旅するアサギマダラ【生ラブ#24】
鬼滅の刃の胡蝶しのぶさんのモデルはアサギマダラらしい。特徴的な羽織の色模様。その生き様。言われてみると、妙に納得してしまった。
アサギマダラは日本全土に生息する蝶々で、チョウの中では珍しく"渡り"をすることが知られている。春には南から北へ。秋には北から南へ。山形から台湾のほうまで、約2500kmも旅した記録もあるそうだ。
先日、筑波山に登ったときにそのアサギマダラに出会うことができた。ちょうど秋の渡りシーズンで、筑波山に来ているという噂は聞いていた。それでも実際に自分で見つけることができると感動はひとしおだ。
アサギマダラとは別のタテハチョウの仲間を見つけて写真撮影に夢中になっていると、息子が「ちがうチョウチョも来たよ!」と教えてくれた。それがアサギマダラだった。
アサギマダラは結構大きい.大きめのアゲハチョウぐらいあるが,アゲハチョウと違って羽が全体的に丸っこいのでより大きく感じる.
さらに特徴的なのはその飛び方だ。アゲハチョウやモンシロチョウ、普段私たちがよく目にする蝶々はなかなかのスピードで飛ぶ。ずっと羽根をパタパタさせているので、飛んでいる最中に羽の模様をはっきりと見ることは難しい。
しかしアサギマダラは飛んでいる途中で、羽の動きを止めることがある。なので飛んでいる状態でも美しい羽を拝むことができるのだ。羽を広げてふわっと飛ぶ姿は本当に優雅で心奪われる。
長距離移動に対応した省エネな飛び方なのだろうか?なんにせよこの繊細で小さな生き物が海を渡っていくなんて驚くばかりだ。チョウは脆く弱い生き物だという認識は改めたほうがいい。
息子が見つけてくれたアサギマダラを、やった!やった!とまたまた夢中になって撮影をしていたのだが、後でアサギマダラがたくさんいる場所を見つけた。どうやらピンク色のアザミの仲間に集まっているようだった。
蝶々は特定の植物に集まることも多い。そこでアサギマダラの飛来地です!というように保護されている地域もあるようだ。
さらには移動距離や時期を調べるためにマーキングも行われているらしい。アサギマダラを捕まえて日付と場所を羽に書き込む。それをまた別の場所で捕まえた人がデータベースへ登録することで飛距離などがわかる寸法だ。前述した山形から台湾への記録もこうした調査で分かってきたことらしい。
私の見つけたアサギマダラはどこから飛んできて、これからどこへ向かうのだろう?美しいだけでなく夢も見させてくれる、なんて魅力的な生き物なんだ。今度はぜひマーキングされた個体にも出会ってみたい。
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