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私が『辻野あかり』Pになった話

おかしいなぁ、どうしてこうなったっけ。
『かわいい女の子がいっぱい出てくるゲーム』としか知らなかった1年前は、このゲームに手を出す予定はなかったはずなのに。


『友人の布教』はでかい

私の場合、事の始まりは、妊娠初期に遡る。
横になって休む事が多い妊娠初期、どうしてもスマホを片手にぼんやり遊ぶ時間は多い。
で、なんか1個アプリゲーム増やそうかなと思った。

で、じゃあ何をやろっかなって思った時に、友達が直接布教してきたのが『デレステ』だった。
正式名称で言えば、『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』。略称の取り方がなかなか独特だと思う。「シンスタ」とかじゃないんだ。
ちなみにこの『アイドルマスター』シリーズ、めちゃめちゃ種類が多い。初めてアプリをダウンロードする時「えっと、どれ???」ってなった。
先導してくれる友達がいなかったら、私は辻野あかりPにはなっていなかったかもしれない。

実際、アイマスシリーズはゲームによって登場キャラが結構違う(被ってるものもある)。とりあえず、デレステは登場キャラが180人もいるらしい。めっちゃ多い。覚えきれるかな。
でもそれだけいれば、好みの子も1人くらい見つかるだろう。
「アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ ヲ ヨロシクオネガイシマス!! アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ ヲ ヨロシクオネガイシマス!!アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ ヲ(以下略」と、正式名称を連呼する友達を思い出しながらダウンロードボタンを押した。オウムか、お前は。

世の中にこれだけ大量のゲームが出回っている昨今、ちょっと何かやろうかな……と思った時に、「あの人が好きって言ってたな……名前は知ってるぞ」は実際大きなきっかけなんだなぁと思った。
この時も、「デレステ始めたぞ」って宣言したら、先ほどのオウムちゃんがどんな奇声をあげて喜んでくれるかなとワクワクしていたのを覚えている。逆にオウムちゃんたち(デレステをプレイしてた友達、当時から何人かいる)の事が好きじゃなかったら、私がデレステを始める事はなかった。
私も「この人が好きって言ってたから、推しちゃんよく知らないけどいいイメージある」と言ってもらえるようなSNS生活を心がけるとしよう。
ファンが見せる良い人間性は、そのまま推しの布教。
これは私の座右の銘です。


デレステってすごい

そんなこんなでスタートした、ゲーム『デレステ』。
公式HPによれば、ジャンルは『アイドルリズムゲーム』
スマホでの音ゲーは今回が初めてなんだけど、まぁスマホの小さな画面で出来る事ってそこまでパターンないと思うので、基本のゲーム性自体は多分どこも似た感じなんだろうなと勝手に思ってる(全然違うわボケェ!っていう作品があればそれはそれでちょっと気になるんで教えて下さい)。

でもとりあえず、デレステ凄いなって思ったのはその演出。
基本5人一組でライブをするんだけど、配置したポジションや衣装(個々に設定可能)をしっかり反映させて、アイドルたちが鮮やかに踊る。曲ごとに、配置ごとにキャラクターの表情もくるくる変わる。かわいい。
そんでカメラワーク、ドローン使ってんのか?っていうくらい、右から左から、引きからアップまで、ぎゅんぎゅん動く。2Dのぷちイラストモードも可愛いけど、3D演出めちゃめちゃ凄いなって普通に感心した。
今時のスマホゲームってこんな凄いの?
無料の範囲で、ハードなしでこんなん出来るの???
時代の進化が凄い。「今時当たり前じゃん」って鼻で笑われそうだけど、ゲームボーイを有線の通信ケーブルで繋ぐような時代から育ってきた私からすればとんでもない進化である。ファミコンのカセットに息を吹きかけたことのない世代は黙ってろ、こっちは素直にびっくりしてるんだ。

そんでライブが始まると、そこから魔法が始まる
『立ち絵がそんなにピンと来なかった子が、ライブで3Dになって踊り出すと急に可愛く見える』みたいな子、めちゃめちゃいっぱい出てくる。あれっ、君……そんな可愛かった……???
まぁ、三次元のアイドルでもある話だよね。トークしてる所はピンときてなかったのに、歌わせたらとんでもねぇ歌姫で惚れこんだとか。逆も然り。
デレステもそう。2Dのぷちキャラから、限定のレアカードデザインから、3Dのライブから、イベント等のキャラの掛け合いトークから、ボイスから、様々な『好きになるきっかけ』を用意してくれている。
180人の中から、段々と「あっこの子わかる」が増えていく。覚えていく。キャラが分かるようになると、楽しさが増していく。

