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世界設定資料集 3.1 心がすべてを作る
街というものは丸ごと一つの聖域である。人間の理解や管理の及ばない闇や混沌を締め出し、人間にとって安全で秩序正しい空間を境界線の内部に作り出す。
現代の街の内側では、非情な神がルールを作り、あらゆるものを貨幣に換算し、人間の価値を決める。聖域をより強く、より大きくできる人間が高く評価される。そうでない人間は低く査定され、日の当たらない片隅に追いやられる。
無価値とみなされる恐怖から逃れるために、人は必死で努力する。価値があるとされるものを手に入れ、自らの能力を証明する。価値を認められれば特権が与えられる。より低く順位付けされたものを支配する力が。支配される側から支配する側に這い上がれ、それこそがお前の目指すべき幸福なのだと頭の中で神は囁く。
そこにいることにすら気づかないほどに、神は人の精神に溶けている。神が絶対である限り、価値による上下関係はなくならない。精神に根を張った神と自分の心との間に境界線を引き、その神が無数に存在する神の一人に過ぎないと気づかない限り。
すべては人の心次第である。聖域の中の秩序は、人の心が組み上げた仮想現実である。人の心が変われば人の現実も変わっていく。
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