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【詩】人間になりたい

ああ そうだね
君は僕のこと馬鹿にしていたけれど
僕も君のこと馬鹿にしていたんだね

お日様の色の空気を吸って
湿ったヘドロの息を吐く
生きているだけで僕は公害
だけど破裂して死んだら死んだで
汚い汁を撒き散らす

隅に隠れて
口を塞いで
消滅の時を待ち焦がれていた

君と二人 生きていけると思ったのは
君が同類だと感じたから
ゴミ同士仲良くしようぜって
臭い吐息をかけてもいいやって
蔑んで甘えていたからだ

隣の人を大事にするのが
どういうことかわからなかった
僕が毒の息を纏っているなら
隣にいるだけで迷惑だから

でも気付いたから もうやめたいんだ
自分を生ゴミと名付けたから
中心から腐っていくんだ
傷の包帯を換えないから
いつまでも膿んで熱いんだ

綺麗になりたい
風の吹き抜ける窓になりたい
人間になりたい

君を人間と呼びたい

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