すごい。デレステすごい。



余談だけど、『妊娠中にゴロゴロしながら出来るゲーム』としてデレステを選んだの、実はちょっと失敗だった。
基本両手を使うリズムゲーは、椅子に座って、机にスマホを置いてやるのが一番いいと思う。ベッドでゴロゴロしながらやるにしても、仰向けも横向きもやりづらい。うつ伏せは当然妊婦向きではない。
妊娠中にぼーっとやるなら、片手で遊べて、ついでに途中中断がしやすい単発感があると楽だ。音ゲーは1曲が終わるまで、あまり止めたくない。結局妊娠後期一番よくプレイしたのは、更に追加ダウンロードしたトロのパズルゲームだった。デレステも続けてたけど。

とはいえ、デレステは胎教にいいなとも思った。
楽曲の豊富さ(カバー曲も多い。アニソンから童謡、演歌に至るまで結構幅広く用意されている)も耳に良いと思うけど、それ以上に登場するアイドル、全員性格がいい。

まぁ一言で性格がいいと言っても、何せ180人もの女の子たちが集結しているのだ。様々な子がいる。
ネガティブで逃げ腰の子、何をやっても不運な目にあう子、逆にとんでもない幸運の星の下にいる子、男子もびっくりな高身長の子、子どもと間違われるくらいの低身長の子、くノ一、歴女、腐女子、サンタクロース(?)、ギャル、女子高生社長、博多弁着ぐるみ芸人、ドS系女王様……並べればキリがない。『おさかな系アイドル』をトト子ちゃん以外で見る事になるとは思わなかった。
年齢層も幅広く、下は9歳から、上は31歳まで(※永遠の17歳を含む)。
年齢差別をするつもりはないが、アイドルゲームとしては割と高年齢な所まで抑えている気がする。二次元にしては珍しい。

これだけのバラエティパック、もっと喧嘩や陰口があってもおかしくないと思うのだけれど、このゲームにはびっくりするほどそれがない。
自称サイキックガールを「それのどこがサイコキネシスだ」と冷笑する子は1人もいない。訳注必須の厨二病言語を駆使されても「うーん、何言ってるかわかんないけど、多分こう言いたいのかな?」とやんわり笑顔で受け止める子しかいない。そこに嫌味はない。凄い。
どのストーリーを開いても、各々の個性が尊重されている。
そんでみんな仲良し。誰かの悩みはみんなで一緒に考える。で、ラストにはみんなで晴れ晴れとした笑顔でエンディング。
なんだここ、180人全員でプリキュアやってんのか???
圧倒的光の民。まぶしい。まじやむ。

まぁこの仲良しキラキラな空気が逆にダメって人もいるかとは思うんだけど。明るくポジティブな可愛い空間は、胎教には良い気がする。


『辻野あかり』との出会い

とりあえず、折角始めたからには『特定の推し』を見出したいなぁと思った。どの子も可愛いけど、やっぱりこのテのゲームは推しがいた方が断然楽しい。
幸いデレステは、適当にプレイしてるだけでもとりあえずアイドルは揃っていく。SSRやSRを手に入れる為にはガシャを回したりイベントをこなしたりする必要があるけど、ガシャを回す為のスタージュエルも割と頻繁に貰えるので、無課金でも案外レアデザインのアイドルが手に入ったりするのだ。

で、私がデレステを始めた頃、丁度『ススメ!シンデレラロード』というイベントをやっていた。イベントをこなせば、限定アイドルが手に入る。
手に入るキャラは、『大石泉』と『兵藤レナ』。


この『兵藤レナ』サイドのストーリー。
そこに彼女はいた。

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これから私がよろしくされる事になる少女。
名前を『辻野あかり』という。


