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【読書感想文】持続可能な魂の利用(多様性について)

ここ数年小説は読まない事にしていたのですが、ちょっと気になって手に取ってしまいました。そして小説を読まなかった理由を思い出しました。
・読みふけってしまい、寝不足、又は日常生活に支障をきたす。
仕事を持つ主婦なのでそれなりにやる事があり、途中で止められる本が生活には最適です。この本は半日程で読めましたが半日丸々潰してしまいました。
・感情が入り過ぎてしまう。
あまりに共感できる内容で、その後家族との関係が少しギスギスしました。たかが本に家族の平和を乱されるわけにはいきません。

そんな訳で小説は老後の楽しみに取っておこうと再認識。けれどこの時期にこの本を読めた事は良かったのかな、と思います。

久々に現代小説を読んだのですが、設定がリアルでびっくりです。今時はみんなこうなのでしょうか。そして女性あるあるの数々。私が見て見ぬふりをしてきた事に登場人物が見て見ぬふりを出来なくなる、という内容で何だか心が痛みます。

この本ではちゃぶ台ひっくり返し的な方法で状況が解決されてゆきますが、現実社会での状況改善はなかなか道のりが長そうです。

そしてこの本を読んで思い出した事。

だいぶ前にラジオで「娘に話しかけても答えてくれません」という父親の相談に、その話題を紹介していた女性が「私は今も反抗期ですよ。父親というか男性って人の話を聞いてないのですよね。別の事を考えていると話しかけても答えないし、自分の都合の良い時だけ仲良くされようとしても困ります」とばっさり。
男性を一切甘やかさないのが娘という存在だったのですね。よく娘が父親を嫌うのは遺伝子学的に近い遺伝子を避けるため、等と言われていますが、それ以前の問題だった。何だか妙に納得できる話でした。

今の日本でも色々な問題が噴出していますが、その先々で出会うのが「利権」という存在。この本に出てくる「おじさん」と呼ばれる人々が一生懸命自分達の仲間を守ろうとして作り出したシステムだとは思うのですが、この本では「当のおじさん達がちっとも幸せそうに見えない」と書かれているのが印象的でした。

戦後日本は女性が男性の面倒を一切引き受けて、男性にバリバリと働いてもらう、というシステムだったと思うのですが、それが立ち行かなくなってきていますね。

私が肌で感じるのは、女性も社会に出てみたら男性はそれ程バリバリとは働いていなかった、という事。もちろんバリバリと働いている方もいらっしゃると思いますが、それほど多くない。デヴィッド・グレーバーさんのいうところのブルシットジョブに忙しい方も多い。

あと本当に幸せそうでない男性が多いのですよね。権力トップに上り詰めた菅総理がもう少しイキイキと楽し気に働いて下さっていれば女性も支え甲斐があるというものですが、社会構造上一番幸せになりそうな人が幸せじゃないのなら仕組み変えた方がいいんじゃないの?と思います。(もしかしたら見えないだけで菅総理はとても幸せなのかもしれませんが)

最近多様性という言葉をよく聞きますが、何でここに来て多様性なのかしら?と思っていました。
すると欧州宇宙機構が多様性ある宇宙飛行士を募集している、というニュースで「多様性のあるチームは問題が起こった時に多様な意見が出てより問題解決能力が高くなる」という説明を見ました。
なるほど!!そういう発想は今の日本には全然無かったですね。

今地球上でも日本でも様々な問題が発生している事は確かで、今までのやり方が駄目なのであれば、問題解決能力を上げる為にもどんどん多様化した方が良い!と納得しました。



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