外出自粛映画野郎「ブレージングサドル」
先週、「サブウェイ・パニック」を私のオールタイムベストのひとつだと書きましたが、この「ブレージングサドル」は我がベスト中のベストであります。
1974年の作品ですが、日本公開は1976年の2月。なんで2年も寝かされていたかは知りませんが、この前年に公開されていた次作の「ヤング・フランケンシュタイン」がヒットしたので、おクラいりを免れたってことなんでしょう。
おかげで、私はこの作品とめぐりあったわけです。
1976年の春休み、当時高校生だった私は友人たちと語らって、大ヒット中だった「ジョーズ」を観にいきました。青春だねえ。
で、その劇場でかかっていた予告編のひとつが「ブレージングサドル」だったのです。私が一発でまいったのは、予告にあったこのシーン。
このバカバカしさに一発でノックアウトされたのです。
公開になるやただちに映画館に駆けつけたのですが、私の趣味に同感する友人はおらず、ひとりで見にいってバカ笑いしたもんです。
その後名画座などにかかるたびに観に行ったし、ビデオソフト時代になるとさっそく入手して、ちょくちょく観ています。いままでに何十回観たことか、もはやわかりません。そして、観るたびに爆笑しているんですよ。
ただ、「ブレージングサドル」はワーナー映画だったので、その後ビデオソフトの時代になっても、なかなか国内発売になりませんでした。当時の日本ワーナーの方針とかで、国内版はレンタルのみとかいう時期があったせいです。
おかげで私は、サントラ盤LPの輸入販売店だったすみやを通して、アメリカ版のソフトを輸入購買したもんです。高かったなぁ。
このとき輸入したのはレーザーディスク。もちろんのちにDVDでもブルーレイでも買いました。たしかサントラ盤も持っていたかと。
そうそう、私がこの映画にシビれた理由のひとつが、勇壮なる主題歌。歌っているのは「OK牧場の決闘」や「ローハイド」でおなじみのフランキー・レイン。そりゃあ、この人の歌でないとねぇ。ちなみに私、いまでも歌詞を覚えていて、そらで歌えたりします。
と、本編とあんまりカンケイない話に終始しましたが、お察しください。
前にも書きましたけど、この映画の面白さは、とてもじゃないけど文章では表現できないのです。まあコメディのギャグの面白さを文章で伝えようなんて、そもそも無理ですからね。
そんな映画を作り上げたメル・ブルックス監督に対する賛辞はいくら書いても書き足りないのですが、まあ以前にこんなのも書いてますから、それでご勘弁を。 → 【メル・ブルックス・ワンマンショー】
ひとつだけ、今回やたらに受けたのが、メル・ブルックス監督が自ら演じた州知事殿。まったくの無能で取り巻きの言いなり、ハーヴェイ・コーマン演じる検事総長にいいように操られるんだけど、その天然ぶりを見ていると、某国首相の顔がやたら思い出されたのは内緒(笑) まさかリアルにあんなじゃないでしょうね。
あとはちょっと余談。
悪党側に、スリム・ピケンズやバートン・ギリアムといったウェスタンの名傍役を配しているあたりが、さすがにメル・ブルックスなんだよなぁ。
一人置いて、左からピケンズ、ハーヴェイ・コーマン、ギリアムの悪党トリオでございます。
そうそう、脚本陣の中にリチャード・プライヤーの名前があるけど、ギャグライター的な存在だったのかな。のちにはコメディ俳優として主演級にのしあがって「スーパーマン3/電子の要塞 」あたりではかなりの地位を築いたんですが、当時はまだ名前が売れる前で、このへんの目の着けどころもさすがにメル・ブルックスだよね。
プライヤーは早逝してしまったけど(2005年没)、メル御大はいまだご健在。ご長寿なによりであります。
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