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輝く未来のためのラーメンビジネス

緊急事態宣言が解除されましたね。
だからといって飲食店をめぐる状況がただちに元通りになるわけではなく、これまでとは違った飲食店の在り方になっていくわけで。

コロナ以降急増したテイクアウトでの展開は一時のピークは過ぎたでしょうが、生活習慣のひとつとして定着もしたでしょう。
通販でわざわざお取り寄せする際の心理的なハードルも相当下がったのではないでしょうか。

ソーシャルディスタンスも1メートルよりは短くはなるでしょうが、今までのような詰め詰めの距離感に戻るには数年はかかるかもしれません。
赤の他人の飛沫に対する生理的な嫌悪感も固定化された感があります。

時間に余裕が出てから家庭で料理する機会も増え、今まで店でしか食べられなかった料理でも、たいていのものはちょっと頑張れば自作できることもわかってしまいました。

となると、やはり今後は飲食店への来店頻度は下がると思います。

ただ、頻度が下がるからといって飲食店の必要性が下がるかというとそうとは限らない。

むしろ、外食という今までなんの気も無しに行っていた行為が、より大切に、より切実になってくるのでは。

家庭で凝った料理を作るほど、楽しさと同じくらいしんどさや割に合わない徒労感も覚えます。

家庭とは切り離された生活感の希薄な空間で、味わうことに集中することも美味しさのひとつであることも改めて実感しました。

外食の頻度は下がったからこそ、外食の意義はこれまで以上に高まったはず。

家庭の台所にはまず置けない設備で、一日数回ペースの自炊ではまず会得できない技術で、その人以外まず思いつかないようなアイデアを形にした料理を、飲食に特化した空間で食べる。
飲食店の存在意義って突き詰めるとそういうことだと考えています。

そう考えると、ラーメンってやっぱ一番外食向きの料理なんじゃないかと。

家庭用のコンロに寸胴鍋はサイズも火力も合わないし家庭用の換気扇では対応できないような匂いもでますし、何時間もかかるスープ作りで台所に居座るのもご家族には煙たがれるでしょう。

一度に最低10杯分は作らないとラーメン屋レベルの味は出しづらいので、数日間続けて飽きるほど食べたり冷凍庫も専有したりという、自炊ならではの非効率性もあります。

何より食を本業とする、一日中食について考え続けられる人間でなければ出せないアイデアがあります。

(無論ごく一部の素晴らしき変態さま方は除きます)

というわけで、コロナ禍完全収束後の飲食店、特にラーメン屋の未来は実は意外と明るいのではないかと期待しております。

なお完全収束までまだまだ続くであろうコロナ禍を経営的にどう乗り切っていくかについてはいまいち妙案が浮かびませんので、それまではどうか暖かい御心で地道に買い支えて下さればと切実に思う次第です。

店主の勉強代になります。何かしらのカタチで還元できると思いますので魔が差したらサポートおねがいします。