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絵本レビュー『14ひき』シリーズ

これの話はいつかしたいとずっと思ってて、同時に(どっかでちょっと書いた気もするんだけどな……?)と思うも自分で見つけられずにいる。
マガジンに放り込まないと見つけきれないくらい、今まで大量のnoteを書いてきたことを誇ればよいということにしよう。
(なんかこれ聞くの2回目だな?)ってとこあったらごめんね。

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『14ひき』シリーズ。
これは私が子どもの頃からある作品だから、知ってる方も多いのではと思う。
作者はいわむらかずお、出版社は童心社。
なんかネット検索したら『14ひきのシリーズ』って呼称が使われてた。わかるような、なんかシリーズ名としちゃ違和感があるような。まぁわかるけど。

そんな昔からの作品だからしょうがないんだけど、「おぉ……感性が昔だ……」と思うところも結構ある。
そもそもの家族構成が、おじいさん、おばあさん、おとうさん、おかあさん、子ども10匹。おばあさんの歌う子守唄を『おとうさんも昔聞いた』と書かれているので、おかあさんが『嫁いできた』側だと思われる。じゃあおかあさん側のご両親どうなってんだよとか思うけど、そこは一切出て来ない。そのメンバーにして、風呂に入る順番が『おじいさん+お父さん+子どもたち(長女・次女除く)』→『長女・次女』→『みんなが寝た後でおばあさんとおかあさんが一緒に入る』なの、だいぶこう、家父長制が強かった時代の名残があるというか。家の仕事が全部終わってやっと入れる風呂が義母と一緒なの、正直ちょっとやだな……。
まぁ風呂場には2人の笑い声が響いているとのことなので、嫁姑の関係性は良好っぽい。そこは何より。

なんとなく、男衆が力仕事メイン、女衆が家事メインになっている……のは、時代背景もあるけど役割分担として合理的だから良いのかなとも思う。何気に『ろっくん』は男児にして家事手伝いサイドに混じってることが多いので、いわむら先生がものすごく男尊女卑の傾向をお持ちとかではなさそう。
時代の感性の差はあれど、どのシリーズも皆仲が良く、優しいおひさまのような世界観。上記の点が気にならなければ、子どもに是非読み聞かせていきたい名作だと思う。風呂をかき混ぜないと上が熱いとか、薪をくべるとか、今の子どもにわかるんかなと思うところもまぁあるんだけど、それも教えるきっかけとしては逆にちもうどえぇかなくらいのね。

えぇと、今我が家には、
・ひっこし
・あさごはん
・おつきみ
・ぴくにっく
・さむいふゆ
・こもりうた
・とんぼいけ
・もちつき
・かぼちゃ
まで揃っている。あと3冊かな。多分ぼちぼちコンプすることになる。かぼちゃはポケット絵本で手に入れた。このサイズめちゃめちゃ良いなって思ったけど、他に出してるのがもう持ってるやつなんだよな……持ち歩きにめっちゃ良いから全シリーズ用意して欲しいなこれ。

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さて、それだけ読んでいると、段々とキャラの見分けがつくようになってくる。
ちょいちょいわからん時もあるんだけど「でもにっくんがこっちかこっちのどっちかだな……」くらいの絞り込みは可能。この子とこの子が良く一緒にいるなーとか、なんとなく仲の良い組み合わせも見えてくる。

・いっくん(長男)
みんなのお兄ちゃんにして、どちらかというと『お父さんの助手』とかの立ち位置。引っ越しの移動における夜営で、お父さんと一緒に見張り役をしたりとか。長男は家業(?)を継がねばならないのかもしれない。

・にっくん(次男)
となると、子どもたちから見た『いちばんまとめ役のお兄ちゃん』はもしかしたら彼かもしれない。下の子たちともよく遊ぶ中での最年長感。
茶色系の服を着てることが多い・力持ち・口元がきゅっと引き締まってるのでやや渋いイメージがあるけど、朝ごはんを取りに行く時にでっかいお花を帽子のように被ったり、意外とお茶目なところもある。

・さっちゃん(長女)
いっくんがお父さん見習いなら、さっちゃんはお母さん見習い的な。いかにも家庭的・女性的なお姉ちゃん。

・よっちゃん(次女)
森ガール系おねえちゃん。
大抵帽子を被っているので見分けやすい。多分さっちゃんと年齢が近いお姉さん。

・ごうくん(三男)
よっちゃんまでが中学生以上、ごうくん以下が小学生以下のイメージ。ここで年齢層がぐっと分かれる。
ごうくんは常に青いキャップを被っているのでめちゃめちゃわかりやすい。やんちゃな小学生ダンスィって感じ。なっちゃん・はっくんと3人トリオ感がある。

・ろっくん(四男)
とにかくどんくさいのがこの子。
ピクニックに行って1人川に落ちたり、かぼちゃの種を植えるのに1人だけ遅れてきたり、うっかりパンツを履いたまま風呂に入ろうとしたり、なんかもう「またお前か」感が溢れている。愛おしい。
上記は絵本の文章としてちゃんとピックアップされてるんだけど、説明がないところで静かに怪我をしたりもしている。

『ひっこし』
音もなく落ちるんじゃない。
『あさごはん』
向きが逆。表紙でも弄られるんか。
『かぼちゃ』
収穫の際、驚かされて……
……落ちたね?

ろっくんは、チェックのシャツを着てることが多い。お気に入りなのかな。
あと、なんとなくにっくんとセットのことが多い気がする。ろっくんが憧れるお兄ちゃん像なのか、あぶなっかしいからお世話係になりがちなのか。


・なっちゃん(三女)
4人姉妹の中で一番男まさりとかおてんばとか言われてそう。ごうくんの面倒を見ながら「男子ってほんとしょうがないわね!」とか言ってるタイプ(※言ってるシーンはないので、個人の感想です)。

・はっくん(五男)
ごうくんなっちゃんはっくんトリオでわんぱくに遊ぶも、なんか1人だけスリムなのがはっくん。痩せてる小柄くんで、服に『8』とか書いてたりする(必ず書いてるわけではない)。あと、星柄も割と好きだよね君。


・くんちゃん(四女)
頭にリボンがついてて、いつもお人形をだっこしてるのでめちゃめちゃわかりやすい。
多分お父さんっ子。


・とっくん(六男)
家族の中でだいぶベイビー感があるので、みんなが作業してても1人だけ遊んでることが多い。紐で引く車のおもちゃ(とっくんトラック)を愛用。多分おじいちゃんっ子。


キャラの見分けがついてくると楽しいのは、おそ松さんにハマった頃にも感じたなぁなんてしみじみする。
みんな味があって良い。可愛い。
隅から隅まで楽しめて、本当に良い絵本なんだよなぁ……。

全12巻(もう新作出ないのかしら)、揃えるの楽しみだな!

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