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ヒットの手がかり:カッコいい人に伝えてもらう

今日もご覧いただきありがとうございます。
商品がヒットした要因を独自に分析、その中から一つを、”ヒットのヒント”として解説します。
今日はメンズ日傘、特に株式会社ワールドパーティーの「IZA(イーザ)」シリーズを見ていきたいと思います。(トップ画像引用元:https://www.wpc-store.com/c/iza

ヒット商品がヒットした要因は様々あると思います。自分はこう考える、これは違うのでは?など意見がありましたら、ぜひコメントに残していただければと思います。皆様のコメントによって、より多角的な分析に繋がればと思います。

メンズ日傘IZAシリーズについて

今更ではありますが、日経Xトレンドの「2023年ヒット商品ランキング」の14位にメンズ日傘がランクインしています。株式会社ワールドパーティーの商品だけで、約40万本の売上があったそうです。

同社はいくつかの傘のブランドを持ちますが、IZAシリーズが属する「Wpc.」ブランドは元々ヤングレディス向けのブランドで、最近男性向けの商品を拡充しているそうです。
IZAシリーズの日傘は、100%UVカットの遮光素材に、超撥水加工を施した折りたたみ傘で、日傘としてだけでなく、雨の時にも使える傘になっています。この普通の傘として使える点も、男性の日傘デビューの敷居を下げています。

ヒットの手がかり:カッコいい人に伝えてもらう

さて、今回の「カッコいい人に伝えてもらう」ですが、ターゲットととなる消費者に合致した人に広告等になってもらう、というごく当たり前のことです。「IZAシリーズ」では岡田将生さんをイメージキャラクターに起用して販促を行っています。
しかし、日傘の市場においては、有名人を起用したメーカーは私が調べたところ他にはありませんでした。例えば、傘のメーカーとして老舗の「株式会社アセント」でもメンズ日傘の取り扱いがあり、男性モデルを使った商品画像が並びますが、有名人を起用してまでの販促はありません。

アセント社のメンズ日傘の一例
(画像引用元:https://item.rakuten.co.jp/ascente/2022almens/?iasid=07rpp_10095___ei-lwdlwqbc-fl-d66ce64f-f40d-4f5c-ac36-41e49addd0d6)

これは、傘自体の単価が低く(IZAシリーズの場合¥3,500~¥5,000くらい)、ブランドによって選好が大きく分かれない最寄品に近いので、各社ともコストメリットの創出や広い販路を確保することに集中した結果、自然と言えるでしょう。
しかし、メンズ日傘と、通常の傘では、普及率が大きく違います。メンズ日傘はご存じの通り、まだまだ普及し始めた段階です。
温暖化もあり、自然とメンズ日傘のユーザーは増えるものと思われます。しかし、それだけでは、他メーカーとの背比べの中で、価格や入手しやすさで購入されるだけで、これまでの傘と変わりません。老舗メーカーや現在シェアを持っているメーカーが有利でしょう。
そこで、効果を発揮するのが、有名人の起用です。岡田将生さんのような俳優の起用は、男性だけでなく、女性へのアプローチに繋がります。特に日傘については、女性間の普及率が高く、すでにメリットを理解しています。その女性にアプローチすることで、彼女から彼へのプレゼント、という購買に繋がる可能性があります(なお、IZAシリーズにはユニセックス商品として販売されているものもあるので、彼が使わなかった場合には彼女自身が使う保険もかけられます)。

シンプルなデザイン故、男女兼用で使っている人も
(引用元:https://www.wpc-store.com/c/iza/za007)

また、有名人の起用により、各方面へのリリースも増え、メディアへの露出も増えることでしょう。実際に、冒頭のランキングの中でも、「メンズ日傘」というくくりの中ながら、「ワールドパーティー」という名前がしっかり出てきています。
自然と市場の成長が見込まれる中でも、積極的な販促で購買を喚起する。この点が、他メーカーとワールドパーティーのメンズ日傘の差になっていると考えられます。

リリースによる話題づくり

商品が日傘のように単純なものでも、話題になるようなリリースを作れれば、メディアや各所で取り上げられる可能性は高くなります。
調べてみると、元々同社はこのようなコラボレーションに積極的のようです。アウトドア用品ブランドの「KiU」では、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「GREENROOM FESTIVAL」といった野外フェスティバルに協賛しており、他にもロックミュージシャンとのコラボレーション企画を行っているそうです。企業として、リリースによる話題作りに力を入れているのだと思います。
同社のリリースから話題の広がり方に注目してみるのも、面白いかもしれません。

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