見出し画像

2020.02.02 新宿御苑サウンド

全バンドのリハーサルが終わった後のことである。我々hitode boysの出番は4バンド中3番目。オープンまでの少々の時間を持て余している。

会場には今時珍しくお酒の自動販売機が設置してあった。ドリンクカウンターで作ってもらうのを待つ必要がなく、これはイイと思い、僕はラインナップを見る。値段はどれも500円。ライブハウスのドリンクメニューと同じ価格だ。これでも僕は自動販売機を選ぶ。酒は速く出てきてくれる方がありがたい。

アルコール度数6%のハイボールに決めた。出番に向けてほどほどにお酒を飲み、気分良く演奏してやろうと500円玉を惜しみなく投入。ガコンと小気味良い音を立てて出てきたのは、アルコール度数9%のハイボール。濃いめじゃないか。僕はダミー缶をもう一度確認し、ボタンを押し間違えたのかと両隣のダミー缶にも目をやる。すべて見渡してみても濃いめのハイボールなどはどこにもない。僕が押したボタンの上には間違いなく6%と表記されているハイボールのダミー缶が無邪気に佇んでいた。

「気が利いた自動販売機だ」

この時の僕はこう思った。買ったものと違う商品が出されたことに対する憤りは無かった。さっさと酔っぱらって気持ち良くなってしまえばいい。度数が高めの酒は基本的に飲まないようにしているが、こうも強引に用意されてしまっては断ることもできない。ありがたく頂戴することにした。

画像1






その日どんな演奏をしたのか、僕はあまり覚えていない。        





チェイサーに水を用意すること、ペースに気を付けて飲むこと、つまみを食べながら飲むこと、度数の高いお酒は避けることetc・・・これまで幾度となく同じ反省を繰り返してきたはずだ。そして今回もまた同じように反省をし、二度と同じ過ちを繰り返すまいと意思を固くするのである。     

お酒は楽しく、ほどほどに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?