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カンブリア宮殿から:飯尾醸造

今日もご覧いただきありがとうございます。

私が欠かさず見ているテレビ番組の一つにテレビ東京の「カンブリア宮殿」があります。番組を見るのと合わせて、マーケティングの分析を簡単に行っています。今回は先般の放送で取り上げられた「飯尾醸造」について、書いていこうと思います。飯尾醸造は1893年に創業した老舗のお酢醸造メーカーです。業績が低迷していましたが、5代目にあたる飯尾彰浩社長により、V字回復、約4億の売上があるそうです。

飯尾醸造が成功した理由

飯尾醸造の成功の理由には、まず、「ツーンとしないお酢」の開発が挙げられます。これは先代社長からの願いとのことで、飯尾社長はわざわざ大学でお酢の研究まで行い、この課題に取り組んでいます。結果的に大学在学中に解決出来なかったものの、家業を継いでからもこの課題に向き合い、見事解決されています。「ツーンとしないお酢」の開発がどれだけ難しいかがわかりますし、他社が持たない独自資源に繋がっています。例えば、一時期CMを良くやっていた「美酢」は飲みやすいお酢ですが、果物のフレーバーをつけていて、料理には使えず、代替品とはなりません。
成功理由の2つ目として、特化型の商品ラインナップ展開が挙げられます。料理においてお酢は調味料であり、用途に応じて他の醤油や砂糖といった調味料と合わせて使います。そのため、基本的には一家に一種類のお酢があれば十分です。しかし、飯尾醸造では、「すき焼き用」や酢漬けに適した「ピクルス用」、餃子などの「中華料理用」など特化した商品を販売しています。これにより、お酢を一家に一種類から、複数種類置かれる存在に変え、購買のボリュームを増やしています。これらはニッチ商品なので、大手メーカーの参入可能性が低くなります。小さな会社の規模も活かした見事な戦略です。

その他感想など

プロに認められながらも、どこでも売っているわけではない商品なので、「幻の酢」のようなプロモーションが出来るのではないかと思いました。もしくは、期間限定商品も購買頻度を高めるのに良さそうです。先代から託された課題に向き合い解決した、酢が様々な用途に使えるのが強いですね。独自資源を作るには時間がかかるものの、実現出来れば大きな強みになるのがわかる良い例と言えそうです。

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