正直なところ、この時の彼女は私から見れば『立ち位置:モブキャラ』だった。このストーリーは、勝負師アイドルの兵藤レナが、テレビ番組の企画として色んな勝負に勝ち進んでいく……というもの。
辻野あかりは、そのうちの1つ"神経衰弱"に呼ばれたという、それだけに過ぎない。全5話のストーリーの、たった1話だけの出演。正直、多分ここの役、彼女じゃなくてもよかった。誰でもよかった。
でも、その姿は妙に私の目をひいた。
なんか目を引くモブだなって思った。

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最初に、『宝石のような瞳が綺麗な子だなぁ』と思ったのを覚えている。

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表情が、くるくるとよく動く。
ついでに頭のアホ毛もぴょこぴょこ動く。かわいい。

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素直だ。かわいい。

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すっっっごい素直だ。かわいい。


とりあえず、『暫定推し』はこの子かなぁって、思った。
結局そのまま『ガチの推し』になった。


立ち絵も、2Dぷちも、3Dライブの姿も好みだった。
喋り方は、極端に特徴的すぎない方が好みだ。まぁこの子もんごんご言ってるけど、柔らかい物腰の丁寧語が基本スタイルなので、これくらいなら私の好みの範囲。
後、割とスタイルはいいのに、そこまでおっぱい推ししてこないのも良い。
セクシーなキャラも大好きだけど、個人的にはこのキラキラかわいいお嬢さんたちは健康的な推し方をしていきたい。
まだ彼女はボイス未実装なので、そこの評価は不明。

性格も、素直で良い子。
「父ちゃんとお母ちゃんの作る山形りんごを広めたい」が第一という、親孝行な子。『父ちゃん』っていう呼び方いいな。家族仲の良さを感じる。
でもちょっと一癖ある、変な子。
独特の感性に、案外したたかな所もある子。ちょいちょい雑な所もある。
だけどその一段落としてくるところ、むしろ魅力的なんだよな。
バランスが絶妙。


気が付いたら沼ってた。
どうも、辻野あかりPです。


ただ、1つ困ったのは、その後しばらく辻野あかりが全然表舞台に出てこなかった事である。
多分半年くらい、イベントも、新規SSR等の追加カードも、何もなかった。
デレステはよくログインボーナスに加えて『限定ボーナス!』みたいのをやってくれるんだけど、そこに描かれるぷちキャラにすら全然出てこなかった。

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↑こういうやつ。毎日キャラが変わる。

「限定SSR追加!」みたいなお知らせを、「このキャラこないだも追加したじゃん!!!!」「この子がメインのイベントこないだやったでしょ~~~もうちょっとローテーションしてよぉ!」って1人で地団駄踏んでた。
公式に抗議しようかと何回か考えてはやめた。それはモンペだ。
でもほんとに、こないだみたいにモブ的な立ち位置でいいから表に出してくれないと、他の人に辻野あかりの魅力に気づいてもらえない。
私は同担拒否じゃないんだ……むしろ推しは布教したい方なんだ……推させてくれ……。

直前(と言っても今もずっと被ってるけど)のメインジャンルが『おそ松さん』だった私には衝撃だった。松に関しては、基本的に新規衣装が発表されても絶対に6人分まとめて出してくるので、六つ子の誰を推そうが自動的に全員表に出てくる。
サブキャラ組を推してる人に関しては流石にその限りではないけど、私が推してるのは松野カラ松というド六つ子なので、彼の出番の少なさに困ったことは一切ない。ちなみに割と名前もないモブキャラが小ネタに拾われたりするので、サブキャラだろうと松界隈の福利厚生はかなり整えられている。
そう、『異常なほど恵まれた世界』から、急に『数少ない推しの出番を渇望する界隈』にやってきてしまった。
やばい落差で息ができない。いや、そんなん言ったらその前のメインジャンル『ぷよぷよ』だけど……私の推し遍歴、ジェットコースターか?

