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【ほねなしエッセイ#7】チンアナゴ、ブーイングを受ける

「チンアナゴって魚なんですか!?」

けっこうな確率で驚かれるのだけど、チンアナゴは魚です。

でも気持ちはわかる!あのニョロニョロの奇妙な体は魚っぽくないよね。そして、普段は魚には目もくれず変な形のほねなし動物ばかり追っている私もチンアナゴは大好きです♡やっぱり形が面白いから。

水族館でも大人気で、今やどこにでもいる。
そして、だいたい皆が見やすいように目線の高さの水槽にチンアナゴだけ、もしくは小さな魚や他の生き物たちと一緒に展示されている。

しかし!とある水族館(←ホントにど忘れしました泣)でなんと、大水槽の中に砂山が盛られていて、そこにチンアナゴがいるという展示に出会った!

大水槽なので、サメやエイ、大型の魚がたくさん泳いでいる中、底でにょろにょろと奴らがいるではないか!そして、チンアナゴのための小さな水槽とは違い、サメなどが近くを通るとヒュっと見事にみな引っ込んでいく。そしてまたすぐ出てくる。

おぉおもしろいっ!

大水槽のど真ん中の床にへばりつく子供たちと一緒にしばらく見入ってしまった。きっとこれが自然の姿に近いのだろう。敵のいない水槽でたるんでしまった奴らとは違うな、なーんて満足しながら、いつか野生のチンアナゴを見てみたいと思った。


そしてそのチャンスはまたまた新婚旅行先のパラオでやってきた!
世界屈指のダイビングスポットでもあるパラオにはチンアナゴが見れる場所もあるというじゃないか。

ダイビングショップのお兄さんに何かリクエストありますか?と聞かれたので、意気揚々と「チンアナゴが見たいです!」と言って予約をした。

さぁ当日、船で複数人の他のお客さんと一緒にダイビングに出発したのだけれど、私以外だれも特に何もリクエストしなかったらしい。じゃぁチンアナゴ見に行きましょう!となったそのとき、

「え~」

と不満そうな声が・・・。まさかのブーイング。

そうですよね。知ってますよ、みんなマンタとかウミガメとか大きい魚群とかそういうのが見たいんですよね。。。

でもリクエストしたの私だけですからっ!と気まづさをひとり誤魔化しながら船は進む。

青い空に白い砂浜、エメラルドグリーンの海。パラオはホント天国みたい。

そんな白い砂地にいたよ、いたよチンアナゴ!予想以上の大群!
少し傾斜がかった開けた砂地でひょろひょろと顔を出しています。みんな同じ方向を向いてゆらゆら揺れている様子は、これぞリアルニョロニョロ!

野生のチンアナゴは思った以上にアグレッシブで、長い長い体の大部分を外に出している。とはいっても近づくと引っ込んでしまうので、少し遠目から眺めているのだけれど、それでもよく分かるくらいたくさんいる。やっぱり野生の生き物は逞しいね!

足元には枕になりそうなくらい大きいバイカナマコ。梅の花に例えられる突起が立派で、砂地の主という感じでかっこいい。

満足満足。

私が下ばかり向いている頃、頭上ではマンタが通ったとか通らなかったとか。皆さん、足元の世界も面白いですよー。


☆☆生き物からのラブレターを読み解くため、生き物との出会いや体験を綴るほねなしエッセイ連載中☆☆

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