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太宰府ぶらり

小学生のころに一度だけ行ったきりの九州に、じつに半世紀ぶりくらいで上陸しました。羽田から空路で約2時間。

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福岡は初めてです。博多のホテルに入ると、一休みしてすぐに今回の主目的であるこちらへ。電車でおよそ40分ほどの移動です。

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佐賀県の鳥栖にある駅前スタジアム。Jリーグのサガン鳥栖のホームへ、わが川崎フロンターレが乗り込むので応援参戦。今年3度目のアウェイ遠征でした。

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試合はスコアレスドローの痛み分け。まぁそんな日もありますから。

せっかく福岡まで来てこれだけで帰るのはもったいないので、翌日は観光。さてどこに行こうかと考えましたが、同行の息子の行く末も考えて、まずは学問の神様をまつる太宰府天満宮にお参りしましょうということに。

調べたら、大宰府って福岡市内じゃないんですね。宿泊していた博多から天神に地下鉄で移動して、そこからは西鉄です。

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西鉄って、子どものころから名前は知ってましたが、乗るのは初めて。何で知っていたかというと、当時は西鉄ライオンズというプロ野球球団があったからですね。1972年まで存在していて、その後太平洋クラブやクラウンライターに親会社が変わり、1979年に埼玉へ移転して西武ライオンズになるまで、福岡といえばライオンズでした。

考えてみれば、福岡に縁もゆかりもなく、行ったことすらなかった子どもの私でも「西鉄」という名前だけは知っていたんだから、プロ野球球団の知名度というか宣伝力ってのは、大したものなんですね。

ということで西鉄ライオンズ消滅から半世紀ほどを経て、初めて西鉄の車両に乗ったんだから、まぁちょっと感無量というか。

天神から二日市駅を経て西鉄太宰府戦で太宰府駅へ。

太宰府線っていうのは、ほぼ太宰府天満宮へ行くためだけの路線のようです。こっちでいうと京急の大師線みたいなもんかな。車両もスペシャルでした。

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ここで正直に申し上げます。

太宰府天満宮を舐めてました。すみません。

午前中に大宰府を見学し終えて、昼食は天神あたりに戻ってと、ぼんやりと計画していました。神社にお参りするなんて、そんなに時間かからんだろ

とんでもない、太宰府天満宮は敷地も広いし、見どころもたくさん。天満宮周囲の遺跡(これはちょっと見たかった)もふくめて、とてもじゃないけど回り切れません。

たとえば、これ。

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菅原道真公ゆかりの動物が牛であることは知っていたし、この牛にあやかれば健康長寿に恵まれるとか思っていましたが、まさかその神牛が境内に12体もいらっしゃるとは知りませんでした!

太宰府天満宮恐るべし

本殿の裏のほうにある菅公歴史館は、道真公の生涯を博多人形のジオラマで展示してある施設ですが(ほとんど人がいなかった)そこにあったこんなものが目を惹きました。

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元寇のときの蒙古船が使っていた「碇石」だそうです。海底から引き揚げられたものだとか。歴史のリアリティを感じますね。

神牛の他にも麒麟の像があったり(重要文化財だとか)、筆や包丁を祭った石碑があったりと、次々に面白げなものが出現します。あげくには遊園地まであった!

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まさにテーマパーク並みの面白さ

なかで私の目を惹いたのが、これ。

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相撲の開祖である野見宿禰の顕彰碑。同趣旨のものは各地にあるんですが、太宰府天満宮にもあるとは知りませんでした。この碑の建設には、あの角聖・双葉山も関わったとか。ちなみに碑の前にあるのは江戸時代に力比べに使われた力石だそうです。

で、なんでここに野見宿禰の碑がと思ったら、菅原道真公は野見宿禰の子孫だという言い伝えがあるんですね。

それゆえか、境内にあったこの石灯篭は「東京大相撲協会」の寄贈によるものでした。

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東京大相撲協会は、現在の日本相撲協会の前身である大日本相撲協会が東西合併により誕生する以前の東京相撲の組織です。決して東京大学相撲部の組織ではありません(笑)

現在でも大相撲の伊勢ヶ浜部屋は九州場所の際には太宰府天満宮の境内に宿舎を構えるそうですし、やっぱり相撲とは縁が深いんですね。

大宰府天満宮に隣接して九州国立博物館もあります、ていうか、天満軍の敷地を提供してもらって建設したものなんですね。立派な博物館です。

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行ってみるまで知りませんでしたが、ちょうど特別展「北斎」が開催されていました。これはラッキーと、さっそく入館。なかなか見ごたえのある展示でしたが、目玉はこの「日新除魔図」全作公開です。

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北斎が、83歳から厄除けのために1日1枚、毎日描き続けた画です。

全219枚は圧巻でした。今ふうにいえばブログかインスタのような感じなんでしょうね。毎日といいながら、日付けが飛んでいたり、何日分かが一点にまとまっていたり、昨日はサボったなどと添え書きされているのがあったりと、北斎の人間臭さが感じられます。

従来は個人蔵だったので公開されず、それが九州国立博物館に寄贈されたのを記念しての今回の特別展だそうで、今後もここ以外では公開しないとか。貴重な機会だったんですね。

お約束なので自分の誕生日の分を確認しときました。

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そんなこんなで、すっかり半日がかり。境内にあった食事処で遅い昼食をすませて、あとは撤収。

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けっきょく天神に戻ったのはもう夕方。福岡市内の観光は、中洲もドームも冷泉公園もあきらめて、帰路の空港へ。市内観光はまたの機会にですね。

地下鉄駅の構内でやたらと貼ってあったのが、こちらのエスカレーターマナー啓発のポスター。

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福岡市交通局、なかなかやりますな


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