見出し画像

パン職人のルーティン(理想と現実)

時間がない。オープンしてから常に何かに追われてる感覚。
新しい事もしたいし、家庭の時間も持ちたいし、勉強の時間も欲しい。
でも日々の仕込みと延々と先送りにされてる事務作業もしなきゃいけない。

製造の人を雇えばいんだろうけど今の売り上げが続くのかの不安と、この売り上げで新たに雇用出来るレベルなのか?
もう少し我慢して様子みた方が良さそうな気がする。まだオープン景気なのかこれから上がっていくのか。

自分自身で整理する為にもオープンしてからの事をつらつらと。

画像1

1日の流れ

オープン直後は5時位に厨房に入ってパン作りを始めて一通り焼き終わるのが11時くらい。
オープンの10時前位から並行して仕上げやサンドなどもあるのでひと段落するのに13時。
休憩して14時から次の日の生地の仕込みとクロワッサンの折り込みをして終わるのが店が閉まる18時前。
副材料の仕込みと掃除をすると22時前後になる。

朝晩子供にも会えなくなるのでしばらくして営業後の数時間を前にずらして早めに出勤するようになった。今は帰りはギリギリ寝る前の子供と会える位、それでも一目会えるだけでも精神的にかなり違う。

1日15〜16時間労働、これが適正とは思わないけれど、1人で1から作ろうとするとこれ位になっちゃうのが現状です。
パティシエール(カスタード)やトマトソースが袋を開けるだけ、何ならクロワッサンが成形してあって解凍して焼くだけならそりゃ短縮出来ます。
そうすると個性が無くなって低価格競争に巻き込まれてそれはそれで難しい局面にもなるんですけど。
何より僕はそれだと楽しくない。

どっちがいいと言うよりはどちらを選んで覚悟を持ってやるかだと思います。

こう書くと凄い日々擦り切れてるように聞こえるかもしれないですけど、仕事自体は楽しくてやらされてる事は何一つないし、お客さんの反応をダイレクトに受けれるのは一つの醍醐味だと思います。
工場だったりすると日の光が入らない所でお客さんの反応も見れずに黙々と定時まで作って帰るっていう繰り返しになるんで(批判じゃないです)僕は好きになれなかった。

後は少し効率良くなって時間出来ても、じゃあコレをやろう、とどんどん仕事を増やしてしまう悲しい性だからもあるんですが…。

まずは目標として1日12時間位にして行こうと思います。それでもブラックには変わり無いんですけど…最初の目標として。

画像2

変わった事

お店を出して意識が変わった事だったり良かった事、悪かった事がありました。

卵黄を使わなくなった

今までブリオッシュ(水を使わずに仕込むリッチな生地)やパティシエールに卵黄を一部使ってたんですね。その方がリッチになって美味しかった。

その時は凍結卵黄と言うパックの卵黄だけ入った物を使ってたんです、卵白が凄く出ちゃうから。
でも殻の卵だけしか使わないと決めてたんで無理が出るんですね。
メレンゲ焼いてても使いきれず、フィナンシェとか焼ければまだ使い勝手があるんでしょうけど余裕もないので自然と全卵になって行きました。
でも全然美味しかったです。突き詰めれば卵黄を使った方がクオリティは上がるのかもしれないけど自然な方を選びました。
どなたか卵白の上手な使い方知ってたら教えて下さい…。

紙袋の値段取っても文句言われない

今は持ち帰りの紙袋(取手付きだけ)を使う時は10円頂いています。
スーパーに比べたら高いし結構嫌な顔されるかなと思ったんですけど、文句言う人はまだ1人もいないです。むしろエコバック持ってきてくれたり車だから要らないわよ、って方が多くて嬉しかったですね。

画像3

もったいないを意識するようになった

今までも食材に対する意識は持ってましたが、店を出す時になるべく生産者さんの顔が分かる物を使いたかったので主要な材料は探して使わせてもらってます。
が、どうしても毎日売り切りなんて出来ません。
生産量の精度は上げても100%は無理なので残ってしまったら再生品を作ったり、家族の兄妹に配ったり棄てる事はないようにしてます。

