間ぐらいの設定だったと思うのですが、そこでも捨てちゃうんですよ。え~、火星ぐらいまでは持って行こうよ。ちゃんと処理しようよ。
そういえば月面で出た遺体の回収はちゃんと依頼をしていました。月面と宇宙飛行中では扱いが違うのですね。

宇宙ゴミ(スペースデブリ)の問題も話題になる昨今、この映画の些細な所にひっかかって十分堪能できなくなってしまいました。
でも2回もこのシーンが出てくるのですよ!

あれ?そういえば人類批判的な部分も多かったこの映画。もしかして、あえてひっかからせる為のあのシーンだったのでしょうか?
映画なんだから、死体の処理の仕方までわざわざシーンを作らなくても良いですよね。
だとしたら相当凄い、監督の執念を感じます。


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