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外出自粛映画野郎「大海獣〔前後編〕」

「ゲゲゲの鬼太郎」第6期のテレビアニメシリーズが先月完結しました。

鬼太郎好きな私ですが、これまでのシリーズは全回を観てはおらず、食い散らかしていました。でも今回は初めて全エピソードをオンタイムで観るという快挙?を成し遂げました。

今回のアニメ版は、原作のテイストを残しつつも、うまく現代風にアダプトとしてあって見応えがありました。いまの世の中でクラシックなスタイルの妖怪物をやるのはけっこう難しいと思うんですが、わりとうまく出来ていましたね。あと、ねこ娘が可愛くてよかった

でも、シリーズが完結したところで、大きな不満を述べたいと思います。

なんで「大海獣」がなかったんだ!

「大海獣」については、ずっと前にもこんなことを書きましたが【こんなことはこちら】私が鬼太郎ものの中でも5本の指に入るほど好きなエピソードです。

過去のシリーズでは、第1期(1968年)と第3期(1987年)でアニメ化され、第4期では劇場映画版として製作され1996年7月6日に公開されています(ストーリーは変更されています)

これがその1996年の劇場版。ストーリーは大幅に変更されているとか(未見です)

ところで、前にも書いたとおり、私が「大海獣」を好きなのは、終盤に登場する搭乗型巨大ロボット「鉄の大海獣」の存在があるからなんですが、なんと第3期と劇場版の「大海獣」には「鉄の大海獣」が登場しません。それじゃダメじゃん(笑)

というわけで第6期に「大海獣」が不在だった不満を解消すべく、こんなものを引っ張り出してきました。

2006年に発売された、第1期の11枚組BOX。高かったなぁ。でも持ってるのは秘かに自慢。

じつはアニメ版に「鉄の大海獣」が登場するのは、このシリーズの「大海獣」のみなのです。ありがたいなぁ。

ひさびさに見直してみると、いやほとんど原作どおりなんですね。もちろん細部はいろいろ変えられてますが。

ラストの原爆投下まで原作そのままなのは、令和の現代ではちょっと考えにくいですねえ。それと、ニューギニアで探検隊を襲ってくる原住民の描写(原作にはない)も、現代ではNGですよね、たぶん。

いっぽうで、大海獣襲来のさなかにも必死で責任逃れをする大臣など、いまでもばっちり通用する皮肉も効いています。

銀座の街を闊歩破壊する大海獣の姿は「シン・ゴジラ」真っ青の迫力(言い過ぎ) ついでにいえば、銀座の風景はけっこう写実的だったりして、ちょっと驚いたりして。

前後編あわせて正味で1時間弱なのに、けっこう怪獣映画を1本観た気分にさせてくれました。

どうでしょう、ひとつ第6期のスペシャル版として「大海獣」劇場版でも作ってみては。視聴率悪くなかったというし、あんがいヒットするかも。

「ゲゲゲの鬼太郎」第1期(1968年1月3日 - 1969年3月30日、全65回)
  第5話(1968年1月31日)「大海獣・前編」
  第6話(1968年2月7日)「大海獣・後編」

ちなみに、このモノクロ版「大海獣」はテレビ放送後に再編集されて劇場公開されています。1968年7月21日の公開でタイトルは「ゲゲゲの鬼太郎」だったようですが、フィルムが失われているとかで今では観ることができません。あの名作「太陽の王子ホルスの大冒険」と同時上映だったそうです。

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