マガジンのカバー画像

【小説】Lonely葉奈with学

15
小説『Lonely葉奈with学』の一覧です。全15話、2023年5月16日完結済です。
運営しているクリエイター

記事一覧

【小説】lonely葉奈with学1

 葉奈と書いてパナと葉奈の両親が名付けたのは別にふざけたわけではなくて二人してああでもな…

【小説】Lonely葉奈with学2

 あたしあれやりたい、と葉奈は虫除けスプレー、除菌スプレー、替えのマスク、日焼け止めクリ…

【小説】Lonely葉奈with学3

 厳冬盛夏は別として晴れた日ならばベンチがあればじゅうぶんだった。各々読みかけの本とおに…

【小説】Lonely葉奈with学4

 ロフトで葉奈がこのようになっていた時、下で、学は『あつまれ動物の森』をやっていた。  …

【小説】Lonely葉奈with学5

——という一幕を経たは経たものの、結局その日の夜には葉奈は全部を学に打ち明けることになっ…

【小説】Lonely葉奈with学6

 予定が空いて葉奈は、学と二人でベンチ巡り公園巡りでもできれば良かったが、特に東京などは…

【小説】Lonely葉奈with学7

 コーポ。  端くれとはいえ二十三区内で家賃が三万円台となれば、まあこんなものなのだろう。築四十年木造、七畳一間に四畳のロフトがついている。水道がある。ユニットバスがある。コンセントもいくつかある。電気が引かれている。屋根があり、薄いとは言え隣の部屋との間には壁も存在する。小高い丘の中腹あたりにコーポはあるが、丘に入っていく道は急な坂でセダンはもちろん軽自動車でも通れない、バイクならかろうじて通れはするがバイク同士であっても一部すれ違いができないような細道だから住民や住民に直

【小説】Lonely葉奈with学8

 感染予防に努めると互いに誓いを立ててからそろそろ半年が過ぎようかという時期で、この頃に…

【小説】Lonely葉奈with学9

 しかし結局葉奈はロフトの下に向けて何千通ものメールを送りつけながら更に半年近くロフトに…

【小説】Lonely葉奈with学10

   茶番である。    と学には分かっていた。  犬なんて本気で殺すわけがないし、天井を突…

【小説】Lonely葉奈with学11

・友人知人親族との接触については原則NG、都度相談し合って正当な理由があると認められる場…

【小説】Lonely葉奈with学12

 すると学は座椅子に座って、俯いて、自分の携帯を見つめたまま無反応で、葉奈の方を見向こう…

【小説】Lonely葉奈with学13

「やっぱり、白川さんの仕事断るね。飲むって話もやめにするね」 「は? なんで?」 「こんな…

【小説】Lonely葉奈with学14

 コーポは丘の中腹にある。  この丘を一番高いところまで登り切ってから左に折れて私道だか公道だか判然としない藪の小道を一分ほど歩くと崖の突端に直面し、視界が一気に広がって、和光市の平野と荒川の向こうに川口市のビル群を見晴らせる。絶景とも行かないが、歩いて五分で見ることのできる景色としてはじゅうぶん贅沢ではある。もしかしたらこれは崖ではなく、坂と言うのが正確なのかも知れないが、ぱっと見の印象はやはり崖でありその崖に階段が――百四十二段の石製の、幅の狭い階段がべったりとへばりつい