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ちいさい秋みつけた

これがInstagramならきっとオシャレな葉っぱとどんぐりの写真でもアップロードされて、心を打つキラキラハッシュタグが乱立するところだけど、私のnoteは残念ながらそういう感じではない。
すみませんね。



えぇとね、今回は、童謡の話です。
まんま『ちいさい秋みつけた』っていう曲があるの。皆さんご存知かしら。
なんか最近は童謡の話、マジで通じないって聞くんですけども。


とりあえずあれか、YouTubeを貼っておけばいいか。知らない人はちょっと再生してみればいいと思う。



いかがだろうか。



怖くない?


いやこれ絶対怖い。開始5秒で怖い。曲知ってるはずの私が、YouTube開いて前奏で閉じたくなった。呪怨とかで使われる曲じゃないのこれ???

童謡に短調の曲が多いこと自体は悪くないと思う。昔は(こどものうたなら、もっと明るい方がいいのでは……?)と思ったもんだけど、いざあやして寝かしつけて……とやってみると、案外この適度な低さ・暗さがちょうど良い。寝かしつけに『リーヨ!』とか歌っても赤ちゃん起きちゃうもんな……。うん、なんでも明るければいいというものではない。

ただ、この歌は歌詞も怖い。怖いというか、心に来る。
特に2番、なんだあれ。


お部屋は北向き 曇りのガラス
うつろな目の色 とかしたミルク
僅かなすきから 秋の風


童謡で『うつろな目の色』とか言う……?!!?!?
えっ、『童謡』って実はもっと色んな人に歌わせるようなものだったっけと思って、グーグルで『童謡 とは』を検索した。


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で、ですよね……?!
えっ子ども……これは子どもの歌う、あるいは子どもの為の歌……か……???
この童心、嫌すぎない……?!!?!???


ただ、この曲自体は、私は子どもの頃から好きだ。
歌詞の話の前に、曲調が格好いい。当時はホラーというよりは、『物悲しいけどちょっとカッコイイ』という感想だった。大人っぽいと言うのかな。
よく「ちいさいあーきーちいさいあーきー……ちがった、だーれかさんがーだーれかさんがー」と、出だしの歌詞を間違えて歌ったけど、あれは私だけじゃないと信じてる。そんで真ん中のメインの歌詞は全然覚えられなかったので適当に誤魔化してた。
そう、この曲、『わらべうた』というにはちょっと難しいと、当時から思ってはいたのだ。大人になって、我が子に歌うのにそういえばと思い出して調べたのが今回のきっかけなんだけど、いや予想以上に難しい歌詞だった。全体的に物悲しすぎる。これ40歳くらいになって安いインスタントコーヒー片手にしみじみと歌う曲でしょ、童謡というジャンルではないよ絶対。
そもそも「小さい秋見つけた」でいいんだろうかこの歌は。どこに秋を見出してるんだよ、むしろ小さい闇見つけたみたいな歌詞になってる気がするんだけど。


ただあくまで『そういう文学作品の1頁』みたいな視点で見れば、物悲しいけど美しいんだよなぁ……言葉並びが曲に凄く合う……んぐぅ……これをテーマに同人誌描けって言われたらめちゃめちゃいい作品集まりそう……んんん。



とりあえず、折角なのでちゃんと3番まで覚えた。
これは『童謡』というジャンルでいいんだろうか、という点だけ相変わらず首をひねるけど、結局私はこの曲が好きだ。

秋風が入り込む隙のない暖かな家の中で、今日も私は娘にこの曲を歌っている。

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