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秋山黄色 『モノローグ』

サザンオールスターズが居たからMr.Childrenが居て。
Mr.Childrenが居たからBump of Chickenが居て。
Bump of Chickenが居たからRADWIMPSが居て。
RADWIMPSが居たから米津玄師が居て。
と、このように音楽はファッションと同じで影響と連鎖で新しい価値が生まれてきます。今誰もが米津玄師の次は誰だと思っている所ですが、ポスト米津と言うと失礼になってしまうくらい才能に溢れたアーティストを見つけました!

自らですべてを手がけるクリエイター

半年くらい前にyoutubeでたまたま彼のやさぐれカイドーと言う曲が流れてきて『ああこの子格好いいな』と思ってアルバムをダウンロードしたら大当たり。捨て曲もなく、『ああ良いアレンジャーやプロデューサーがついてるんだろうな』と思ったら、すべて彼が行なっている(セルフプロデュース)とのこと。ハチ(米津玄師)などのいわゆるニコニコ動画で自分の楽曲を配信していた時代から、最近Mrs.GREEN APPLEを台頭に若手アーティストが全て自ら手がけるパターンが増えてます。これは簡単に配信できるようになり、コミュニケーションコストや実際かかるコストを考えると、自分で全部やった方が早いと合理的な判断ができるような時代になったからです。

秋山黄色
・作詞 ・作曲 ・編曲 ・映像制作 ・イラスト制作

彼はおそらく音だけで曲を作っているのではなく景色から作っているのだと思います。音と映像が同時に目の前に浮かんできて、それを具現化する能力もある。ただの天才で片付けるのではなくて、ものすごく自分のクリエイティブに対してストイックで合理的な判断をする人なのだと思います。

様々な音楽ジャンルを感じれる楽曲

秋山黄色 『モノローグ』
作詞・作曲・編曲: 秋山黄色
リリース: 2020.02.04

このモノローグですが、イントロから80年代のアメリカのロック、AerosmithやBon Joviなどを感じられる。ロックを代表するコード進行にオクターブユニゾンのギター。大きなドラムのリズム。このイントロを聴いた時点ではサビの展開など想像ができません。そのためにイントロ前の導入部分でいろいろなステレオタイプを持たせないようにメロディアスなフレーズが入っているのだと思います。

ピアノバックで流れるようなメロディーからドラムインして歌もだんだんリズミカルになってきます。実際に子音を強く歌って、英語聞こえするようになってます。

共通項が少ないから生まれる安堵

この曲、Aメロが1番と2番で全然違ったり、間奏が随所入ったり、シンセソロ開けに「え?違う曲?」みたいな展開が入ったり中々スリリングな楽曲になってます。これがいわゆる緊張の線を保ってます。
ただ共通ルールとして下記3点が挙げられます

・Bメロは毎回同じメロディ
・Bメロの後には例外無くサビがくる
・その間に変則的な間奏は入れない

これがこの楽曲を支えるものとなっていて、ものすごく難しい曲なのですが、ぱっと聞きわかりやすい錯覚に陥ります。

何故こんな複雑な曲を

近年、このような複雑な曲が増えてます。その背景には世界的なボーダーレスの動きがあると思ってます。音楽に限らず料理もファッションも昔のように簡単にジャンルで仕分けできない時代です。各アーティストも色々なモノを取り入れながら自分の作品へとブラッシュアップしていきます。現代社会において圧倒的にインプットの量が多く、それをきちんと自分なりに解釈して、自分のものにできている人が昨今話題になってるアーティストだと思います

まとめ: 聞くべきポイント

とりあえず、パワフルであり情緒的でもあるこの曲。一曲でかなりの聞き応えがあります。自分だったらもったいなくて二曲に分けますね笑笑 それでいて一作品に纏まったときに全く違和感がないのは凄いです。

・全体の世界観は演出する歌始まりのフレーズ
・この後の展開が想像できないイントロ
・毎回違うAメロをはじめとした複雑な展開
・複雑の中にも守られてるルール

今年からエピックレコードに所属して、ドラマの主題歌もこの曲でつとめてて、今年ブレイク必須アーティストです。

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