つぶやき:ランチェスター戦略の限界?
今日は有名なランチェスター戦略について、最近考えていることを書きます。
結論を書くと、弱者と戦うにしても、強者と戦うにしても、これまでと事業のやり方を変える必要があるのではないか、というはなしです。
ランチェスター戦略について、超ざっくり書くと、戦争での戦略論をビジネスに応用したもので、シェア1位の企業は強者、それ以外の企業は弱者であり、それぞれに適した戦い方がある、という考え方です。
いくつかある弱者の戦略の1つが「弱者は強者に敵わないので、さらに弱者である足下の敵を攻撃するべき」というものであり、今日はこれについて書いていきます。
弱者は強者に敵わない、という考え方の根底にあるのは、規模の経済だと思われます。シェアが高い=販売数が多い=大量生産でコストが安くなり、価格で優位に立てる、という考え方です。
よって、自分よりもシェアの高い企業ではなく、価格で優位に立てるシェアの低い企業を攻撃し、確実にシェアを伸ばすことを目指す、というのが先程の弱者の戦略となります。
ところが、実際の市場を見てみると、シェアが低い会社の方が、安く商品を販売している事があります。私がいる家電業界でも、シェアの高い大手メーカーより、新興のファブレスメーカーの方が価格安い、という事が起きています。
このような事態になっている理由は、同じカテゴリーの商品を扱っていても、業態が自社とは異なるからです。先程の家電メーカーの例で言えば、自社で投資、開発、生産を行うメーカーと、委託開発、生産を行うファブレスメーカーでは、お金の流れが全く異なります。また、インターネットによって、D2C企業のような業態が異なる企業が同じ市場にいる、というケースも増えています。
このような場合、足下の敵に同じような商品をぶつけても価格で勝てませんし、差別化された独自商品を出しても、価格差が広がりシェアを奪えません・・・
従って、自社も業態を変えたり、ルールを変えてゲームチェンジを目論んだり、少なくとも今までとは違うやり方を探るしかない、と考えています。例えば、家電であれば、通常本体を購入して終わりですが、それを本体は無料配布して定期購入する何かで稼ぐ形に変える、などです(これが良いかはわかりませんが例として)。
しかし、この考え方は、もう1つの弱者の戦略である「強者と戦う時には陽動戦や奇襲攻撃で戦い、正面から戦わない」という考え方に近くなります。相手が思いもしない商品展開で裏をかき、通常の攻撃では敵わない強者にダメージを与えるわけです。
つまり、弱者と戦うにしても、強者と戦うにしても、これまでと事業のやり方を変える必要が出てきているのだと考えています。商品を磨くだけでは限界があるでしょう。確かに、会社全体の事業形態を変えるのは難しいと思います。しかし、シェアを奪いたいなら、ライバルの事業展開を分析した上で、当該事業だけでもやり方を変えないと大きな成果は得られないでしょう。
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