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旅の醍醐味、最後の砦は。リボンナポリンよ永遠にご当地であれ!北海道旅行記①

夏休み、10年ぶりくらいに北海道へ行った。

北海道といえば、リボンナポリン!

と思う人はどれくらいいるのか知らないが、私にとってリボンナポリンは特別な飲み物。

知らない人に説明しておくと、リボンナポリンは北海道限定のオレンジ色をした炭酸飲料だ。ちなみに無果汁。色はパプリカ色素でつけてるらしい。なので味はまぁオレンジ風味がする気がするサイダーだ!

でもどうしてそれが私にとって特別なのかというと、3つの理由がある。

一つ目は、やはり北海道でしか飲めないということ。
二つ目は、かつて北海道へヒトデの採集調査へ来たときに北大の先輩に買ってもらって初めて飲んだ思い出の飲み物だということ。
三つ目は、ナポリンのオレンジ色がヒトデをアルコールに浸けて固定したときに染まるオレンジ色にそっくりだということ。

三つ目が意味わからんと思うので、説明させてくれ!

ヒトデを未来永劫、質の良い標本として残すためには固定といって組織などが壊れないように今の状態を保たせる処理が必要だ。そしてヒトデの場合、それは99%のエタノールに浸すことで完了する。

エタノールは無色透明の液体だが、ヒトデを浸けるとヒトデの色素が溶け出してくる。そしてヒトデはほぼ白色に(例外もある)、そして何故だか知らないが元のヒトデがどんな色だろうとエタノールは鮮やかなオレンジ色に染まることがほとんどだ。

なので、ヒトデの液浸標本はナポリンに浸かっているように見えなくもない。ちなみにエタノールは入れ替えることもある。というかナポリン状態の時は元々ヒトデ体内にあった水分やそれこそ色素が混じってしまって99%エタノールではなくなっているので、しばらくしたら綺麗なエタノールに入れ替えたほうがよい。

さらに!!!ヒトデは毒素を持っている。その毒素の名をヒトデサポニンと言う。

リボンナポリンとヒトデサポニン。

人事とは思えない!というわけで私はリボンナポリンに勝手に運命的なものを感じてしまっているというわけだ。

北海道へ着き、レンタカーの案内を待っていた。時間があったので近くのコンビニに行き、おっ!さっそく発見!しめしめと最初の1本を買った。

息子が「何それー?」と興味深々なので飲ませてみたら、コーラやラムネなど炭酸飲料大好き少年はどハマり。結局北海道旅行中に5本くらい買ったと思う。地元スーパーでは2Lタイプも発見し、コテージに泊まった日はBBQ feat. リボンナポリンを堪能した。

ちなみにナポリンを飲むと息子のトイレが大変近くなることが発覚し、車内での飲用が禁止された。

登別で出迎えてくれた鬼

ある日、昼食のラーメンの後すっかりナポリンにご執心な息子が「ナポリン飲みたい!」と言うので近くにあったセブンイレブンへ寄った。しかし、ナポリンがない!売ってない!北海道なのに!

仕方がないのでこれまたご当地コンビニ(他県にもあるけど圧倒的に北海道に多い)セイコーマート様へ。もちろんあった。さすがでございます。

セブンイレブンが悪いわけじゃない。むしろセブンは大好きだ!しかし全国チェーンのセブンでは得られないものがセイコーマートにはあるのだ。グローバル化は良い面もあるが、どこでも一律になってしまうという寂しさもある。全国どこへ行ってもセブンの品揃えはやはりセブンなのだ。

逆にご当地ともはや言えぬ存在になってしまったものも多い。大好きなロイズの生チョコも、六花亭のバターサンドもポチッと買えてしまう。近所のスーパーでサッポロクラシックを見つけたときは嬉しさと同時に寂しさもあった。

それはやはり、旅の醍醐味が“そこでしか得られない経験”だからだろう。そういう意味で、今回私は大地(ジオ)の偉大さを思い知った。

今回の旅のルートは新千歳→登別→洞爺湖→岩内→小樽→旭川→三笠→新千歳。一般的なルートではないのは重々承知だ。家族それぞれの行きたいポイントを結んだらこうなった。そして、思いがけずジオパークを2箇所(洞爺湖有珠山ジオパークと三笠ジオパーク)も巡ることとなったのだ。

ジオパークに指定されていない場所でも北海道の圧倒的自然を育む地形の面白さは半端ない。先ほど例に挙げた食べ物や工芸品、動植物はグローバル化、流通社会のおかげで見ようと思えば手に入れようと思えば、そこに行かずとも手に取れる時代になった。

しかしジオだけはそうはいかない。大地は動かせない。持ち運べない。
旅の醍醐味の最後の砦はジオなのではないだろうか?

そもそもその土地固有の動植物や人の文化も大地がまずあるからなのだ。

どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ

天空の城ラピュタより

先日の金曜ロードショーでシータも言っていた。
ちなみに三笠ジオパークはかつて炭鉱の町であり、まさにパズーが空から舞い降りてくるシータをキャッチしたような建造物があった!我々は全力で君を乗せてを歌った。

ジオが分かってくると人生何倍も楽しめる!と常々思っていたが、今回の旅でさらにそれを確信した。グルメやショッピングも楽もしい!さらにそこにジオを見る目を持っていく。それがこれからの時代、より旅を楽しめるポイントになるだろう。

さっきHPをみたら、リボンナポリンは2021年で110周年を迎えたそうだ。す、すごい!今2024年だから、113年間もご当地を貫いてくれているなんて。ありがとう。

これからもご当地飲料として我々を北海道で出迎えてほしい、と心から願っている。

地球レーベルの活動資金として「自然を守る」ために使わせてもらいます!ぜひサポートよろしくお願いします。