とりあえず、3000円くらい課金して、1枚だけ用意されていたSSR辻野あかりを手に入れてきた。実は彼女、まだ実装されてから1年くらいの新規キャラらしい。長年存在する人気キャラならSSRやSRが複数枚用意されているが、辻野あかりに関してはまだそんなに用意がない。
その金額で1枚確定スカウトできるチケットが貰えるので、ガシャを天井まで回す必要もなかった。や、そこまで重課金する勇気はないからその制度はめちゃめちゃ有難いけども。
でも、もう他に推しの為にしてやれることがない。うぐぅ。


辻野あかり、目立ち始める

公式に対するアピール(「辻野をスカウトする為に課金しました!」的な)はそれくらいしか出来なかったけど、私は幸い絵が描けるタイプの二次創作民だ。
丁度その頃、『辻野あかりワンドロ企画』さんにフォロー頂いた事もあって、彼女の絵を描く機会が増えた。同担のお友達も増えた。

さっき、
ファンが見せる良い人間性は、そのまま推しの布教。
って書いたけど、辻野あかり担の界隈、めちゃめちゃ居心地よかった。
勿論私の知らない所にやばい人もいるんだろうけど、とりあえず私が出会った辻野あかりP、全員いい人だった。
「担当ならもっと課金しないと!」とか強要する人も見なかったし、他のアイドルを悪く言う人も全然見ない。みんな無理のない範囲で、自由に推しを愛して、他担当の推しも含めて褒め合ってる。
なんだなんだ、お前らもプリキュアの民か。
すごい平和な界隈だなって思った。良い。

居心地の良さを楽しんで長湯していた所に、大きなイベントが起こった。
『ボイスアイドルオーディション』の開催である。

さっきもちょっと触れたけど、辻野あかりを含め、デレステはボイス未実装の子が結構たくさんいる。一度ボイスが決まればその後はフルボイスで楽しめるし、キャラソンも作ってもらえるけど、その枠は実に少ない。
今回ボイスをつけてもらえるのは、オーディション投票の上位3名
しかも、このオーディション、約5年振りとのこと。地味にえぐい。せめて毎年やってほしい。これ、私がデレステスタートしたのが翌年からとかだったらちょっと泣いてる。

我々は奮起した。
基本はログインボーナス・イベントクリア・課金の3つで投票権が手に入る。Twitterでの投票権交換の呼びかけ(※ボイスの他に、全アイドルの中の人気投票となる『シンデレラガール総選挙』が同時開催されていた。なので「総選挙はそっちの推しに入れるからボイスはこっちにくれ」みたいなのが成り立った)、アンケート機能で入れてもらったアイドルに投票します企画等、毎日各所で盛り上がりを見せていた。

そんな中、ここでも「担当だからって無理して課金せずに、やりやすいように推してね」って呼びかけをしてくれてる人もいた。何人かいた。
5年越しのボイス獲得のチャンス、しかも枠の少ない椅子取りゲームで、みんなそれなりに必死な筈なのに。そこにあるのは殺伐とした戦争の空気じゃなくて、みんなでワイワイ楽しむ文化祭的な空気だった。

やっぱり居心地がいいぞ、この界隈。


さて、投票期間が過ぎ、結果発表。
5月21日。


結果的に、辻野あかりはボイスアイドルオーディションを、


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なんと1位で通過した


めちゃめちゃびっくりした。
私のTLでは彼女を推す人で溢れてるけど、よそのTLでは他のアイドルを推す人で溢れている事は想像に難くない。しかも彼女は新参組だ。加えて、上記の通り、ここ半年で彼女の姿はあまり表舞台に立たなかったはずだ。
正確には、何故かこのオーディションの話が出た頃に突然辻野あかりメインのイベントが1回開催されたので、宣伝的な時期は担当的には完璧だったけれど、とはいえって感じだ。
それがまさかの1位。この投票権、無課金の私だけでも800票くらいは入れられる仕組みになってるんだけど(なので複数のアイドルへの投票も全然可能)、それにしたって2200万票。
余談だけど、シンデレラガール総選挙の方も35位だった。これもかなり上位の方に入る。凄い。凄いぞ辻野あかり。
もうこれは、二次元の1キャラクターとかではない。
紛れもなく、1人のアイドルである。


結果発表、普通に涙ぐんでしまった。
推しが、推しがこんなにも輝いている。
尊い……。


今日も彼女は長い髪をなびかせて、きらきらの笑顔で踊る。
最近、とうとう新たなSSRが実装された。三つ編み+水着で、でもやっぱり健康的なかわいらしさで推してくれている。めちゃめちゃかわいい。
予告日と実装日、Twitterのトレンドにそれぞれ『あかりんご』が入っていた。りんご推しの彼女につけられたあだ名である。
どんどん、彼女が躍進していく。嬉しい。

次はどんな活躍を見せてくれるだろう。
楽しみだ。 🍎✨

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