で、やっぱり作ってる人の顔が見えると無駄に出来ないなって思うんですよね。一端でも苦労を見せてもらったりどうやって作ってるか見てると。

やっぱり今の食の課題は食べ物の製造過程が見れない事だと思います。
食品がどうやって作られてるか、お肉がどう育てられて屠畜されてパックになって並んでるのか、魚がどうやって獲られて切り身になってるのか。


そして消費者だけじゃなくて作る方もで、卵が既に割られてタッパーに入った液卵を使ったり、カレーパンのルーが袋を開けるだけとかね。
僕も個人店に入るまでは卵の殻も仕事で割ったこと無かったしパティシエールも炊いたこと無かったです。
だから賞味期限切れて捨てる、失敗して捨てるってなっても罪悪感は少ないです。
次に頑張ればいいか、って。
卵の殻割ってると、このパンの中にこれだけの命を使って仕込んでるのかって考えさせられます。

卵も塩もその物になるまで長い工程や命を食べてるって事が現場を見れると凄く自分事に出来るんですけどね。
鶏は年取ってくるとお尻の方が毛が無くなって
来るんですって。
毛を作る栄養を卵に注いで産んでるそうです。
文字通り命を削って産んでます。
卵も期限本当は凄く長いんですよ、よく貼られてるのは生食の期限で加熱するなら全然持ちますし。
小売の独自のルールだったりもあるので廃棄されやすい環境になってて日本は遅れてるなと感じざるおえないです。

画像4

販売スタッフの調整

初めはピークタイム過ぎたらぼく1人でもいいかなんて甘く考えてました。
結果は仕込みが終わらず販売出るなんでとんでもない、夕方スタッフも一応いたんですがオープン直前でキャンセルになって。

結局僕の奥さんが足りない所を全部出る事に。
本当に助かりました、ありがとう。
彼女の両親にも子供の面倒を見てもらって本当感謝です。

想定以上に販売スタッフを入れてるので売り上げはもう少し欲しい所です。
今は何とか回ってますが改善しなきゃいけない箇所ですね。
ただデザイナーの山下さんと施工の花田さんにカッコよく作ってもらったので働いてみたいって方はチラホラ来てくれていてそこは少し救われました。

出足はまずまず

店構えがパン屋っぽくないのか「何屋か分からなかった」って方が結構いましたが、口コミの力で年明けからはコンスタントには来て頂いてます。
数字も近々発表しますね。

そして昨日ですが…

クラウドファンディング達成出来ました!!

支援や応援してくださった皆様ありがとうございました!

途中はどうなるかと思いましたが何とか皆さんにパンを送る事が出来そうです。
まだ追加支援も受け付けているのでお前のパンを食べてみたいぞって方は覗いてみて下さい。31日までとなってます。


本当に1人では何も出来ない事を思い知りました。
色んな方の助けを借りてパンという形で自分を表現出来る事の幸せを感じながら続けて行きます。

現実もちゃんと見つめながら……

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

読んで頂いて感謝です!いつもスキ励みにしてます^ ^ Facebook→ casse-tête (カステット) Instagram→ @casse_tete_kisarazu Twitter→@casse_tetechiba

ありがとうございます!!
223
ハムも作るパン職人。千葉県木更津市にパン屋casse-têteをオープン。パンの話や食育、環境問題やローカルビジネスのお話を。2児の父。好きな食べ物は炊きたてのお米。

この記事が入っているマガジン

コメント2件

クニヨシさん、おはようございます。
改めてクラファン達成おめでとうございます😆
そして今日の記事、とても感動しました。
ホンモノの言葉です。
すごいです。
見習いたいことがいっぱいあります。
おはようございます。
かとしんさん始めnoteを読んでくれてる方の支援のお陰です^ ^ありがとうございました!
楽しい事と大変な事が両方あって楽しいですね。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。