見出し画像

ヒットの手がかり:持ち運びを考える

今日もご覧いただきありがとうございます。
商品がヒットした要因を独自に分析、その中から一つを、”ヒットのヒント”として解説します。
今日は先日のカンブリア宮殿で取り上げられていた「ケンマ」と「アイオン」のコラボレーション商品、STTA筒型を見ていきたいと思います。
(トップ画像引用元:https://item.rakuten.co.jp/aion/ai-0157/

STTAについて

STTAはデザイン事務所の「ケンマ」と、吸水スポンジメーカーの「アイオン」の協業によって開発された筒型タオルです。アイオンの吸水スポンジはキメが細かく、様々な分野の生産用の機械で使われる程高い吸水性を持っているものでした。車好きの方であれば洗車後の水滴を拭き取る「プラスセーヌ」をご存知かもしれませんね(私も使っています)。その材質の特徴を活かし、ケンマが民生用にデザイン、プロデュースしたのがSUTTAです。

アイオンのプラスセーヌ。この他産業分野でも同社の吸水スポンジが使われている。
(画像引用元:https://www.aion-kk.co.jp/products_kurashi/category/carcare/wipe/)

高い吸水性から人気が出て、販売開始から1週間で完売。その後も、入荷しては直ぐに完売を繰り返したそうです。そんなSTTAを今日は見ていきたいと思います。

ヒットの手がかり:持ち運びを考える

STTAは主に持ち運びをメインにした商品です。本商品のヒット理由について考察を進める中で「果たして既存のタオルは持ち運びに向いていないのだろうか」という疑問が出てきました。持ち運びに関して言えば、既存のタオルも折り畳みができるので、決して悪くはありません。
しかし、STTAと既存のタオルの持ち運びにおける最大の違いは、直ぐに乾くという部分にあります。STTAはタオルのように干さなくても、絞るだけで持ち運べるレベルに乾くということです。

絞ると鞄に入れられるほどサラサラに。
(画像引用元:https://item.rakuten.co.jp/aion/ai-0157/)

これは、大きさや重さといった、持ち運びを考える際に良く思いつく直接的なものではなく、その前提になる部分です。持ち運びに対し広い範囲でアプローチし、尚且つそれを素材の特徴で解決しているのが、商品の強みと言えるでしょう。

使わない時間を考えるの派生

すぐ乾く、という特徴は使用時ではなく、それ以外のタイミングで重要になる特徴です。その点では先般紹介したパキットの「使わない時間を考える」の派生と言えるでしょう。

新商品を考えるとき、使用する時の機能を考えがちですが、むしろ使わない時のことを考えるのも、新しい視点になります。同じカテゴリーの商品だと機能は似通ったものになりますが、使わない時間であれば、様々なアプローチがあり、差別化にも繋がりそうです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?