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ドロボー映画

毎度おなじみのウィキペディア(英語)を見ていたら、「heist film」なる項目がありました。「強盗映画」とか「強奪映画」とか訳すことがありますが、小説だと「ケイパーもの」みたいな呼び方もします。

ま、要するに、強盗事件をめぐるアクションとかサスペンス映画を指すことばです。とはいえ、かなりユルイ規定だと思うので今回は「ドロボー映画」と造語でまとめてみましたが、いかがでしょうか。

こんなサブジャンルまでカバーしているウィキペディアに感心しつつ、中を拝見すると、長大な作品リストがありました。さっそく拝借してみました(じつはウィキにはよくあることですが、リストなどは頻繁に更改されます。今回のも何度か内容が変わっているので、数度チェックしたものを統合してみました)

ドロボー

見るだけでウンザリ、いやワクワクするリストだけど、アレレこれはちょっと異議ありだぞ。

もともとの字義を考えると、やはり中心には「強盗」が欲しいんですが、そうでないものが多く含まれているじゃないですか。

たとえば「スティング」は強盗じゃなくて詐欺、「バニシング in 60"」は自動車泥棒でしょうが……まあそのへんは解釈の違いですかね。日本映画を代表してチョイスされているのが「ルパン三世」というのもちょっと違う感が漂いますが。

いっぽうで、戦争映画にくくられがちな「戦略大作戦」や、時代ドラマに見られがちな「大列車強盗」が入っているのは上出来でしょう。

で、こういうリストの常として、これ入ってないじゃんというのがいくつもあるので、リスト外のドロボー映画を思いつくままに列挙してみましょう。

小説のケイパーものでは代表格の「悪党パーカー」シリーズの映画化が無視されているのはどういうわけでしょう。同じ著者の「不幸な泥棒ドートマンダー」シリーズは最高作の「ホット・ロック」がチョイスされているのに。悪党パーカーの映画は何本もありますが「ポイント・ブランク」「汚れた七人」「ペイバック」そして最新版の「パーカー」あたりはリスト入りしてもいいはず詳しくはこちらを

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「ルパン三世」をはじめとした、怪盗を主人公にしたものは何本か入ってますが、ならばその代表作のひとつである「ピンク・パンサー」シリーズが入っていないのはなぜですか。シリーズの後半は完全に別ジャンルになってますが(呼び方も「クルーゾー警部シリーズ」になっちゃう)少なくとも最初の「ピンクの豹」「ピンク・パンサー2」はまぎれもないドロボー映画でしょう。

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日本でこのジャンルの話をするときに必ずといっていいほど挙げられる「黄金の七人」や、私が最初にこのジャンルに引き込まれたきっかけである「紳士同盟」も入っていないようですね。どちらも正統派の強盗ものなのに。どうも国籍がイタリアやイギリスといった(アメリカから見て)外国映画に冷たいようですねえ。ま、アメリカ版ウィキだから仕方ないか。

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キリがなさそうです。まあそれだけドロボー映画は数が多いということでしょうね。ほれ「浜の真砂(まさご)は尽きるとも 世に盗人の種は尽きまじ」ということで。

ちなみにリスト中で邦題がないものは日本未公開、ソフト未発売、テレビ未放送のもの。ああ、海外ソフトがあったら「未公開映画劇場」で見てみようかな。ちなみのこのうちの「Jewel Thief」(1967年)と「Minchina Ota」(1980年)はインド映画だそうです。そうか、インドにもドロボーはいるんだな(当たり前だろ)

では最後の、私が考える最高のドロボー映画をご紹介しましょう。

世界最大の強盗を企てた大富豪が実行する大規模な計画と、その顛末を描く名作にして大ヒット作です。

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[007/ゴールドフィンガー」こそが史上最大のドロボー映画であることは間違いのないところ(個人の意見です)

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